オープンソースを進めるオートデスク
オートデスクが進めるスパークプラットフォーム。3Dプリントに関するあらゆる分野、ハードウェアやソフトウェア、システム、材料など全てをオープンソースにし、この技術によってイノベーションを起こそうという企業が数多く参画している。
そのフラッグシップモデルとなるのがオートデスクのオープンソースの3DプリンターEmberだ。Emberとスパークプラットフォームについては、「オートデスクはオープンソースで進化する3DプリンターEmberを発表」でご紹介しているのでそちらをご参照いただければと思うが、とうとう3Dプリンターだけではなく、それに使用する材料までもオープンソースとして公開を行っている。本日はオートデスクのEmber3Dプリンター用材料のレシピ公開をご紹介。

Ember3Dプリンターの材料もレシピを公開
オートデスクが販売しているオープンソースの3DプリンターEmberは光造形の3Dプリンターだ。Emberを構築するソフトウェアも、ハードウェアもオープンソースにされており、スパークプラットフォームに参加している企業はこれを元にさらに改良することができる。
今回はこのEmberに使用される材料のレシピもオープンにし、改良やバリエーション拡大につなげてもらおうという考えだ。Emberのベーシックな材料は極性樹脂番号48、略してPR48と言われる感光性樹脂。Ember3Dプリンターの光造形に最適化された樹脂で、48回の試作を経てきたことから、この名前が付けられている。オートデスクはこのPR48のレシピを公開し、プロがそれを元に改良してもらうことを目的としている。

PR48の化学式
- オリゴマー:Allnex Ebecryl 8210 39.776%, Sartomer SR 494 39.776%
- 光開始剤:Esstech TPO+ (2,4,6-Trimethylbenzoyl-diphenyl-phosphineoxide) 0.400%
- 反応性希釈剤:Rahn Genomer 1122 19.888%
- UV遮断剤:Mayzo OB+ (2,2’-(2,5-thiophenediyl)bis(5-tert-butylbenzoxazole)) 0.160 %
Ember3Dプリンター動画
まとめ オープンソースで進化
このオートデスクのEmber3Dプリンターは、出荷できる地域が限定されている。アメリカ、カナダ、ドイツ、フランス、ベルギー、イタリア、イギリス、アイルランド、スペイン、オランダ、スイスの諸国だけで、残念ながら日本も含めたそれ以外の諸国への出荷は2015年以降とのこと。
3Dプリンター自体の出荷がこのように限定されていることから、今回公開された材料PR48もそのうち利用できるようになると思われる。このハードとソフト、それに加えて消耗品である材料までオープンになることで、スパークに参加する企業コミュニティの力によってさまざまな進化を遂げるだろう。時代は一企業による開発からグローバルなオープンコミュニティの開発にシフトしていくのかもしれない。
光造形の原理と仕組み、種類についてはこちらをどうぞ
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