TCT JAPANが開催予定
新型コロナウィルスの感染拡大で、リアルな展示会が下火になっている中、3Dプリンター最大の見本市、TCT JAPANが今年も開催する予定だ。今年も2020年12月9日(水)から11日(金)の予定で、コロナ禍にも関わらず30社近くの3Dプリント関連の企業が出展予定だ。
また、コロナ禍という状況も踏まえ、オンラインとのハイブリッド開催を行っている。オンラインでの開催はすでに10月26日から開催されており、来年2021年1月15日までの予定だ。
今回は前回のレポートをもとにTCTの特長についてご紹介しよう。
新型コロナ禍でオンライン開催も併用
TCTとは、Time Compression Technologyの略で、3DプリンティングやAM(アディティブマニュファクチャリング)などの応用によって、あらゆる産業における新製品・技術開発/製造プロセスの加速化・最適化を図る技術のことを指す。
今回は初のオンラインでの商談会も開催される。オンライン商談会は10月末から登録が開始され、検索とレコメンド機能によって、最適な商談相手を探し、オンライン上でマッチングができる。リアルとオンラインの併用で、ソーシャルディスタンスを保ったまま、3Dプリンター導入の検討ができる。

多彩な業界が注目する3Dプリンター
さてここからはTCT JAPAN 2020のレポートをご紹介しよう。昨年度は出店者数は123社、来場者はその前年度を超える47,692名の来場者が訪れた。来場者の業界別データを見てみると、さまざまな分野の人が3Dプリンターやアディティブマニュファクチャリングに興味を持っていることがうかがえる。
下記はTCT JAPANが発表しているデータだが、3Dプリンターに関心を持っている業界がさまざまな分野に分かれていることがうかがえる。
例えば、精密機器産業・機械が21.3%で最も多く、次いで自動車・運輸機が11.4%、材料・化学が11.3%で、電気・電子機器・総合電器が6.9%である。後はサービスや鉄鋼・非鉄金属、大学関連が各5%から6%である。
こうした点から、3Dプリント市場が多くの人にとって関心の高い分野であり、材料や印刷など、新たに新規参入をしようという分野もうかがえる。

製品開発&製造技術の来場者が50%を占める
次に、職種だが、来場者の半分が製品開発や製造に関する分野で占められている。内訳では製品開発・設計・デザインが20.2%、研究開発(応用研究)が12.5%、生産管理・製造技術が8.7%、研究開発(基礎研究)が8%となっている。約50%が製品開発に関する職種になる。また経営層の来場者も11%を超え、新たな技術を取り入れようという高い意識が見られる。
それでは来場者は3Dプリンターやアディティブマニュファクチャリングについて、どのような分野の利用に興味があるのだろうか。

試作・評価での関心が最も高い
3Dプリンターの活用方法に関する意識では、やはり「試作・評価」での関心が最も高いのがうかがえる。日本では3Dプリンターの最終品への導入がまだまだ進んでいないのが現状で、試作での導入が中心といえるだろう。
しかし次の関心として量産や製造への関心も高く35.9%の関心度である。海外では3Dプリンターを最終品製造へのツールとして利用している事例が増えているが、日本でも同様に量産に変わる製造テクノロジーとして高い関心が寄せられている。
次に多いのが研究開発の分野で31.3%を占め、次いで企画開発の24.9%だ。新製品開発のとして試作などと同じような使い方だといえよう。

まとめ
3Dプリンターは、モノづくりをデジタル化するキーテクノロジーの一つとして、今後もますます普及をしていくだろう。特に人との一定の距離が求められるソーシャルディスタンスが当たり前なニューノーマルな時代においては、デジタル化が加速する。
3Dプリンターもデスクトップからハイエンドまで様々な機種や材料が登場していることから、今後は試作や開発の用途から、最終品の製造まで幅広い分野での利用が期待される。
3Dプリンターはアディティブマニュファクチャリングはインダストリー4.0の中の自動化を担うキーファクターとして、いかに自社の生産体制や開発体制に取り入れるかがカギとなる。そうした点から、今後3Dプリンターの展示会は注目度が高いと言えるだろう。
TCT Japan 概要
主催 :JTBコミュニケーションデザイン
Rapid News Publications
日時 :2020年12月9日(水)~12月11日(金)
会場 :東京ビッグサイト 西ホール1会議棟
WEB:https://www.tctjapan.jp/
