光造形3DプリンターForm3レビュー【球体編 : クリアレジン】

光造形3DプリンターForm3レビュー 球体編です。
光造形3Dプリンターで、透明な球体を3Dプリントするとどうなるのか?
表面のディティールや曲面はどこまで綺麗に仕上がるのか?
を検証していきます。

以前、光造形3DプリンターForm3レビュー【球体編:グレイレジン】でグレイレジンを使用した球体をレビューしましたが、今回はクリアレジンを使用して透明な球体を3Dプリントしていきます。
ぜひグレイレジンのレビューも参考にして下さい。

3Dプリントする球体の内容とサイズ

こちらが、今回3Dプリントをする球体になります。
3Dデータは、Blenderという3Dソフトを使用して作製しています。

[サイズ]

Φ27mm の球体

[ポリゴンについて]

球体のポリゴンの密度の違いによってプリントの仕上がりが造形表面に
どのように影響していくのかを検証していきます。
今回3Dプリントする球体のポリゴン数になります。
ポリゴン数が多い球体で検証してきます。

サイズ : 横割800ポリゴン × 縦割1600ポリゴン (1,280,000枚)
データサイズ : 686.7MB

使用する光造形3Dプリンターと材料

今回使用する光造形3Dプリンターは、Form3です。
Form3は、高精細、滑らかな仕上がりが特徴の反転方式の光造形3Dプリンターです。
ソフトは、Form3の専用ソフトウェア PreFormを使用します。
PreFormでは、プリントするデータ、プリント方向、サポートの付け方を設定することができます。
光造形3Dプリンター用の材料はForm3専用スタンダードレジンのクリアレジンを使用します。

3Dプリントで検証したい内容

【検証1】表面ディティールの仕上がり

検証一つ目は、球体を3Dプリントした場合の表面ディティールの仕上がりです。どこまできれいな球体ができるのかを検証していきます。クリアレジンの透明な仕上がりも検証していきたいと思います。

【検証2】積層ピッチの違いによる造形表面の影響は出るのか?

検証二つ目は、積層ピッチの違いによる造形表面の影響です。
積層ピッチの違いが、球体表面の滑らかさにどの程度影響を与えるのかを検証していきます。
積層ピッチは、樹脂の種類によって選択できるサイズが異なります。
今回使用する材料のクリアレジンの場合は、
100ミクロン、50ミクロン、25ミクロンという3種類の積層ピッチが選択可能です。
積層ピッチが小さくなる程、1層毎の厚みが薄くなり表面がより滑らかに仕上がります。
その分、プリントの積層レイヤー数、プリント時間、材料のボリュームが増えていきます。
今回は、この3種類で造形表面の影響を検証していきます。

Pre Formのプリント設定

サポート設定と積層ピッチ

[ サポート設定 ]

手動プリント
※球体の側面に付いていたサポート材を、手動で減らしています。
造形の表面にサポート材跡の影響が出ないように、できるだけ底面のみにサポート材がくるようにしています。

サポートを減らす場合の注意点 : 曲面の為、サポートを下手に少なくすると造形物が
ビルドプラットフォームに貼り付かずに落下する危険性があリます。
※球体の場合のサポート材の付け方は、少し難しいかもしれません。

[ 積層ピッチ ]

100ミクロン、50ミクロン、25ミクロン の3種類で3Dプリントします。

こちらがPreFormでのプリント画面になります。

PreFormのプリント画面 (100 ミクロンの場合)

※一部今回のプリントではない造形も含まれています。

積層ピッチ毎のプリント内容になります。全部で3回、3Dプリントしていきます。

100ミクロンのプリント内容

プリント時間 レイヤー数 ボリューム Total材料コスト 1個あたりのl材料コスト
2h30m 340層 27.96ml 2個=526円 1個=263円
※一部今回のプリントではない造形も含まれています。

50ミクロンのプリント内容

プリント時間 レイヤー数 ボリューム Total材料コスト 1個あたりのl材料コスト
4h00m 676層 27.80ml 2個=523円 1個=262円
※一部今回のプリントではない造形も含まれています。

25ミクロンのプリント内容

プリント時間 レイヤー数 ボリューム Total材料コスト 1個あたりのl材料コスト
8h30m 1349層 27.85ml 2個=524円 1個=262円
※一部今回のプリントではない造形も含まれています。

