3Dプリント技術の不正コピー防止、著作権侵害を防止するソフト「Authentise」

有名デザイナーの80%がデータ共有を拒否

3Dプリントが当たり前になりつつある中、最も課題視されている問題が不正コピーや著作権侵害の問題だ。音楽や漫画、映像コンテンツがデータ配信されると同時に不正コピー問題が登場したのと同じ状況だと言える。デジタルデータにはつきものの問題だが、最終品の製造に3Dプリント技術が利用され始めている今、早急に対処しなければならない課題だ。

事実、有名なデザイナーたちの80%が、自分がデザインした作品が不正にコピーされたり、改変されたりする可能性を恐れ、共有サービスなどにデータをアップしていないという。

こうした著作権や不正コピーの課題があることから一般的な3Dプリントサービスは、プリントして作品を届けるパターンと、データを配信するパターン二つに分かれている。しかしこうした不正コピーの課題が解決されない限り、本当の3Dプリント技術の価値は生まれないだろう。

そんな不正コピーを防ぎ、制作者たちの著作権を保護するソフトウェア開発が正式にスタートしている。

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3Dプリントされたらデータが破棄されるストリーミングシステム

この画期的なソフトウェアは、「Authentise」というアメリカのスタートアップ企業が開発を手掛けるものだ。「Authentise」のアプローチ方法は、視聴したい人が見たい分だけ購入する映像のストリーミング配信と同じような仕組みを3Dプリントの世界に導入するというものだ。

「Authentise」のソフトを使用することで、3Dプリントしたいデータが3Dプリンターに送信された時点で、デジタルデータが破棄されるという仕組み。このソフトにより、3Dデータの購入者はデータに料金を支払うのではなく、純粋にプリントする行為に料金を支払うという構図になるのだ。

いわば1回プリントすることができるストリーミングサービスといってもいいだろう。これによりデザイナーや制作者たちの著作権も保護されることになるし、不正コピーも防ぐことができるようになる。

Authentise-top

 

フォーチュン100社に掲載される大型小売チェーンやメーカーが参加

既に「Authentise」がリリースされてから、数多くの企業がこの不正コピー防止のシステムに興味を示し、登録を開始しているという。その企業たちの中にはフォーチュン100社にも入っている巨大小売チェーンや、ブランドメーカーが参加していると「Authentise」は発表している。

昨年度以来、世界最大の小売りチェーンであるウォルマートが3Dプリントサービスに興味を示したり、おもちゃメーカーや、映画キャラクターの版権を持つ企業たちが続々と3Dプリントサービスへの参入を発表している。この画期的なシステムにより、著作権侵害の問題がクリアされれば、さらに一気に3Dプリントサービスが拡大することになるだろう。

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グーグルが創設したSingularity Universityが創設

この画期的なシステムを開発した「Authentise」はグーグルが創設した教育機関Singularity Universityから生まれた企業だ。Singularity UniversityはグーグルCEOのラリー・ペイジ氏が中心となって創設した学位の無い大学で、その目的はあらたな企業創造をすることにある教育機関と言える。

すなわち、最先端のテクノロジーを使う取り組みや、社会的な大きな課題を解決するための、学生が立ち上げた企業を知的財産の観点からコントロールし、支援することだ。

この大学に所属することで、学生たちは大学のもつ最先端技術、アイデア、ソフトウェアをビジネスに活用できる代わりに、著作権をしっかりと守らせることもその狙いにある。今回3Dデータの不正を防止するソフトウェアもそこから生まれたものになる。

グーグルは3Dプリント技術に関しても取り組んでいる

まとめ 3Dプリント技術の浸透が一気に加速する可能性

この不正コピー防止のシステムが普及することで3Dプリント技術の利用は一気に加速してひろまるのではないだろうか。大手小売りチェーンや様々な製造企業たちが利用拡大に踏み切れば本格的なグローバルネットワークの製造体制が到来するだろう。

そうすれば、これまでのようなサプライチェーンや、貿易取引というモノの流れを破壊する巨大なインパクトになる可能性がある。

3Dプリンターの技術レベルだけ見ても、ここ1年間で相当なレベルまで向上している。

造形精度、素材の多角化、表現の幅、造形スピードと、確実に技術のレベルアップが見て取れる状況だ。現在のネット販売を利用される比率は、日本国内でも相当な普及率になっているが、3Dデータから様々な商品が購入することができるようになれば、海外製の商品も物流コストをかけずに日本の3Dプリントサービスを利用して購入が可能になる。

これにより、インターネットで一気に広まったグローバル化がさらに拡大し、ビジネスにおいては国境や物流など無きに等しい時代が間近に到来しているのではないだろうか。

もちろん、現状のデスクトップ3Dプリンターの精度や現在の普及状況を見るとすぐにはならないかもしれない。しかし、これまでの10年とこれからの10年は次代が動くスピードが全くことなり、すさまじいスピードで変化が到来してくるに違いない。

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2014.4.4 投稿者:i-maker

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