デザイナーを保護する仕組み
3Dプリンターの普及にともなって、3Dデータの様々なサービスが登場している。最も有名なサービスのうちの一つにMakerBotが運営する「Thingiverse」がある。
「Thingiverse」は3Dデータが無料でダウンロードすることが可能で、いったんダウンロードしてしまえば、自由に共有することが可能だ。
3Dプリンターと並行して価値をたかめつつある3Dデータだが、1点懸念されるのが著作権の問題だ。その他のデータと同様、いったんダウンロードされてしまえば、改変や流用が自由にされてしまうことになる。
そのデータを作ったデザイナーの権利が侵害される可能性もあるし、また、有料で購入した人が馬鹿を見るということにもなりかねない。
3Dプリント技術が広がることで企業や個人は多くのメリットを享受することができるが、一方で、デザイナーを育成し、健全な商取引を行う上では、知的財産上の法整備が欠かすことができない早急の課題だ。
そんな中、3Dデータを保護するあらたなマーケットプレイスが登場している。本日はデータがダウンロードされることなくクラウド上から直接プリントできるマーケットプレイス「Appaloza」をご紹介。
3Dデータのストリーミングサイト
今回あらたに登場した3Dデータのマーケットプレイス「Appaloza」は、従来のデータの売買サイトと異なり、3Dデータをダウンロードすることなく、使用できるという仕組みだ。仕組みは簡単で、3Dデータを売りたいデザイナーが登録を行い、購入したい消費者はクラウド上でそのデータを利用するというもの。
わざわざ自分のパソコンに3Dデータをダウンロードしなくても、クラウド上から直接3Dプリンターに出力することができる。例え自分で3Dプリンターを持っていなかったとしても、提携している3Dプリントサービスでプリントが可能だ。一言で言うならば3Dデータのストリーミングサイトと言えるだろう。
これによりデザイナーの側としてもオリジナルなソースファイルを提供することなく、自由に販売することができるので安心だ。
このあらたなプラットフォームを利用することで、デザイナーの著作権を保護することができるし、ユーザーは自由に自分の気に入ったデザインの商品をプリントして購入することができる。
クラウドから直接3Dプリントが可能

3Dデザインの著作権保護につながる

統計データも分析可能

「Appaloza」の機能
- ユーザーは直接サイト上で、3Dデータを編集し、詳細設定を行いプリントが可能
- ユーザーは、デザインやプロジェクトごとのコミュニティーに参加ができる
- デザイナーは独自のオンラインストアを作成し自由に販売することが可能
- ユーザーは、自分の購入したデザインに分析し追跡する機能を持つことができる
- ユーザーは、マーケットプレイスの販売者を評価、コメントすることができる
- 予測検索候補を表示させるシンプルな検索サービス
- 知的財産権の保護に焦点を当てた安全なプリント能力
まとめ
3Dデータの著作権が取りざたされている中、この「Appaloza」は画期的なサービスだろう。これによりデザイナーは自分が苦心して作った作品のソースデータを開示する必要もないし、勝手に改変されることも防ぐことが可能だ。
無料ダウンロードサイトの「Thingiverse」などに登録されている3Dデータはどちらかというと、歯車や工具、知育用具、ギミックと言った要素が強く、商品の根幹をなすプロダクトデザインではない。
2014年に入り3Dプリンターの利用がコンシュマー向けの最終製品の製造に利用され始めているなか、3Dデータ化されたプロダクトがますます出回ることになるだろう。
まさに「Appaloza」の提供するサービスは、これからの3Dプリントデータの商用利用の拡大を推し進め、デザイナーが安心して自分の作品を販売できるインフラを作ったと言えるのではないだろう。
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