光造形3Dプリンターで、3Dテクスチャのあるカップを3Dプリントするとどうなるのか?カップ表面のテクスチャのディティールははどこまで綺麗に仕上がるのか?
前回のカップ編は、表面が平らできれいなシンプルなカップ形状でしたが、今回は表面に3Dテクスチャの凹凸があるデザイン性のあるカップ形状になります。
光造形3Dプリンターで、カップ形状をプリントする場合の方法や、3Dプリントの仕上がりをご紹介していきながら3Dテクスチャのあるカップを3Dプリントする方法を検証していきましょう。
3Dプリントするカップの内容とサイズ
こちらが、今回3Dプリントをしたカップの種類になります。
円形のボウルがサイズ違いで2種類と、ベース型でデザイン性のあるのカップ形状の3種類です。
表面には3Dテクスチャで凹凸模様もあります。
3Dデータは、Blenderという3Dソフトを使用して作製しています。
1.ボウル 大
サイズ : Φ65mm×30mm(高さ)
厚さ : 6mm
2.ボウル 小
サイズ : Φ45mm×21mm(高さ)
厚さ : 4mm
3.ベース
サイズ : Φ39mm×85mm(高さ)
厚さ : 3mm
使用する光造形3Dプリンターと材料
今回使用する光造形3Dプリンターは、Form3です。
Form3は、高精細、滑らかな仕上がりが特徴の反転方式の光造形3Dプリンターです。
ソフトは、Form3の専用ソフトウェア PreFormを使用します。
PreFormでは、プリントするデータ、プリント方向、サポートの付け方を設定することができます。
光造形3Dプリンター用の材料は、Form3専用スタンダードレジンのグレイレジンを使用します。
3Dプリンター用 硬質スタンダードレジン
硬質スタンダードレジンは、光造形3Dプリンターにおいて最も一般的に使用されるレジンです。多様な用途に対応できる汎用性が高く、プロトタイピングから模型、フィギュアまで幅広い分野で活用されています。このタイプのレジンは、適度な強度と耐久性を持っており、扱いやすさとコスト面でも手頃な価格であるため、初心者から熟練者まで幅広く利用されています。
3Dプリントで検証したい内容
検証1 : 3Dテクスチャのあるカップを3Dプリントするとどうなるのか?
検証2 : 3Dテクスチャの表面のディティールの仕上がりは?
前回のレビューのカップよりデザイン性のある形状のカップで、表面に3Dのテクスチャがある造形を3Dプリントするとどのような違いが出るのか?表面のテクスチャのディティールの仕上がり具合は?前回のレビューで影響の出たカッピングの現象はどこまで影響が出るのか?を比較検証していきます。
Preformでのプリント設定
サポート設定は、直付プリント(サポート設定なし)
積層ピッチは、50ミクロン
でプリントしていきます。今回の形状は直付のみの設定でプリントします。
こちらがPreFormでのプリント画面になります。
プリント時間 | レイヤー数 | ボリューム | Total材料コスト | 1個あたりのl材料コスト |
14h30m | 1696層 | 99.85ml | 3個=1,877円 | 1個=626円 |
前回検証したカップよりも厚みのある形状のカップだったので、カッピング現象は検出されませんでした。
3Dプリント結果
それでは、3種類の形状別にプリント結果を見てていきましょう。
1.ボウル大
[寸法結果]
サイズ : Φ65mm×30mm(高さ)
厚さ : 6mm
3Dプリント後のサイズ
円の直径 :寸法通り
高さ : −0.1mm
厚さ : 寸歩通り
寸法通りにプリントできました。
2.ボウル小
[寸法結果]
サイズ : Φ45mm×21mm(高さ)
厚さ : 4mm
3Dプリント後のサイズ
円の直径 :−0.1mm
高さ : −0.2mm
厚さ : 寸歩通り
ほとんど寸法通りにプリントできました。
3.ベース
[寸法結果]
サイズ : Φ39mm×85mm(高さ)
厚さ : 3mm
3Dプリント後のサイズ
円の直径 :寸法通り
高さ : 寸法通り
厚さ : 寸歩通り
寸法通りにプリントできました。
カップ編デザイン 3Dプリントまとめ
●表面の見た目
まず、2種類のサイズの違うボウル形状の結果ですが、どちらもデータ通りにとてもきれいにプリントできました。前回のレビューで検証した形状は直線のラインのカップでしたが、今回はカーブした浅めのボウル状のカップでした。カーブした部分も問題なくプリントできています。
●カッピング症状は起きたのか
前回よりもカップの高さが無く厚みもあったので、カッピングの症状も全く影響無くできました。寸法もほとんどデータ通りの寸法でプリントできています。
●テクスチャーのディティール
更に今回は、表面に3Dテクスチャをつけた造形でしたがテクスチャのディティールもしっかり表現できていました。グレイレジンの特徴である高精細で滑らかな仕上がりがテクスチャ表現に合っています。小さいサイズのボウルは、より細かい凹凸のテクスチャでしたが細部まで良くプリントできています。くびれた形状ですが、内側表面も底までとても滑らかにプリントできています。
●直付けの結果
直付プリントでしたが、造形への影響も無くプリントできた良い結果になりました。
ベース形状の結果も同様に、表面の3Dテクスチャのディティールがしっかり表現できていました。凹凸の模様部分の角の精度もとても綺麗で滑らかに仕上がっています。今回のベースのような、デザイン性のあるカーブ形状で高さのある造形でも直付プリントで問題なくプリントできました。
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