2016年度にアメリカを抜いて世界一の3Dプリント市場になる中国
3Dプリント市場は欧米や日本だけではなく中国でもその動きが盛んになってきている。
このほど、中国の3Dプリントの牽引役である中国3Dプリント技術連盟とベルギーのマテリアライズ社が公式なパートナーシップを締結した。
目的は2016年度にアメリカを抜いて世界一となる中国市場での、3Dプリントの利用促進及びコミュニケーション強化を図ることだ。
中国は2012年度を3Dプリント普及年として国内の製造業に3Dプリント技術を広めてきている。今年の5月に北京での北京億歳科学技術産業博覧会で3Dプリンターが脚光を浴びるなど、続々とその利用が増加傾向にあるが、2016年度にはアメリカ市場を抜いて世界一100億元の規模になると予測されている。
こうした市場拡大を見据えて、中国3Dプリント技術産業連盟は中国内の3Dプリントサービスの利用促進を図るため、世界中のラビットプロトタイピングサービスでトップを走るマテリアライズ社との提携を結んだと思われる。
中国3Dプリント技術産業連盟とマテリアライズ社の提携
ラビットプロトタイピングのリーディングカンパニー
マテリアライズ社はベルギーに本拠を置く3DCADデータを使ったラビットプロトタイピング企業のトップで、世界各国でそのサービスを提供している。
もちろん中国においても長年の実績をもち、手掛ける分野は自動車産業、エレクトロニクス産業、医療・歯科関連と幅広い。
添加剤製造、すなわち3Dプリントサービスでは20年近い実績を誇っている企業だ。今回の中国3Dプリント技術産業連盟と提携することにより世界一の市場でのプレゼンスを拡大することが想定される。
背景には中国国内での3Dプリント技術の遅れがあるのかもしれない。中国3Dプリント技術産業連盟の羅軍事務局長によると、中国の3Dプリント産業は「安定性、精密度、材料などで国外から一定の差を開けられている」と述べられている。
こうした中国の3Dプリント技術の遅れから、3Dプリントサービスで最も実績があり、中国での事業展開の実績も長いマテリアライズ社との提携がなされたものだと考えられる。
まとめ
中国はあらゆる分野での成長性が注目され、世界市場の中で大きな地位を占めていくことが予測されているが、3Dプリント市場においても同様だ。
種々問題もあるが、中国の製造業は巨大で「世界の工場」とも言われ、当然のことながら3Dプリント技術の恩恵を受けることで更なる拡大が図る可能性を秘めている。
既に何年も前から中国のフォックスコンなどの超巨大エレクトロニクス企業では高性能な3Dプリンターが大量に配備され、製品設計は3DCADで行い、データによる製造プロセス管理が行われている。
しかし今後は中国3Dプリント技術産業連盟とマテリアライズの提携に代表されるような3Dプリントサービスが大きな地位を占めてくるのではないだろうか。
特に大小さまざまな製造業が存在する中、自社で高性能な3Dプリンターを導入しなくても一元的な3Dプリントサービスが受けられることが求められてくる。
世界各国で3Dプリントサービスが続々と開始される中、今後世界最大の市場となる中国での3Dプリントサービスも注目していきたい。
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