光造形3DプリンターForm3レビュー【機能編 スクリューコンテナ② : グレイレジン】

光造形3DプリンターForm3レビューの機能編です。
Form3で機能性のある造形を3Dプリントするとどのような仕上がりになるのか?
造形の機能性はどこまで表現されるのか?
を検証していきます。

今回の機能編は、「スクリューコンテナ②」です。前回のレビューの続きになります。
3Dプリンターで機能性のあるスクリューコンテナを3Dプリントしていきます。
スクリューコンテナとは、軽くて丈夫なプラスチック製保存容器として一般的に使われています。
異なるサイズ同士でも積み重ねて保存でき、使わない時は重ねて収納できるのが特徴です。
その中から、形やサイズの違う5種類のスクリューコンテナを3Dプリントしていきます。

表面の仕上がりのディティール以外にもスクリュー部分の機能性についても検証していきたいと思います。
その他に、空洞のあるカップを3Dプリントする場合の仕上がりも比較検証していきます。

3Dプリントする内容と使用するソフト

こちらが、今回3Dプリントをするスクリューコンテナの種類になります。全部で5種類あります。
スクリューコンテナは、カップと蓋に分かれています。別々で3Dプリントします。
3Dプリントした場合の、表面の精度、曲面のカーブの仕上がりや、カップの内側の仕上がり具合などを見ていきます。蓋には、それぞれテクスチャが入っていますのでそちらの仕上り具合も見ていきます。
今回のレビューは、残りの2種類 D E をレビューしていきます。

左がカップ D、右がカップ E

左がフタ D、右がフタ E

プリントするカップの形状とサイズ

順番に説明していきます。

D.カップ
サイズ 幅43.9mm × 高さ42mm

D.フタ
サイズ 幅49.5mm × 高さ10.6mm

E.カップ
サイズ 幅53.9mm × 高さ27mm

E.フタ
サイズ 幅60mm × 高さ12.3mm

こちらの2種類の形状で検証していきます。

使用する光造形3Dプリンターと材料

今回使用する光造形3Dプリンターは、Form3です。
Form3は、高精細、滑らかな仕上がりが特徴の反転方式の光造形3Dプリンターです。
ソフトは、Form3の専用ソフトウェア PreFormを使用します。
PreFormでは、プリントするデータ、プリント方向、サポートの付け方を設定することができます。
光造形3Dプリンター用の材料はForm3専用スタンダードレジンのグレイレジンを使用します。
今回、ソフトウェアPreFormでプリントするカップの3Dデータは、Blenderを使用して作製しています。

3Dプリントで検証したい内容

【検証1】表面ディティールの仕上がり

検証一つ目の内容は、機能性のある造形を3Dプリントした場合の表面ディティールの仕上がりです。
3Dデータの造形がどこまで表現できているのかを検証していきます。今回は蓋にテクスチャが入っていますので、テクスチャの仕上がりも検証していきます。

【検証2】カップ症状の影響

検証二つ目の内容は、カップ症状の影響です。Form3の光造形法で空洞のある造形を3Dプリントする場合に、注意しなければならない現象があります。カッピングという現象です。
※カッピングについては、以前のレビュー 光造形3DプリンターForm3レビュー【カップ編:グレイレジン】で説明しています。そちらを参考にしてみて下さい。

こちらは、PreFormでのプリント画面になります。プリント設定は、直付です。
黄色に表示されている部分にカップが検出されています。5種類のスクリューコンテナの内、こちらの3種類のみカップが検出されました。
今回3Dプリントする2種類のスクリューコンテナは、前回よりもサイズが大きくなっています。
前回3Dプリントした、Cのフタが39mm幅でしたが、カップは検出されませんでした。
今回3DプリントするDのカップが43mm幅です。40mm以上のサイズで、空洞があり高さのある造形の場合は、カップが検出される可能性があるということが分かりました。

左から、E フタ、E カップ、D カップ

Pre Formのプリント画面の右側に
プリント適性が表示されます

カップ症状が出ていますが、そのまま直付プリントで進めていきます。

【検証3】スクリューの機能性

検証三つ目の内容は、機能性のある造形を3Dプリントした場合の表面ディティールの仕上がりです。
3Dデータの造形がどこまで表現できているのかを検証していきます。今回は蓋にテクスチャが入っていますので、テクスチャの仕上がりも検証していきます。

PreFormのプリント設定

サポート設定と積層ピッチ

サポート設定は、直付プリント(サポート設定なし)
積層ピッチは、50ミクロン
でプリントしていきます。

こちらがPreFormでのプリント画面になります。この内容で3Dプリントをしていきます。
※全5種類のカップと蓋をプリントしています。

黄色に表示されている部分が先程お伝えしたカップ症状になります。

PreFormのプリント画面

プリント時間 レイヤー数 ボリューム Total材料コスト 1個あたりのl材料コスト
14h30m 1236層 68.19ml 10個=1,282円 1個=128円

D.カップとフタ

E.カップとフタ

プリント結果

【検証1】表面ディティールの仕上がり 結果

それでは、スクリューカップの全体の仕上がりを見ていきましょう。

D.カップ

●表面の仕上がりは、滑らかで高精細にプリントできている。
●カップの内側部分も底まできれいに造形できている。
●スクリュー部分の溝も凹凸がしっかりできている。
●直付面がほんの少しだけ広がっている。
●積層跡が薄っすら見える。
●全体的に精度の高い仕上がり。

