光造形3DプリンターForm3レビューの3Dテクスチャ編2回目です。
Form3で3Dテクスチャのある造形を3Dプリントするとどのようにプリントされるのか?
3Dテクスチャのディティールがどこまで表現されるのか?
を検証していきます。
<テクスチャとは>
テクスチャとは3DCGにおいて、立体物の質感を表現するために使われる画像のことです。
テクスチャを貼り付けて、よりリアルな質感を出す手法をテクスチャマッピングと言います。
3次元コンピュータグラフィックスで作成された3Dモデルの表面に質感を与えるための手法です。
この、テクスチャを3Dプリンターでプリントするとどのような表現に仕上がるのかを見ていきます。
プリントする3Dテクスチャの形状とサイズ
3Dテクスチャのサイズ : 34mm(縦)×34mm(横)×4mm(高さ)
こちらの板状の造形に3Dテクスチャを貼り付けてプリントしていきます。
プリントする3Dテクスチャの模様
こちらが今回プリントする3Dテクスチャの模様の種類になります。
図形やSF系の3Dテクスチャになります。AからFまで全部で6種類あります。
今回プリントするテクスチャの3Dデータは、Zbrushと言う3Dソフトを使用して作製しています。
使用する光造形3Dプリンターと材料
今回使用する光造形3Dプリンターは、Form3です。
Form3は、高精細、滑らかな仕上がりが特徴の反転方式の光造形3Dプリンターです。
ソフトは、Form3の専用ソフトウェア PreFormを使用します。
PreFormでは、プリントするデータ、プリント方向、サポートの付け方を設定することができます。
光造形3Dプリンター用の材料は、Form3専用スタンダードレジンのグレイレジンを使用します。
今回、ソフトウェアPreFormでプリントするカップの3Dデータは、Zbrushという3Dソフトを使用して作製しています。
3Dプリントで検証したい内容
【検証】3Dテクスチャーを3Dプリントした場合のテクスチャのディティールの仕上がりは?
【3Dテクスチャーを3Dプリントした場合のテクスチャのディティールを検証していきます。
3Dデータ上のテクスチャが実際にどの程度表現できているのかを見ていきましょう。
サポート設定と積層ピッチ
サポート設定は、サポート設定なし 直付でのプリント
積層ピッチは、25ミクロン
こちらの設定でプリントしていきます。
PreFormでのプリント画面になります。
3Dプリント結果
3Dテクスチャの3Dプリントの結果になります。
まず、今回3Dプリトした6種類のプリント内容をお伝えしていきます。
こちらの表では、プリント時間、レイヤー数、材料のボリューム数、材料コストが分かります。
プリント1回目 テクスチャの種類 A〜Dをプリントした場合
※1回のプリントで同時に、4個プリントしています。
プリント時間 | レイヤー数 | ボリューム | Total材料コスト | 1個あたりのl材料コスト |
6h45m | 475層 | 32.20ml | 7個=605円 | 1個=86円 |
プリント2回目 テクスチャの種類 E,Fをプリントした場合
※一部今回のプリントではない3Dテクスチャも入っています。
プリント時間 | レイヤー数 | ボリューム | Total材料コスト | 1個あたりのl材料コスト |
6h45m | 475層 | 32.20ml | 7個=605円 | 1個=86円 |
<結果>3Dテクスチャの3Dプリント表現
それでは3Dテクスチャの柄別にひとつずつ見ていきましょう。
テクスチャA 丸穴
3Dデータの凹凸の表現がそのまま3Dプリントできている。
丸い穴の部分もきれいに再現されている。
表面の平面部分もとても滑らかに仕上がっている。
テクスチャB 立法
3Dデータの凹凸の細かい表現がそのまま3Dプリントできている。
突起している立方体部分も1個ずつ高精細に再現されている。
表面に丸く積層跡が見えている。平面部分も滑らかに仕上がっている。
テクスチャC 三角錐
3Dデータの凹凸の細かい表現がそのまま3Dプリントできている。
突起している三角錐部分の先端の鋭さが1個ずつ高精細に再現されている。
平面部分もとても滑らかに仕上がっている。
テクスチャC 三角溝
3Dデータの凹凸の細かい表現がそのまま3Dプリントできている。
突起している溝部分の角の造形が高精細に再現されている。
平面部分もとても滑らかに仕上がっている。
テクスチャE SF機体
3Dデータの凹凸の細かい表現がそのまま3Dプリントできている。
パーツの凹凸の細かい部分までとても高精細に再現されている。
全体のディティールが良く、表面もとても滑らかに仕上がっている。
テクスチャF SF機体
3Dデータの凹凸の細かい表現がそのまま3Dプリントできている。
パーツの凹凸の細かい部分までとても高精細に再現されている。
全体のディティールが良く、表面もとても滑らかに仕上がっている。
3Dテクスチャの3Dプリントまとめ
Form3で3Dテクスチャを3Dプリントする場合の検証をしてみました。
今回のサイズでの3Dテクスチャのプリントは、全体的に3Dデータ通りに高精細にプリントできていました。
大きめな凹凸以外のさらに細かい部分の凹凸部分まで高精細にプリントできているものが多かった。
平面部分がとても滑らかできれいな仕上がりになっていた。
まとめると、3Dテクスチャデータを光造形3DプリンターForm3で3Dプリントした場合の仕上がりは、ほぼ3Dデータ通りにプリントできる。細かいディティール部分まで表現できている。
今回は前回の3Dテクスチャに比べて直線的で平面要素も含まれた3Dテクスチャでしたが、より3Dテクスチャの高精細さが見える結果でした。表面と角部分が特に滑らかにプリントできているのが分かります。
今回検証した100万円以下の価格帯での光造形3Dプリンターで、ここまでの高精細な3D表現ができるのは、Form3ぐらいかと思われます。
※今回のサイズでの表現精度になりますので、もっと大きな造形でプリントをする場合は仕上がりがまた変わってきます。
このサイズでもここまでの高精細な3Dテクスチャ表現ができるという目安にもなったかと思います。
ぜひ3Dテクスチャを3Dプリントする場合の参考にしていただけたらと思います。