中国は40万の小学校に3Dプリンターを配備する計画

教育における3Dプリンターの重要性

3Dプリンター市場において、教育分野は最も大きな可能性を秘めているフィールドの一つだ。ご存知のとおり、3Dプリント技術はあらゆる分野、業界に適用することが可能で、その社会的影響は絶大なものがある。

製品開発のスピードや圧倒的なコスト削減能力、さらにはクラウドを通じたデータ共有によるグローバルワイドでのカスタマイズ製造など、その可能性は無限大だ。また、これまでものづくり、製品開発の分野に参加することができなかった人々をこの分野に参入させ、アイデアさえあれば、それをカタチにすることが容易になって来ている。

もちろん一つの製品を開発し、さらには生産、販売まで至るまでに普通ではない苦労が存在するが、一昔前に比べればはるかに参入しやすい状況だといえよう。このように3Dプリンターのメリットや影響については、端的に述べることができないほど巨大で、その範囲も広い。

しかし、その技術を習得しているかどうか、また習得した人材がいるかどうかは、国家レベルで見た場合、国の競争力に巨大な影響を与えることになる。

2年で全国40万校に配備する計画

言い換えれば、この3Dプリント技術に精通する人材を育成することが、時代に適合する行為であり、新たなイノベーションが生まれやすい環境を育むことに繋がる。そうしたことを踏まえ、先進諸国では3Dプリンターを学校に取り入れる動きが盛んだ。アメリカやイギリスではすでに多くの学校に導入を行っているし、シンガポールなどでもこの技術に対する教育の投資は幅広く行われている。

しかし、新たに、ここで世界第2位の経済大国中国が全国40万校の小学校に3Dプリンターを配備することを発表した。この発表を行ったのは、台湾の3DプリンターXYZprintingを率いる新金寶グループのリーダーサイモン・シェン氏だ。新金寶グループは、台湾の巨大コングロマリット金仁寶グループ傘下の三大グループの一つ。XYZprintingは新金寶グループが手がけるエレクトロニクス製品の数あるうちの一つだ。

ちなみに、金仁寶グループは台湾を代表するエレクトロニクス産業のパイオニアで、グループ内に23の企業、7社の上場企業、8万人の社員を抱えるグローバルカンパニー。サイモン・シェンCEOによると、中国政府が今後2年間の間に全国の約40万校の小学校に3Dプリンターを配備する計画をもっているとのことだ。

まだ具体的計画の詳細は明らかにされてはいないが、中国も独自に3Dプリンターを開発し、国家主導で相当な力を入れているのは明らか。他国がこの分野に投資し、自国の製造業を次世代型にして競争力を高める中、座して見ているということはない。ちなみに人口規模や、教育体制が異なるため数が多いことに変わりはないが、日本は2万2千校、アメリカは10万校ほど。

まとめ 3Dプリント技術でさらなるレベルアップ

XYZprintingはFDMタイプの3Dスキャナー搭載のダヴィンチと、液状のエポキシ樹脂アクリル樹脂ポリウレタンをベースいした紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射し硬化させる光造形方式のノーベルというラインナップを揃え、最近ではれレノボの子会社と提携し、今年だけで10万台以上の出荷を予測しているとのこと。中国の代表的なエレクトロニクス企業レノボとの提携は、明らかに中国市場を対象にしたものだが、これに中国での小学校普及が現実的に動けば、一気に広まる可能性が高い。

現在中国の製造業の実力は相当高く、最近では韓国のサムスンやLGを抜き去る勢い。巨大な人口数を抱えるため、一部の悪い部分が目立って報道されると全てが悪いように見られるが現実は違う。エレクトロニクスでは前述のレノボをはじめ、ハイアール、ファーウェイなど巨大で高度にハイテク化された工場を持つ。

さらには経済成長を背景に、次世代をつくる人材育成に投資することはさらなる国の強化に繋がることになる。名実ともに、エレクトロニクスやデジタル家電の分野においても世界を席巻することになるだろう。

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