低価格3Dプリンターで燃料電池や半導体の試作が可能に、3DXTechが2種の新素材発表

広がる3Dプリンターの材料

3Dプリンターの材料で最もポピュラーなものが樹脂素材だ。基本はPLAABSの2種類の樹脂素材だが、この樹脂素材に新たな材料を混ぜることで、単なるプラスチックとは異なる性質をもつ物体を成形しようという試みが登場している。

こうした3Dプリンターの材料開発を行う企業としてアメリカミシガン州に居を構える3DXTechが存在する。3DXTechはグローバルポリマーグループという高性能ポリマーを研究開発する企業のグループで、従来からあるPLA樹脂とABS樹脂という二つの3Dプリント用材料を改良しようという試みを行っている。

本日は3DXTechが改良を行う2種の新たなフィラメントをご紹介。この2種類が実用化されれば、FED方式を採用する低価格3Dプリンターの大半で、様々な素材を使うことが可能になる。

ちなみに3DXTechは2種類の新素材以外にABSとPLA両方に対応した1種類のサポート剤をリリースしている。

 ABS樹脂とナイロンの合体素材

3DXTechが発表した第一の素材は、「iOn™ ABS/PA Alloy」と言われるものだ。これはABS樹脂とナイロンを組み合わせた新たな素材で、一般的なABS樹脂に比べ、ナイロンが持つ特性である耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性が付与されたもの。一言でいうとABS樹脂が持つしなやかさという特性に、耐久性が加わったものだ。

「iOn™ ABS/PA Alloy」

「iOn™ ABS/PA Alloy」属性

  • 高い熱抵抗
  • 優れた衝撃強さ
  • 改善された耐溶剤性
  • 低光沢面
  • 低摩擦
  • 塗装可能
  • 優れた印刷

「iOn™ ABS/PA Alloy」スペック

  • 直径:1.75mm
  • カラー:レッド、ブラック、ブルー、ホワイト4色
  • 対応機種:Makerbot Replicator, Ultimaker, Prinrbot, Reprap, Mendel, Prusa,など
  • 推奨条件:押出機230〜260℃(理想245-255℃)、ベッドの温度110℃
  • 価格:32.95USD

カーボンナノチューブ強化ABS素材

第二の素材はカーボンナノチューブで強化された素材だ。カーボンナノチューブは優れた電導性を持っていることからシリコンに変わる半導体材料として期待されていたり、燃料電池や光学機器の材料としても期待されている素材。

「3DXNano™ ESD ABS」と言われる新素材は、ABS樹脂とカーボンナノチューブで作られたもので、静電放電(ESD)保護および清浄度の高いレベルを必要とする部材の成形に最適だとされている。主な用途として、自動車や航空機の燃料システムの試作や、半導体のコンポーネント、などの生成があげられる。

「3DXNano™ ESD ABS」

「3DXNano™ ESD ABS」属性

  • 一貫性のある表面抵抗率
  • 低負荷率
  • 衝撃と伸びに対する保持
  • 低粒子汚染
  • アウトガスやイオン汚染への最小限の貢献

「3DXNano™ ESD ABS」スペック

  • 直径:1.75mm
  • カラー:ブラック
  • 対応機種:Makerbot Replicator, Ultimaker, Prinrbot, Reprap, Mendel, Prusa,など
  • 推奨条件:押出機230〜245℃、ベッドの温度110℃
  • 価格:42.95USD

まとめ -低価格3Dプリンターの使用範囲が拡大-

今回発売された2種類の素材のうちカーボンナノチューブを含有した素材は今までには無かったタイプだ。それが一般的な低価格タイプの3Dプリンターで使用することが可能になれば商品開発の幅が一段と拡大することになるだろう。

例えば従来は不可能であった半導体のパーツや燃料電池システムといったものの試作品が低価格の3Dプリンターで作れるようになる。

まさに素材は世界を変えるという言葉通り、3Dプリンターで使える素材の拡大は、多くの人々に商品開発の機会を提供することになる。 今や新素材の研究は3Dプリンターでの使用も含まれて研究されている時代。

今度も様々な素材が広く使用できることで、様々な製品が3Dプリンターで作れる時代になるかもしれない。

3Dプリンターで使用が可能になる新たな素材の記事はこちら

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