世界初の電子回路基板の3Dプリンター
Camtek社はイスラエルに拠点をもち、米国、欧州、日本、中国、香港、台湾、韓国、シンガポールに子会社を持ち、世界中で34カ国以上に事業を展開するグローバル企業だ。
主に半導体製造や基板製造の業界に対して、画像処理技術に基づいた電子部品の光学検査器システムを販売している。
今回Camtek社は2013年度の第三四半期の業績発表時において、2014年度の主力製品を発表を行った。
同社は2014年度の主要製品として電子回路基板の3Dプリンターを投入するとしている。
電子回路基板分野でのカスタマイズ製造は世界で初めてだ。同社CEOのロイ・ポラート氏は「今回発表される電子回路基板の3Dプリンターはわが社の収益にとって大きな影響をもたらすことは間違いない」と語っている。
GreenJet画像
通常、電子回路基板の製造工程は大まかに言うと下記の製造ラインで行われる。
- クリームはんだ印刷機でクリーム状のはんだをプリント配線板に載せる。
- 表面部品実装機で表面実装部品をプリント配線板の上に搭載する。
- リフロー炉で,表面実装部品を載せたプリント配線板を加熱し,クリームはんだを溶かして,はんだ付けする。
上記が現在の通常のプリント基板を製造する工程だ。
かなりざっくりした製造ラインだが、基盤が投入されてから、はんだ付け、各部品搭載がなされ最終状態になるまでには、各コ工程で各機器が必要になる。
Camtek社は2014年度に投入する予定の基板用3Dプリンターの詳細はGreenJetシステムとして発表しており、従来の塗布、乾燥、露光、現像のプロセスを置き換えるものになるとしている。
もし現状の製造ラインと同等の性能を発揮しうる製品であればエレクトロニクス製造の場に革新が起こされることになるだろう。
ちなみに同社は基板用3Dプリンターの市場規模は600万ドルから700万ドル(約7億円)程度を見越している。
同時に、Camtek社は3Dプリンター機器本体以外に消耗財の販売も行う予定で、既存の製品ラインに加えて、プリント基板業界向けのデジタル3Dプリント分野で活動を行っていくとのことだ。
まとめ
電子機器の製造において半導体や基板製造など実装に関わる分野は最も重要になっている。
基板装置は電子機器の動力源となる部分であり、実装されている部品や半田にわずかな不良があった場合にはその機器は動作しなくなってしまう。
また最悪の場合は故障だけではなく事故などにつながる可能性があるため、最も細心の注意と、最高の精度を保つ必要がある。
そのため、電子機器の製造ラインにおいては基板の不良解析というパートが非常に大きな意味を持ってくる。Camtek社は、そうした不良解析や精密検査という技術では長い実績と高い技術力をもつ企業だ。
同社は世界34カ国2800の分析システムの導入実績を持っており、半導体メーカー、電子部品実装に関わる様々な企業に評価されている。
そのため、最も電子部品実装の大切さや精度保持に実績のあるCamtek社が電子基板用の3Dプリンターの製造販売を行うことは製品のクオリティに対して信用と安心感がおける。今後の製品詳細が気になるところだ。
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