光造形3DプリンターForm3レビュー【応用編 ビールジョッキ : クリアレジン】

光造形3DプリンターForm3レビュー応用編です。「ビールジョッキ」を3Dプリントします。
光造形3Dプリンターで、カップ形状を3Dプリントするとどうなるのか?
表面のテクスチャのディティールはどこまで綺麗に仕上がるのか?
を検証していきます。

スタンダードレジンの材料であるクリアレジンを使用して3Dプリントをしていきます。
前回からのボトルのカップ形状に続いて、ビールジョッキを検証します。
ビールジョッキは、別称ビアジョッキとも呼ばれています。厚手のガラス製が一般的によく知られています。
光造形3Dプリンターで、空洞のあるカップ形状をプリントする場合の方法や、3Dプリントのディティールの仕上がりを検証していきましょう。

プリントする形状とサイズ

こちらは3Dプリントするビールジョッキの3Dデータになります。
3Dデータは、Blenderという3Dソフトを使用して作製しています。 

サイズ : 60.5mm(縦)×80.8(横)×98mm(高さ)

使用する光造形3Dプリンターと材料

今回使用する光造形3Dプリンターは、Form3です。
Form3は、高精細、滑らかな仕上がりが特徴の反転方式の光造形3Dプリンターです。
ソフトは、Form3の専用ソフトウェア PreFormを使用します。
PreFormでは、プリントするデータ、プリント方向、サポートの付け方を設定することができます。
光造形3Dプリンター用の材料はForm3専用スタンダードレジンのクリアレジンを使用します。

3Dプリントで検証したい内容

【検証1】表面ディティールの仕上がり

検証一つ目の内容は、表面ディティールの仕上がりです。
3Dデータの造形がどこまで再現できているのかを検証していきます。
今回3Dプリントするビールジョッキは、表面に凹凸があり、大きな取手がついているのが特徴です。
カップの厚みは前回のボトルよりも厚く、3.7mmになっています。厚みがあり造形が大きい分、重厚感のある造形になっています。

【検証2】カッピングの影響は出るのか?

検証二つ目は、カッピングの影響は出るのか?です。Form3の光造形法で空洞のある造形を3Dプリントする場合に、注意しなければならない現象でカッピングというものがあります。
今回のビールジョッキは中が空洞になっていますので、カッピングがどこまでプリントに影響するのかも検証していきます。
※カッピングに関しては、光造形3DプリンターForm3レビュー【カップ編:グレイレジン】で詳しく説明していますのでぜひ参考にして下さい。

PreFormのプリント設定

サポート設定と積層ピッチ

サポート設定は、直付プリント(サポート設定なし)
積層ピッチは、100ミクロン
でプリントしていきます。

こちらがPreFormでのプリント画面になります。この内容で3Dプリントをしていきます。

プリント時間 レイヤー数 ボリューム Total材料コスト 1個あたりのl材料コスト
7h30m 980層 80.67ml 1個=1,517円 1個=1,517円

カップ症状が検出されました。
このまま直付で3Dプリントをしてカップ症状の影響を検証していきます。

プリント結果

それでは、3Dプリントの結果を見ていきましょう。

【検証1】表面ディティールの仕上がり 結果

●表面全体の仕上がりは、とても滑らかで高精細なプリント。
●表面の凹凸もきれいにプリントできた。
●ビールジョッキの取手は、一部積層跡が目立つ。
●取手の角の精度が高い。

積層表面

●側面の凹凸面に積層跡が出た。
●凹凸の無い反対側の側面の方が積層跡が少ない。
●カップの内側は底までとても滑らかににプリントできた。

[寸法結果]

サイズ : 60.5mm(縦)×80.8(横)×98mm(高さ)

3Dプリント後のサイズ
縦 : −2.1mm
横 : +1.1mm
高さ : −1.5mm
全体的に造形が歪んだ。

検証2】カッピングの影響は出るのか?

カッピングの影響を見ていきます。
大きな破損等のカッピング症状は見られませんでしたが、圧迫による影響で造形の歪みが少しありました。

●ビールジョッキの底の一部が欠けた。
●側面表面の一部に、圧迫による積層段差が目立つ。
●造形自体が全体的に歪んだ。特にコップ上部の口が縦に歪んだ。

応用編 ビールジョッキ クリアレジン 3Dプリントまとめ

今回は、応用編 ビールジョッキをテーマにクリアレジンを使用して光造形3Dプリンターで3Dプリントしました。
検証結果をまとめると、

●表面テクスチャとディティール
表面の仕上がり : 滑らかな仕上がり。
形状の仕上がり : 側面の凹凸や、取手も高精細にプリントできた。
カップの厚み : 3.7mmと非常に厚い形状だが、内側まできれいにプリントできた。重厚感のある仕上がり。

●カップ症状の影響
サポート設定 : 直付でプリント成功。
カップ症状 : 直付の支え部分に影響が少し見られた。
高さのあるカップ形状だったので、側面の積層の一部とカップの口部分に圧迫による歪みが見られた。

今回のような、高さがあるカップ形状で表面に凹凸のある造形の場合は、カッピングの影響が出る可能性があります。造形の形状によってはPreFormでのプリント設定方法を見直すか、プリント前にカップ症状を良く確認してデータを修正する必要があります。

●クリアレジンについて
クリアレジンの持つ透明性から造形内部のディティールの仕上がり具合が良く見えました。特に今回は取手の仕上がりと透明性が高く、内部まで精細に3Dプリントできました。プロトタイプ等の試作の場合にも、表面だけでは無く内部のディティールまでを確認したい場合には、クリアレジンが最適な材料になります。
クリアレジンは主に、製品開発やプロトタイプの試作で使用されています。内部のディティール以外にも流体チャネルや光を通す必要がある用途に適しています。

2021.8.20 投稿者:akkii

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