3Dプリント教育の普及
2013年度はあらゆるフェーズで3Dプリンターを取り入れる動きが活発であった年だが、教育の面での3Dプリンターの導入も大きな動きを見せていた。
特にアメリカやイギリスなどは教育カリキュラム自体を変えてしまう動きまで出てきている。
イギリスでは政府が国家予算を投じて3Dプリンターを各学校に設置する動きがあり、2014年度に配備される予定だ。
またアメリカではデスクトップタイプの3DプリンターメーカーMakerBotが全アメリカの学校に3Dプリンターを導入することを目指している。
しかし、3Dプリンターを配備したからといってすぐに教育の実施が可能となるわけではない。
まず学生に教える側の教師においても3Dプリント技術に関する知識や使用方法を身に着けておく必要がある。
そんな中、教師のための3Dプリンター講座がアメリカのカリフォルニア州のオレンジ郡で行われた。
Airwolf 3Dの3Dプリンター組立プログラム
教師に対する3Dプリンター講座を実施したのは3DプリンターメーカーのAirwolf 3D社だ。
このプログラムはカリフォルニア州オレンジ郡の中学校の教師を対象に実施したもので、2013年の12月の毎週土曜日に行われた。
参加したのは総勢18名の教師で、教師たちは3Dプリンターの基本的な構造や使用方法を学ぶために組立キットを使って実習を行った。
組み立てキットはAirwolf 3D社が提供するXLプリンタや500以上のパーツからなる製作キットを使い、約8時間近い時間をかけて組み立てるだけではなく、ソフトウェアインストールから校正方法までを学んだ。
講座の様子の動画
まとめ
アメリカでは既に中学校や高校などにおいてデスクトップタイプの3Dプリンターの普及が進みつつある。
またイギリスでは約60校に3Dプリンター設置のための予算を投じている。さらには予算投下以外に5歳から14歳まで一貫して製造に関する知識が身に付くよう、教育カリキュラムを整備しているまっ最中だ。
こうした教育への投資にとって最も重要なもののひとつが教員の養成だ。3Dプリント技術は本来は製造業の中における試作品製造に使用されてきた技術で、教える側の立場である教師自体が製造業に精通しているわけではない。
そのため3Dプリント教育を実施する中で急務となる課題が教師の養成だろう。Airwolf 3D社が今回行ったプログラムは3Dプリンター自体の組み立てやソフトウェアのインストールなど、3Dプリンターの使用にかんするものだ。
理想を言えば、教師に対する養成講座もデバイス自体の使用方法だけではなく、製造業やプロダクトデザインの中における3Dプリンターの果たす役割や、製造プロセスやもっと広範なサプライチェーンまでを含めた部分での教育が必要になるあろう。
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