次世代3Dプリンタ展:大型3DプリンターBigRepシリーズ

次世代3Dプリンタ展での大型FDM3Dプリンター展示

毎年東京ビッグサイトで開催される設計&製造ソリューション展(通称DMS)。その中の一分野として注目が高い次世代3Dプリンタ展が開催されました。

新型コロナウィルス感染症が収まってきている中、これまでにない盛況ぶりでした。今回は次世代3Dプリンタ展の中でも注目の展示をご紹介します。第1弾として株式会社イリスの大型でコストパフォーマンスに優れるFDM 3DプリンターBigRepの展示をご紹介します。

大型3DプリンターBigRepとは

BigRepは、ドイツ発の大型FDM3Dプリンターで、1メートルサイズの造形物をより低コストで素早く作ることができます。特に大型造形サイズの試作品を作るラピッドプロトタイピングではその真価を発揮する3Dプリンターです。

BigRepシリーズは通常のBigRepOneとBigRepStudiG2,とBigrepPROの3機種のラインナップがあります。

これまでの大型3Dプリンターとの違い

3Dプリンターで1メートルのサイズが造形できる機種はかなり限定されている状況です。特にFDM方式では温度による形状変化の影響を受けやすい熱可塑性樹脂をフィラメントとして使用するため、大きさが大きくなればなるほど安定性や品質に影響を与えます。

例えば1メートル近いサイズが造形できる機種はストラタシスのF900など、巨大なオーブン機能を搭載した高価格帯の3Dプリンターに限定されていました。

しかしBigRepはオーブン機能などが搭載していない代わりにより低コストで1メートルサイズの造形物を作ることができます。

特に材料費が安価で、同様のハイエンドなFDM方式と比べて10分の1近い低コストで造形が可能です。

24時間以上稼動、全世界600台以上の導入実績

今回はBigRepシリーズの代表モデルでもあるBigRep ONEが展示されていました。BigRep ONEは、24時間以上稼働することができる安定性の高い大型3Dプリンターです。

FDM方式の3Dプリンターはフィラメントといわれる糸状のプラスチックをノズルを通しながら加熱して積層します。そのため安定性がとても重要になってきます。

特に1カ所でも積層がずれたりうまくいかない場合には、造形が失敗してしまい材料や時間が無駄になります。BigRep ONEは、全世界で600台以上の導入実績を誇り、製品開発の現場でデザイナーやメーカーの開発部などで利用されています。

ソニーaiboの大型プロトタイプもBigRepで

下記はソニーが1999年より販売しているペットロボットシリーズaibo(アイボ)のプロトタイプで、BigRep StudioG2を使って各パーツが造形されています。aiboは自律型エンタテインメントロボットで、このサイズのプロトタイプを作るにはこれまで、3Dプリンターで行う場合かなりのコストと時間が必要でした。

しかしBigRep StudioG2やBig Rep ONEであればパーツを細かく分割しても造形時間が短く、低コストで3Dプリントすることが可能です。造形後はパテ埋めと研磨&塗装を施し、最終品さながらに仕上げることが可能です。

このBigRep ONEとBig Rep StudioG2では、プロトタイピングには最適な1台で、PLAフィラメントも通常のものから高強度のものまで幅広い種類を使用することが可能です。またノズルも0.6mm、1.0mm、2.0mm(Big Rep Studio G2は0.6mmのみ)とラインナップがそろい、細部の表現から大流量のアディティブマニュファクチャリングまで幅広い用途に使用可能です。

BigRep では、大型プロトタイピングの代表的な用途例として、自動車用パーツのプロトタイピングや大型のプロペラなども登場しています。

大型専用の密着用のり(Magigoo Coater / マギーグーコーター)も登場

今回BigRepのブースでは大型FDM方式専用の密着用ののりも登場しています。FDM 3Dプリンターはフィラメントの積層をより安定させ、反りを防止するためにプラットフォームにのりを塗ります。

新型3Dスキャナー SOL PROの展示も

今回、株式会社イリスの展示では新型3DスキャナーSOL PROの展示も行われました。SOL PROはデスクトップタイプのフルカラー3Dスキャナーで細かいテクスチャなどがきれいにキャプチャーでき、スキャンしたデータはVRやAR、3Dプリントなどで使用が可能です。

3Dスキャンからフルカラー3Dプリントのソリューションも

株式会社イリスでは、3Dスキャンから3Dプリントの「Scan to Print」のソリューションも提供しています。下記はSOL PRO 3Dスキャナーでスキャンした3Dデータからストラタシスのフルカラー3DプリンターJ750で出力したフィギュアモデルです。

まとめ:大型3Dプリントの高いコストパフォーマンス

1メートルを超える大型3Dプリンターの中でもBigRep Oneはコストパフォーマンスに優れ、大型のラピッドプロトタイピングに最適な機能と品質を誇っています。安定性が高いPLAフィラメントも通常のものから高強度のものまでそろっており、多彩な大型3Dプリントに対応しています。

大型3Dプリンター導入をご検討の方にはベンチマークプリントなども提供しています。ぜひご相談ください。