教育現場のデジタル化は子供の興味を喚起
タブレット端末の普及は一般消費者レベルだけではなく、教育現場でも当たり前になりつつある。小学校でのタブレット端末の使用は従来の黒板を使った授業とは異なり二つのメリットをもたらすと言われている。
第一は、データによる反復練習が可能であることから、何度も何度も操作を繰り返すことで、子供達の頭にインプットさせる効果がある。
第二は、子供達に興味を持たせクリエイティブな能力を身につけさせるという力だ。インターネットでいつでも検索できるだけではなく、さまざまな教育アプリと連携させることで、効果的に子供達の興味を喚起し、学習への入口の役割を果たしているといっていい。
こうしたデジタルデバイスの普及が教育現場にもたらす影響は大きく、「勉強」という行為が、肩肘張ったものから、カジュアルなスタイルに移行しつつある状況だ。しかしカジュアルといってもふざけたものではなく、生徒たちが親しみやすく、楽しみながら学べる仕組みというわけだ。
こうした教育現場のデジタル化の意味は、一つには時代にあった人材を育てるという役割を担っているが、より細部まで突っ込んだ使用を行う例がちょくちょく登場してきている。
例えばこれからの時代、デジタル化は単なるヴァーチャルな枠組みを超え、モノにまで及んでくるが、そこで検討されているのが、教育現場への3Dプリンターと3Dソフトの導入だ。
日本でも経済産業省と文部科学省が計画を立てているが、既に中学校、高校レベルに導入する動きが海外ではある。中でもオーストラリアやニュージーランドでは無料で生徒がAutodeskの3Dデザインソフトが使用できるという。
デジタル化や3Dプリンターは子供の興味を喚起

ソフトウェアの無料使用で次世代イノベーターを育成
オーストラリアとニュージーランドの中学校や高校、大学の学生は今、自由に教室でソフトウェアのAutodeskを使用することができる。Autodeskはさまざまな設計ソフトを提供する専門企業だが、これは教育機関向けにAutodeskが提供する専門プログラムで、全世界のほとんどの国々の教育機関が利用することが可能だ。
もちろん日本の学校もこのプログラムに参加することができる。このプログラムに参加すると、その学校の生徒たちは無料でAutodeskのプログラム、オートデスクアカデミックリソースセンターにアクセスし利用することができる。
例えばオーストラリア、メルボルンの中学校では、物理学の授業でAutodeskの3Dソフトウェアを使用し、宇宙の天体を3Dプリンターでプリントし学習に利用している。
またシドニー工科大学では建築設計の博士課程で利用されており、高度な3Dデザインが行われている。こうしたAutodeskのサービスがいまオーストラリアとニュージーランドで話題になり、将来の科学、技術、エンジニアリング、美術、数学分野でのイノベーターを育てるキャリアのために、利用が拡大している。
中学校で無料3Dソフトと3Dプリンターを使った授業が始まる

大学院では高度な設計ソフトを使用

まとめ
今ではデジタルツールを使いこなすことは、働く上で必須といっていいだろう。とりわけ設計や製造現場において3Dデータを使いこなすことは近い将来当たり前になる。デジタル技術をフルに駆使し、クラウドを通して共有することによりグローバルな設計製造も可能になるためだ。
また、個人や小規模のデザイン・製造でもこの技術は極めて有効的だ。3Dプリンターが安価に利用することができるようになれば、革新的なアイデアや製品企画を形にしやすくなる。
その場合、それを具現化し、グローバルワイドに展開させてくれるのもデジタル技術だ。こうしたことからデジタル化は既存企業の競争力を上げるだけではなく、新しい革新を起こす企業を育てる役割を果たす。
その際、最も重要になってくるのがその技術を駆使し、効果的に利用することができる人材の育成だ。そのため、Autodeskが行う無料使用は教育の場からみて非常に意義深いと言えるのではないだろうか。
さまざまなアイデアや機能をカタチにし多くの人々に影響を与えるツールとして、3Dソフトなどのデジタル技術は多くの影響力を持つことになる。
それは既存の教育カリキュラムで存在する、技術、物理、美術、科学、数学など多くの授業で使用可能だ。多くの国と教育機関は新たな人材育成のためこのプログラムを効果的に使用するべきだ。
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