製品開発に3Dプリンターを利用するモトローラ
新たな3Dプリンターの使用方法が着目されている。モトローラは米国を代表する電子通信機器メーカーでスマートフォンやタブレット端末の市場で業界最大手だ。
今回立ち上げられたプロジェクトは「Project Ara」といいスマートフォンを作成するための無料のオープンハードウェアプラットフォームである。
スマートフォンのハードウェアの設計図等をオープンにすることによって、ユーザーはスマホのフレームやモジュール等を自由に組み合わせて自由にカスタマイズすることが可能になる。
モトローラはこのプロジェクトのパートナーとして3Dプリンターや3Dスキャナーのメーカーとして最大手になる3D Systemsと提携することになった。
これは本プロジェクトによるスマートフォンの試作品を製造したり、カスタマイズした製品を製造するのには3Dプリント技術が不可欠であるためだ
。3D Systemsは業務用のハイエンドな製品から、個人向けのデスクトップタイプまで幅広く3Dプリンターのラインナップをそろえており、3Dプリンターメーカーとしてはストラタシス社と並ぶ2大メーカーだ。また3Dプリンターの本体の製品販売だけではなく、3Dデータの製造管理ソフトや高度なモデリングソフトなども提供している。
今回の契約の一環として、3D Systemsは、実質的に導電性や機能性材料など、その複数材料の印刷機能を拡張する予定だ。同社はまた、製造方法を組み合わせて作る方法や、統合された高速生産を行うプラットフォームを提供する。
モトローラの上級社長兼先進技術プロジェクトグループ長レジーナ・デュガン氏は「スマートフォンのハードが全ての人に対してオープンにされることによって世界中の消費者が製品を自由にカスタマイズすることができる権限を手に入れることになる。」と語っている。
モトローラパーツ
まとめ
モトローラが発表したスマホカスタムプロジェクト「Project Ara」は自社製品のハードウェアの設計図等をオープンにして世界中のだれもが製品開発に携わることができるオープンプラットフォームとなっている。
モトローラは言うまでもなくアメリカの企業だが、似たようなプロジェクトに力を入れているのがGEだ。
GEもQuirkyというウェブ上の製品開発プロジェクトを手掛ける企業とパートナーシップを結び、Quirkyのウェブサイト上に自社製品の設計図や特許等を無料で公開し、製品開発に結び付けている。
GEの場合はQuirkyとタイアップするだけではなく自社でもクラウド上でオープンの製品開発プロジェクトを推し進めている。GEの場合もモトローラの場合もインターネットと3Dプリンターという二つのテクノロジーを最大限生かすことにより製品開発に以下のメリットを享受している。
第一はより多数の広範な人々の意見やアイデアを製品開発に反映させより消費者ニーズに合った製品開発を行なえるようになっている。第二は3Dプリンターにより優れた製品を迅速に試作や製造に結び付けている。
こうしたモトローラやGEの取組は3Dデータから製品化する3Dプリンターの特性とデータで世界中どこでも転送できるITの力を最大限利用しているといえよう。
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