インド工科大学が3Dプリントとデジタル製造のコースを設置

3Dプリント教育の重要性と普及

3Dプリント技術は、製造業を時間とコストの面から効率化し、製品開発のスピードと幅を拡大する可能性を秘めている。その本格的な実用化はまだ始まったばかりとは言え、多くの産業に巨大な影響を与え始めていると言えるだろう。既にたびたびご紹介してきたが、いまだ改善点は残るとは言え、ローカルモーターズの自動車3Dプリントや、Googleと3DsystemsのProject Araの高速量産カスタマイズはこれまでの製造の概念を変える取り組みだといえよう。

そんな巨大な影響力を秘めている3Dプリント技術だが、それを使いこなし、それによって競争力を高めるためにはその技術に精通し余すところなく使いこなすことができる人材が必要になる。こうした3Dプリント技術に精通した人材育成は導入をすすめる先進諸国では早急の課題であり、各産業界に人材が行き渡るのには数年から10年以上の単位が必要だ。

そのような状況の中、アメリカやイギリス、シンガポールなどの諸国は3Dプリント教育のカリキュラム制定に動きを始め、新たなSTEM教育の一貫として取り組みつつある。そのような中、インドではインド工科大学が3Dプリント技術のコースをあらたに開設することを発表した。

インド初となる3Dプリントとデジタル製造のコース

このインド工科大学の3Dプリント技術コースの発表は、3月2日から2日間行われた3Dプリント促進のための国際シンポジウムで行われたもの。この国際会議は日本の国際協力機構JICAと、慶応大学、オーストラリアのディーキン大学が主催して行われたものだ。会議の主な目的の一つはアディティブマニュファクチャリングと3Dデザイン、3Dプリントの開発の学際的なコラボレーションを促進することであった。

この会議においてインド工科大学のテクノロジーハイデラバードの発表では、工業から医療、食品に関する広範な分野において3Dプリントの多様なアプリケーションの可能性を述べている。このハイデラバードは、今後数年間でこの技術の使用範囲がますます拡大し、重要性を増していくとの見解を持ち、インドで初となる3Dプリントとデジタル製造の技術コースとなる。

まとめ デザインとエンジニアリグのハイブリッド人材の育成

慶応大学は日本の大学の中でも湘南のメディアセンター内にファブスペースを設け、3Dプリンターや3Dスキャニングを提供している数少ない大学である。既に芸大などの美大では3Dプリンターの配備が検討、もしくは既にされているかもしれないが、新たなデジタルファブリケーションをすすめる学術的な拠点とも言っていいだろう。

しかし、このインド工科大学のハイデラバードのように3Dプリント技術のコースがある日本の大学はいまだ存在しないといってもいいだろう。また3Dプリント技術だけ習得するのではなく、デザインとの合わせた教育が必要になる。むしろコンセプトメイキングや事作りを行うデザインの部分を抜きにして、3Dプリント技術は成り立たないと言える。

イギリスの家電メーカーダイソンのように、デザイナーとエンジニアが一体となったデザインエンジニアリングのような、自由な発想を形にするハイブリッド人材の育成が本来の目的なのだから。

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