プリント結果

それでは、3Dプリントの結果を見ていきましょう。

プリントが終了した所
この後洗浄をしていきます

【検証1】表面ディティールの仕上がり 結果

100ミクロン

●3Dデータ通りにプリントできている。
●きれいな球体に仕上がっている。
●表面全体の仕上がりは、滑らか。

[寸法結果]

サイズ Φ27mm

3Dプリント後のサイズ
円の直径 :Φ26.8mm −0.2mm
寸歩通りにプリントできた。

50ミクロン

●3Dデータ通りにプリントできている。
●きれいな球体に仕上がっている。
●表面全体の仕上がりは、とても滑らか。

[寸法結果]

サイズ Φ27mm

3Dプリント後のサイズ
円の直径 :Φ26.9mm −0.1mm
寸歩通りにプリントできた。

25ミクロン

●3Dデータ通りにプリントできている。
●とてもきれいな球体に仕上がっている。
●全体の仕上がりは、とても滑らかで表面がツルツルしている。

[寸法結果]

サイズ Φ27mm

3Dプリント後のサイズ
円の直径 :Φ27mm
寸歩通りにプリントできた。

【検証2】積層ピッチの違いによる造形表面の影響 結果

それでは、積層ピッチの違いを見ていきましょう。

100ミクロン

●積層跡が少し見える。
●頂点に2.5mm程の円形状の積層跡ができている。(プリント終わり部分)

50ミクロン

●積層跡が薄っすら見える。
●頂点に2.0mm程の円形状の積層跡ができている。(プリント終わり部分)

25ミクロン

●積層跡はほとんど分からない。
●頂点に1.5mm程の円形状の積層跡ができている。(プリント終わり部分)
●とても高精細なきれいな造形。

積層ピッチの違いを比較すると、100ミクロンでも十分きれいで滑らかな球体に仕上がっています。25ミクロンになると、積層跡もほとんど分からないくらいになり、表面がとても滑らかな球体に3Dプリントできました。

[透明度の違い]

積層ピッチの違いによる透明度の違いを見ていきましょう。

写真の左から100ミクロン50ミクロン25ミクロン

積層のレイヤー数が増えるにつれて球体がより透明に仕上がりました。
積層跡が目立たない分クリアに仕上がっています。

[サポート材]

サポート材を外してみました。サポート材の跡を見てみましょう。

写真の左から100ミクロン50ミクロン25ミクロン

球体の底面のみにサポート材跡がついています。この後に全体を研磨をすると、球体表面がよりきれいになります。サポート材の跡も目立たなくなり、さらに滑らかな球体になります。

球体編 クリアレジン 3Dプリントまとめ

今回は、球体編をテーマにクリアレジンを使用して光造形3Dプリンターで3Dプリントしてみました。
検証結果をまとめると、

表面ディティールの仕上がり
3種類の積層ピッチの違いで球体を検証しましたが、どれも3Dデータ通りにとてもきれいに3Dプリントできました。表面の仕上がりは、3種類共とても滑らかにプリントできましたが、特に25ミクロンの球体表面が高精細でとても滑らかな造形に仕上がりました。

積層ピッチの違いの影響
積層ピッチの違いの影響は、積層が細かくなるにつれて積層跡がほとんど目立たなくなりました。クリアレジンでのプリントだったので造形の内側部分が透けて見えています。25ミクロンが一番透明に仕上がりました。

●材料の違い
今回は、材料をグレイレジンからクリアレジンに変更して同じ造形を3Dプリントしてみました。
透明になったことで、グレイレジンに比べて造形の仕上がりがより鮮明に伝わる結果となりました。積層の繊細な表現が良く見えます。グレイレジンの球体と比較すると、表面の仕上がりは、グレイレジンの方がクリアレジンよりもより滑らかに仕上がっている印象を受けました。同じ造形でも、材料のカラーの違いで造形の表面ディティールに違いが出ることが分かりました。

クリアな材料できれいな球体を3Dプリントしたい場合は、ポリゴンの多い3Dデータで、25ミクロンでの3Dプリントをおすすめします。今回の検証の場合は、こちらの設定のプリント方法をおすすめします。

100万円以下の光造形プリンンターで、ここまで高精細でクリアな3DプリントができるのはForm3だけでしょう。
Form2やForm3のスタンダードレジンには、クリアの他にもホワイト、グレイ、ブラックがあります。表現に合うカラーを選べます。
引き続きクリアレジンを使用した3Dプリントをレビューしていきます。

2021.8.6 投稿者:akkii

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