次世代3Dプリンタ展:進化する3D Systemsの光造形3Dプリンター

次世代3Dプリンタ展での光造形3Dプリンター展示

毎年東京ビッグサイトで開催される設計&製造ソリューション展(通称DMS)。その中の一分野として注目が高い次世代3Dプリンタ展が開催されました。

今回は次世代3Dプリンタ展の中でも注目の展示第2弾として3D Systemsの光造形3Dプリンターを中心にご紹介します。

3D Systemsは光造形を一番初めに開発した会社として知られ、多数の高精細&高品質の3Dプリンターを提供しています。中でもFigure 4 Standaloneは試作から少量の生産レベルまで対応した3Dプリンターです。

Figure 4 Standaloneとは?

Figure 4 Standaloneは光造形方式の3Dプリンターの中でも生産レベルの品質で3Dプリントができます。1台で12種類もの多彩な材料が使用可能で、ラピッドプロトタイピング用の高速造形材料から、高強度や高耐熱、ゴム系など量産グレードの材料まで幅広く対応しています。

また価格も生産レベルに対応した3Dプリンターの中では300万円台と手ごろな価格で、一歩進んだ高いクオリティが求められる試作や治具、ある程度の精度が求められる小ロット生産までモノづくりの可能性を広げてくれます。

一般的な100万円以下の光造形3Dプリンターとの違い

光造形3Dプリンターでは100万円以下のデスクトップタイプの3Dプリンターが多数登場しており、価格帯も数万円から数十万円まで幅広く登場しています。こうした低価格タイプ、いわゆる100万円いかの光造形3Dプリンターと比べ、3D SystemsのFigure 4 Standaloneはどのような点が異なるのでしょうか。

その主な違いが、次の3点です。第一が造形の品質です。ここでいう品質とは主に強度と精度になります。第二の違いが材料の多様性です。多数の材料が使用できることで、1台で様々な用途に使用することができます。そして第三の違いが、造形スピードと安定性です。失敗が少なく、高速に安定して3Dプリントを行うことができます。

Figure 4 Standaloneの違い①:寸法精度と強度

Figure 4 Standaloneが100万円以下の他の光造形3Dプリンターと異なる点の一つが仕上がりと強度です。3D SystemsはSLA方式の開発元として、優れた産業用レベルの精度を誇っています。

主な用途として少量生産から精度が求められる高速な設計の検証などに使用が可能です。
この生産レベルの仕上がりは100万円以下の光造形3Dプリンターでは反りなどが発生するため、難しいのが現状です。

Figure 4 Standaloneの違い②:材料の多様性

Figure 4 Standaloneは1台で12種類の材料が使用可能です。高速造形が可能なラピッドプロトタイピング用材料から、高強度、耐衝撃性などを備えたエンジニアリング系材料、300度以上の熱たわみ温度を備えた耐熱性プラスチック、ゴムの柔軟性を持つプラスチック、さらにはジュエリー鋳造用までその用途は多彩です。

100万円以下の光造形3Dプリンターとの最も大きな違いは、この材料特性が長期間に渡って安定している点です。だからこそ、Figure 4は試作だけでなく製品開発から小ロットの量産まで最終製品にも使用が可能になるのです。

Figure 4 Standaloneの違い③:高速造形

Figure 4 Standaloneのもう一つの強みが高速3Dプリントが可能な点です。SLA方式は高速でレーザービームを照射して3DプリントしますがFigure 4は造形スピードが非常に早く、下記の用なペンであれば1 プラットフォーム 60 本のペンを 1 本あたり 2 分の速度で3Dプリントができます。

専用ソフトウェア3D Sprintの汎用性

3D Systemsの3Dプリンターは専用ソフトウェアである3D Sprintを使用してプリント設定を行います。この3D SprintはCADから直接3Dプリントが可能で、1つのソフトウェアで、3D Systemsが提供する多彩な造形方式、光造形であるSLAからレーザー焼結であるSLS、マルチジェットプリント (MJP)に対応しています。

また部品形状を自動的に分析しエラーなどを修復可能です。プリント設定なども自動で高性能のアルゴリズムにより、最短時間で可能な限り高密度な形状で3Dプリント設定が可能です。

SLSレーザー焼結や大型造形物の展示も

今回のブースでは大型光造形の造形物やレーザー焼結(SLS)の造形物の展示もおこなわれました。3D Systemsの光造形3Dプリンターでは、精密かつ大型造形ができるSLA 3Dプリンターから、量産グレードのナイロン材料を使用して最終品レベルの造形が可能なSLS 3Dプリンターのラインナップも登場しています。

まとめ

今回次世代3Dプリンタ展で展示されている3D Systemsの光造形3DプリンターFigure 4 Standaloneは、手ごろな価格ながら、1台で12種類の材料に高精度で対応しており、高品質なプロトタイピングから小ロットの最終品製造まで幅広い用途に使用が可能です。