金属粉末の積層技術でトップのドイツ
現在の3Dプリント技術でトップを走るのは何と言ってもドイツとアメリカだろう。
アメリカは樹脂タイプの3Dプリンターで圧倒的なシェアを持ち、ドイツは金属粉末の造形技術で世界で主導的な地位を占めている。 とりわけドイツの金属粉末造形は圧倒的で、主要メーカーでも、EOSやConcept Laser、MIT Technologies、SLMソリューション、voxeljet、など有名メーカーが多数存在する。
これらのメーカーの3Dプリンターは、高性能で価格も高いため、主な導入先は工業製品や製造業の現場になっている。
そのため近年のもう一つの成長分野である、「低価格帯の3Dプリンター市場」にはなかなか参入ができていない状況であった。 そんな中、ドイツの工業・機械製品の特長である高性能という特長を活かした低価格3Dプリンターが登場した。
本日は、50ミクロンの解像度を持つ低価格3DプリンターCOBOTをご紹介します。
50ミクロンの解像度で8種の材料に対応
COBOTの最大の特長は50ミクロンの解像度と8種類の材料に対応している点だ。
一般的な低価格タイプの3DプリンターとされているMakerbotのReplicator2が0.1㎜の解像度と比べると、COBOTは0.05㎜なのではるかにレベルが高いことがわかる。
3Dsystemsが次の低価格3Dプリンターとして発表したCube3やCubeProの0.07㎜よりも解像度が高いと言える。 対応素材も一般的な材料であるPLA、ABSに加え、耐衝撃につよいHIPS、親水性に強いPVA、木材系のLaywoodをはじめ、Laybrick、導電性ABS、ナイロン素材にも対応とのことだ。
下記はCOBOTで成形したパーツ類だが、かなり精度が高いことがわかる。
高精度なパーツ試作が可能
COBOT
COBOTスペック
- 外径寸法:430㎜×430㎜×410㎜
- 造形サイズ:210㎜×270㎜×210㎜
- 造形ボリューム:11300 cm³
- 消費電力:110/230V/320W
- レイヤー解像度:50ミクロン/0.05㎜
- 使用材料:PLA樹脂、ABS樹脂、PVA、HIPS、Laywood、Laybrick、導電性ABS、ナイロン
- デュアル押出機冷却搭載
- 価格:4000ユーロ(約55万円)
- 2014年9月~10月発売予定
まとめ –中小企業やデザイン事務所に最適-
以上がCOBOTの紹介だが、価格的にも性能的にも、消費者向けを対象にした3Dプリンターとは違い、ちょっと高めで高解像度が出せることから、モノづくりを行う中小企業や、デザイン事務所などに最適なのではないだろうか。
それに8種類近い素材を使用できることからもより、本格的な試作品を求めるモノづくりの現場にぴったりだ。 また日本と同様、製品のクオリティにこだわるドイツらしく、低メンテナンスで故障も少なく、長期にわたって使用できることをアピールしている。
正直、既存のMakerbotやReprapなど欧米製の3Dプリンターは故障も多く、性能も安定しないのが現状のところだ。
そうした現状からすると、今後低価格タイプの3Dプリンターでも、故障が少ない高性能、高品質の3Dプリンターが大きな価値を発揮するだろう。
我が国日本でも家電製品は故障が少なくて有名だが、ドイツも負けないほど製品のクオリティは高い。低価格3Dプリンターの市場はまだこれからどうなるかわからない中、ユーザーが本当に価値を感じてくれる機械は、ドイツ製なのかもしれない。
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