Form3専用スライスソフトでフィギュア服にサポート材をつける

PreFormで服にサポート材をつける

 こんにちは!Z造形師です。

手動で服のサポート材を調整する

 では前回に引き続き、まず「胸の下のサポート材」をなくせるか調整してみましょう。

サポートパネル内の「内部サポート」のチェックを無効化してから「クリア」でサポート材を削除して、再度「自動生成選択」を押してサポート材を付けてください。

すると今度は胸の下のサポート材が無い状態で、サポート材が再構築されます。
矢印の「青い服の上に表示された赤い部分」がわずかに表示されていますね。
これはサポート材の不足による造形の成功度合いが低い警告なのですが、これからの調整で実際はどうなのか?大丈夫なのかを確認していきましょう。

次にスカート部分の「青い服の上に表示された赤い部分」にサポート材を手動で加えて、赤い危険部位を消していきましょう。
ちなみにこのスカート部分の「青い服の上に表示された赤い部分」は、実際は「スカートの中」のもので、外側にサポート材をつける必要はないものです。

 それでは手動でサポート材を追加して、服の赤い部分を無くしていく作業を進めましょう。
サポートパネル内の「複数のサポートを編集する(編集)」ボタンを押してください。

すると「複数のサポートを編集する」モードになってからサポート材が非表示となり、接点が「白い点」の表示に切り替わります。

ここで「赤い部分」に対してクリックをすると「白い点」が服の上に表示されて、逆に「赤い部分」が減少します。
また、服の上の「白い点」をクリックするとその点が消えて、逆に「赤い部分」が増加します。

これを繰り返して、「プリント適正」を「合格」になるようにしてください。

「プリント適正」が「合格」になれば、多少赤い部分が残っていても大丈夫です。
また先ほどの胸に残っていた赤い部分も含めての「合格」なので、胸の造形も大丈夫なようですね。
それでは「複数のサポートを編集する」パネルの「適応」ボタンを押してください。

元のサポート材の表示が見える画面モードに戻りますので、プリント適正などを確認しておいてください。

これで「服」のサポート材のセッティング作業がうまくできました。
ですがスカートの中にサポート材がびっしりと配置されているので、サポート材の除去作業はめんどうな印象ですが目立たないので良しとしましょう。

このサポート材の付いた服の配置場所なのですが、Form3の印刷範囲の角位置から順番にきれいに配置するように移動しておきましょう。
マニュピレーター横の移動アイコンを「ドラッグアンドドロップ」して、角位置に移動しておきます。

さてこれで良いように思います。
確かに背中に多数のサポート材が付いてしまいますが、背中を重視すると胸の下にサポート材を付けなければならなくなります。
背中はロングヘアーで隠れそうなことから、ここは妥協点として留めておきましょう。

またスカートの中のサポート材は多少めんどうですが、背中より見えないので我慢しましょう。

このようにして、1個ずつパーツの形状に合わせて最適化を進めていきましょう。
ただ全パーツをこの調子で進めると、膨大な量の記事になってしまうので各パーツでのポイントを要約しながら進めたいと思います。
また左右対象形状のパーツはどちらか一方のパーツを代表として、記述していきますのでご了承ください。

下半身にサポート材をつける

 では「下半身」部分にサポート材を設定します。
インポートした「下半身」を確認し、サポート材を付ける方向を吟味します。
このパーツはスカートの中に一部は隠れはするものの視線が集まる部分でもありますので、できるだけサポート材も見えない部分に設定するようにします。
ですのでお腹のほうにサポート材をつけるよう設定しましょう。
今回はサポートパネルの「密度」を「0.70」、「タッチポイントのサイズ」を「0.4mm」に下げてみました。

今回の「プリント適正」は合格と出ました。

靴にサポート材をつける

次は「足」にいきましょう。
「足」は、形状的に「靴」下側にサポート材を配置するのが良いと思われます。

ブーツにサポート材をつける

「ブーツ」です。
これは「ふくらはぎ」部分が太くなっている形状から考察して、下図のように配置するのがベストです。
ここでは「ミニラフト」にしてみました、「フルラフト」との違いを体験してみてください。

えり部分にサポート材をつける

「えり 下段」です。
こちらは「えり」の裏面にサポート材を付ければ見えないので、そのように設定します。
その時「えり」を回転させますが微妙な回転角度で「プリント適正」が不合格になりますので、トライアンドエラーして最適位置を探してください。

「えりのボタン」ですが、下図のように「注意書き」が出現しました。
ここは「ミリメートルを使用する」を選択しましょう。

無事にインポートされました、おそらくサイズが小さいためだと思われます。

その後は通常通りの工程で、サポート材を設定してください。
ただこのボタンは小さいので「タッチポイントのサイズ」を「0.30」に変更しています。

今度は「えり 上段」です。
これは下部が見えない部分なので、そのように設定します。
これも微妙な回転角度で「プリント適正」が不合格になりますので、トライアンドエラーして最適位置を探してください。

腕にサポート材をつける

「腕」です。
こちらも上腕部のフリル側にサポート材を設定しましょう。

この章のまとめ

今回は服に続き、Form3専用スライサーソフトPreFormで足や腕などの各パーツにサポート材をつける方法やコツをご説明しました。
サポート材を手動でつけることは確かに面倒くさいかもしれません。
なんでも全自動の世の中ですからそれが普通なのかもですが、このサポート材はそうはいきません。
だからこそ人間臭い職人技のような楽しみというか、醍醐味があると思うのですがいかがでしょうか。