Carbon3Dプリンターが使用実績を公開。ターミネータージェネシスで使用

Carbon3Dプリンターが使用実績を公開、映画特殊加工での使用

通常の光造形3Dプリンターと比べ、圧倒的に高いクオリティと高速性が注目されるCarbon3Dプリンター。通常の光造形はFormlabs社のForm2のように液体のエポキシ樹脂アクリル樹脂ポリウレタンなどをベースにした紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射し硬化させるが、液体樹脂の内部で紫外線を照射するCLIP製法で積層の粗をなくし、驚異的な高速造形が可能だ。このCarbon3Dプリンターだが、オートデスクの投資を受け、新たな3Dプリンターとしての地位を着々と築きつつある。

本日はそんなCarbon3Dプリンターがある企業で使用されているという事例をご紹介しよう。正式なエンドユーザー向けの量産販売はまだ先の状況だが、今回の導入事例はその性能を思う存分知らしめるための役割を担っているといってもいいだろう。Carbon3Dプリンターの使用が発表されたのは、映画などの特殊加工を行うロンドンの制作会社レガシーエフェクトだ。

映画で使用される特殊加工やプロダクトの分野ではハリウッドで最も有名といっても過言ではない。彼らが特殊加工を手がけた映画作品は超有名作品ばかり。アカデミー賞を受賞したアバターや、アメリカの代表的ロボット映画アイアンマン、最近ではミュータントタートルズなどが挙げられる。

映画で使用される特殊加工品やメイクなどは、いわば超高レベルなクオリティを求められるが、その製造にCarbon3Dプリンターが使用され始めているという。それではCarbon3Dプリンターはどのような面から従来の3Dプリンターとの違いを発揮しているのだろうか。

ターミネータージェネシスの特殊加工でその真価を発揮

レガシーエフェクトが新たに3Dプリンターを使用し始めている最大の理由は、映画制作会社から求められる厳しい要求が引き金になっているという。3Dプリンターを使用するきっかけにもなった代表的な映画がゴジラで、映画制作会社からは短納期で尚且つ高クオリティの精度を求められたことがきっかけだという。

このゴジラの特殊加工作品の製造にはストラタシスのポリジェットタイプの3DプリンターやFDMタイプのものを使用したが、製造されたプロトタイプは非常に脆く、簡単に破損してしまったことから、Carbon3Dプリンターの使用を開始したという。実際にCarbon3Dプリンターが使用されたのは来月アメリカで公開予定のターミネータージェネシスの特殊加工品だ。

このターミネータージェネシス用にCarbon3Dプリンターでつくられたパーツは、これまでの3Dプリンターにはない強度、表面のなめらかさを発揮できたという。また、Carbon3Dプリンターを使用することで、これまでとは比較にならないほど品質、スピード、デザインの精度を発揮でき、製造にかかるリードタイムと金銭的コストが圧倒的に改善されたとのことだ。

これまでにない金型並のクオリティと高速プリント

Carbon3Dプリンターの詳しい性能については、「射出成形なみのハイクオリティな仕上がりを高速3DプリントCarbon3D」をご参照いただければと思うが、その最大の特長は金型を使用した射出成形並のクオリティを発揮することが可能という点にある。射出成形とは高音でドロドロに溶かした樹脂をポンプのような巨大な注射器で高圧力で金型内に注入し、冷却して固める製法。

その特徴は滑らかな仕上がりができる点にある。樹脂にはABS樹脂PLA樹脂ポリカーボネートなど、さまざまな種類が存在するが基本はさまざまな分子と分子が結合されて構成されている。射出成形とはこの分子レベルで高圧力で押し込まれるため分子同士の密度が濃密になり、しっかりとしたプラスチック成形が可能になる。

3Dプリンターでつくられたプラスチックと金型でつくられたプラスチックではぱっと見は分からないが、ミクロレベルでの造形精度は全く異なる。いわばCarbon3Dプリンターは独自のCLIP製法によって分子レベルでの濃密な仕上がりを可能にし、滑らかな表面加工を可能にする。

もちろん射出成形のように微妙に金型内の温度を変化させ表面に光沢を付けるピアノブラックのようなことは不可能だが、それでも従来の積層ピッチが残る3Dプリンターの仕上がりに比べればはるかに優れていると言えるだろう。

まとめ Carbon3Dプリンターは製品開発を飛躍的に向上させる

Carbon3Dプリンターが本格的に販売開始となれば、世界的な規模で大人気になるだろう。そのスピードは既存の3Dプリンターが数時間かかる物体をわずか6分ほどで作り上げてしまう。しかもその精度はこれまでの3Dプリンターとは比べ物にならないほどハイクオリティで。

これによりプロトタイプの製造用途としてはCarbon3Dプリンターほどその効果を発揮するものはないかもしれない。また教育用やデモンストレーション用としてもCarbon3Dプリンターほど効果的な物はないだろう。例えば3Dプリンターの製品開発の有効利用を教える授業やデモンストレーションを行ったとしても物体がすぐにその場で形付くられるわけではない。わずか50mm四方の物体でも形状によっては数時間から10時間近くかかる。

しかしCarbon3Dプリンター並に高速で作ることができれば、3Dデータと3Dプリンターの製品開発の有効性を即座に理解させることができる。また、プロダクトデザインの分野においても製品開発のスピードを格段に高めることにつながるだろう。製品企画からデザイン、そして試作品の製造と確認という作業の部分が圧倒的に早くなる。試作にかかる時間がより短縮されることで、製品開発を行うメーカーや起業家はもっと別のことに時間と資金を注ぐことが可能になるわけだ。

今後の進捗が更に気になるところだ。

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