プログラミングと3Dプリントが同時に学べるレーシングキットCannybots

プログラミングと3Dプリントの重要性

プログラミングと3Dプリント技術。二つのデジタル技術はこれからの時代のものづくりにとって最も求められるスキルだ。3Dプリントとインターネットが結びつくことで多くの人々の要望に応えられるカスタマイズ性が発揮されるし、多くの人々と設計データを共有すれば製品開発のスピードも段違いだ。

一方でプログラミングは今後の家電製品の核になる技術といっても過言ではない。多くのモノが無線を介してソフトウェアアプリケーションで操作されるようになれば、モノを機能させるための核がプログラムだからだ。この二つの技術に精通する人材を育成することが、国を代表する産業の育成に繋がるし、そこから新たな製品が生まれる事になる。

こうした事実から、多くの先進国がこの二つの分野の教育に力を入れ始めている。とりわけ盛んなのがイギリスやアメリカ、中国、インドなどが挙げられるが、そこに存在するのは一般的な記憶するといったこれまでの学習とは違い、楽しみながら創意工夫を育てる学習が垣間見れる。本日はそんな3Dプリントとプログラミング両方を楽しみながら習得できるオープンソースのおもちゃのキットCannybotsをご紹介。

レーシングカーを作りながら3Dプリントとプログラミングを学ぶ

Cannybotsはオープンソースの3Dプリントできるおもちゃのレーシングキットだ。誰もが3Dプリント可能なレーシングキットをダウンロード可能できてカスタマイズできる。ラジコンキットの操作はタブレットやスマートフォン、パソコンのアプリケーションで操作可能で、こちらのラズベリーパイを制御するソフトウェアプログラミングも完全オープンだ。

このCannybotsにはBlueBrainという強力なコントローラーを内蔵しており、アルドゥイーノとmbedを使用してプログラムを作成アップロードをすることも可能。ちなみに、BlueBrainには、Bluetooth4.0やARMプロセッサ、デュアルチャネルモーターコントローラーが内蔵されている。

プログラムは、アルドゥイーノ、Google Blockly、mbed、Pythonといった、プログラミング環境に対応している。まさにおもちゃのラジコンを楽しみながら自分の好きなようにカスタマイズすることができる。オープンにされた設計図とプログラムを元に改良すれば、自分の好みのパワフルなレーシングマシーンが作れるというわけだ。

Cannybots動画

Cannybotsソフトウェア

  • iOS、アンドロイド対応
  • 無線でプログラム
  • 互換性:アルドゥイーノ、mbed、Scratch、Python、グーグルBlockly
  • ラズベリーパイ、iOS、アンドロイドを用いてコーディング可能
  • 完全オープンソース

教育現場での応用が期待

このCannybotsは、レーシングカーのボディの3Dデータや内部のプログラムが完全オープンソースにされていることから、教育現場での利用が期待されている。ボディの3Dデータは、オートデスクのソフトウェアやGoogleスケッチアップのような3Dデザインソフトで編集することも、リデザインすることもできるし、もちろんMakerBotなどの3Dプリンターで作ることもできる。

また、オープンにされたプログラムを使用することで、基本的なアルゴリズムと、コーディングの方法を学ぶことができる。もちろんこれをベースにさらに複雑で、機能アップしたものを作ることも可能だ。まさに子供たちがものを作って動かすという一連の流れを楽しみながら行うことができる。

BlueBrain

まとめ 学習キットで興味を喚起

プログラミングや3Dデザインという分野、とくにプログラミングはそうだが、いかに学習する側の興味をなくさないで習得させるかということが重要になってくる。また、子供たちが成長し高等教育へと進み、より複雑なプログラムやエンジニアリング分野の3D設計を習得するためにも幼少期における楽しい記憶が非常に重要になる。

そうした点からも実際に組み立てながら楽しみながら馴染めるキットはある意味必須かもしれない。ものづくりは常に学問や机上で行われるのではなく、現場で行われるものなのだから。そうした点から言うと、欧米は続々とユニークでオリジナルなキットが登場してきており、教育機関もそうしたものをすんなりと受け入れる土壌があるのだといえよう。

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