[寸法結果]

サイズ 幅43.9mm × 高さ42mm

3Dプリント後のサイズ
幅 : +0.3mm
高さ : 寸法通り

横に少し歪みましたが、寸歩通りにプリントできた。

D.フタ

●表面の仕上がりは、滑らかで高精細にプリントできている。
●蓋のテクスチャの凹凸も良くできている。
●フタの内側部分も底まできれいに造形できている。
●スクリュー部分の溝も凹凸がしっかりできている。
●直付表面もきれい。

[寸法結果]

サイズ 幅49.5mm × 高さ10.6mm

3Dプリント後のサイズ
幅 : −0.1mm
高さ : 寸法通り

横に少し歪みましたが寸法通りにプリントできた。

E.カップ

●表面の仕上がりは、滑らかで高精細にプリントできている。
●カップの内側部分も底まできれいに造形できている。
●スクリュー部分の溝も凹凸がしっかりできている。
●直付面がほんの少しだけ広がっている。
●積層跡が薄っすら見える。
●全体的に精度の高い仕上がり。

[寸法結果]

サイズ 幅53.9mm × 高さ27mm

3Dプリント後のサイズ
幅 : +0.3mm
高さ : −1mm

全体的に少し歪みました。

E.フタ

●表面の仕上がりは、滑らかで高精細にプリントできている。
●蓋のテクスチャの凹凸も良くできている。
●フタの内側部分も底まできれいに造形できている。
●スクリュー部分の溝も凹凸がしっかりできている。
●直付表面もきれい。

[寸法結果]

サイズ 幅60mm × 高さ12.3mm

3Dプリント後のサイズ
幅 : −0.8mm
高さ : 寸法通り

横に少し歪みました。

【検証2】カップ症状の影響 結果

カップが検出されていた D カップ、E カップ、E フタの3種類のプリント結果を見ていきましょう。
(左からD カップ、Eカップ、E フタ)

3種類とも表面の精度が高い造形に仕上がりました。造形の寸法が少し歪みましたが、造形には問題ない程度でした。今回のプリント設定の場合は、カッピング現象は無くきれいに3Dプリントできました。

【検証3】スクリューの機能性 結果

スクリュー部分の機能がどのように3Dプリントできているのかを見ていきます。
3種類のスクリューカップに蓋をしてみました。

問題無く最後までしっかりと蓋をしめることができました。
スクリュー部分の動作もとてもスムーズです。
機能性に関しては問題なさそうです。

スクリューコンテナの特徴であるスタッキング機能に関しても検証してみます。
今回は、小さいサイズから大きいサイズのコンテナを3Dプリントしてみました。
実際にカップとフタを重ねてみました。
結果は、ピッタリと重ねることができました。

機能編 スクリューコンテナ② 3Dプリントまとめ

今回は、機能編ということでスクリューコンテナをテーマに光造形3Dプリンターで3Dプリントしてみました。
検証結果をまとめると、

●表面のディティールの仕上がり
前回と同様に、全体的に3Dデータ通りにとても高精細で滑らかな造形に仕上がりました。
カップ形状でしたが、底部分まできれいな造形ができました。
蓋にはテクスチャが入っていましたが、どれも高精細な凹凸に仕上がっています。
カップ形状の側面にテクスチャのある造形を3Dプリントしましたが、造形に影響なく3Dプリントができています。前回よりも大きな造形サイズでしたが、小さいサイズのコンテナよりも大きなサイズのコンテナの方がよりきれいな仕上がりになりました。
テクスチャ部分も、小さいサイズよりも大きいサイズの方が、凹凸の精度が良く出ていました。

●カップ症状の影響
カップ症状が3種類に出ていましたが、どれもカッピングの影響が出ずに3Dプリントできました。
今回の5種類のコンテナの造形とプリント設定の場合で比較すると、40mm以上のサイズで、空洞と高さのある造形の場合は、カップ症状が検出される可能性があるということが分かりました。

●機能性に関して
スクリューコンテナの機能である蓋の開閉もスムーズにできました。
スクリューの溝の凹凸もきれいに仕上がっています。スクリュー機能のある造形も光造形3Dプリンターで問題無く3Dプリントできることが分かりました。

今回の3Dプリントの結果は、グレイレジンの持つ滑らかで美しい表面と、高精細なディティール表現が良く出ている結果になりました。機能性に関しては、クリアランスも問題無くプリントできた良い検証結果になりました。また、グレイレジン以外の材料にtough 2000 ResinというABSの強度を再現したものや、ポリプロピレンの靭性を再現したTough 1500、その中間で適度な曲げ強度があるデュラブルなど、曲がりにくく硬くて頑丈な材料があります。
用途や造形の表現に合う最適な材料で、機能を生かした造形に仕上げられるように検証をしていけたらと思います。

2021.8.2 投稿者:i-maker

企業・団体・学校関係者の皆様へ

電話、FAXでもお気軽にご相談ください。

電話 アイコンTEL042-444-7220
FAX アイコンFAX042-444-1219

オンラインストア