デザインできて5万点近いデータからさまざまな工作が作れる電子切断機Cricut

デジタル技術の普及で高まる個人のものづくり

3Dプリンターが与える影響は製造業だけではなく、消費者の意識、個人のものづくりといった流れを巻き起こしている。かつてイギリスの戦後復興から始まったDIY、Do it yourselfが、日曜大工として巨大な市場を築いたように、工業製品の試作から始まった3Dプリント技術が新たな大きな流れ、個人のものづくりといった風潮を盛り上げようとしている。

こうした個人のものづくりは単に3Dプリンターと言う一技術に象徴されているが、それ以外の技術においても、新たな広がりを見せている。本日ご紹介するCricutもそのうちの一つで、さまざまな素材を使った切り絵ができる切断システムだ。

共通するところはデータからダイレクトに切り絵や文字が作れるという点だが、3Dデータソフトの最大手Autodeskともパートナーを結び、一般消費者向けに参入しようとしている。そこには小規模ながら3Dプリンターと同じように、機器本体の販売や材料販売、切断の元になる二次元のイラストや文字といったデータ販売など一つの市場を構築しつつあるようだ。

インテリアや工芸品などさまざまなDIYが作れる

このCricutは、布や紙、厚紙、ビニールなどさまざまな素材をデータ通りに切断加工できるマシーンだ。3Dプリンターとは違い、基本的に平面の造形加工が可能になる。価格も1台299ドルと安く、造形スピードも切り取るだけなので非常に速い。下記の動画はCricutの動画だが、家庭で誰でも使える簡単な工作キットとして最適だ。

Cricut

切断とプリントができる

Cricut動画

iPadたて

招待状

工芸品

小箱

このように、スクラップブックやDIY、自宅のインテリアに始まり、結婚式の招待状から工芸品など、より身近な、簡単な個人のものづくりを楽しむことができる。

Autodeskと提携し専用デザインソフトも提供

Cricut は、3Dプリンターと同様、デジタルデータから切断加工とプリントを行うわけだが、5万近いデータを公開している。また同時に、既存のデザインされたデータを提供するだけではなく、3Dデザインソフトの最大手Autodeskと提携することで、専用のデザインソフトウェアを提供しているのだ。Autodeskは123Designなどの子供向けの簡単な3Dソフトを提供しているが、Cricut専用のソフトで、一般消費者や子供向けの市場をさらに拡大したい考えだ。

Cricutのデザインソフト動画

Cricutが提供している5万点近いさまざまなアイテムのデザインデータ

Autodeskと専用ソフトを提供

まとめ –個人のものづくりが巨大市場になる-

日曜大工に象徴されるようなDIY市場が拡大し、ホームセンターが増加し続けているように、3Dプリンターとデジタルデータの普及で、個人のものづくり市場が巨大な市場を築くかもしれない。

3Dプリンターや、本日ご紹介したCricutのような機器を使用することで、「表現したい、自分だけのものを作りたい」という、自己実現の欲求を満たすことができるからだ。

とりわけ日本やアメリカ、ヨーロッパなどの先進諸国では、経済的発展を遂げ、ものが有り余る社会になっているため、欲求の段階が、マズローのいう第五の段階、「自己実現の欲求」にまで達していると見ていい。

3Dソフトウェア最大手であるAutodeskが、3Dプリンターだけではなく、Cricut用にソフトウェアを開発していることからも、その消費者向け市場の大きさが伺える。今はまだ、3DプリンターやCricutは登場したばかりで身近な存在ではないが、将来必ず巨大な市場を築くことになるだろう。

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