2万円代の超低価格3DプリンターMOD-T登場で誰でもモノづくりに参加可能

拡大する3Dプリンターの低価格化

ここにきて3Dプリンターの低価格化がいっきに進んでいる。 つい先日、わずか5万円代のオープンソースの高性能3Dプリンターが登場したが、こんどはたった15,000円の3Dプリンターが登場した。

今ある低価格帯の3Dプリンターは大体1台10万円から30万円程度、組み立て式のオープンソースタイプでも5万円から7万円程度だ。 今回登場したMOD-Tは、クラウドファンディングサイトIndiegogoで資金調達に名乗りをあげたが、既に目標金額の375,000ドルをはるかに超える金額の調達に成功している。

キャンペーンでは149ドルと199ドルの2パターンから購入可能で、一般小売価格は249ドル、約25,000円ほどだ。

特許技術で大幅なコスト削減を可能に

なぜこれほどまでに低価格化が可能なのだろうか。このMOD-Tを開発したのはカリフォルニア州パサデナのスタートアップ企業IdeaShaperで、製造コストを大幅に削減するために電気工学設計の特殊な製法特許を取得しているようだ。

その詳しい内容は明かされていないが、この電気機械と構築プラットフォームによって、一定の精度を保ったまま、驚異的な低価格化を可能にしている。それではその性能をご紹介しよう。

下記はMOD-Tのスペックだが、造形精度は0.2mmから0.4mmで、出荷時までには0.1mmまで高めるようだ。 0.1mmだともっとも普及しているMakerbotの3DプリンターReplicatorと同じ解像度。

ちなみに造形スピードは80mm/秒と従来のものに比べればかなり高速だ。 解像度はだいたい既存の低価格帯の3Dプリンターと変わらないが、スピードは大幅に向上しているとみていい。

MOD-Tスペック

  • 材料:PLA樹脂
  • 解像度:0.1mm~0.4mm
  • スピード:80mm/秒
  • 造形サイズ:150㎜×100㎜×125㎜
  • ノズル直径:0.4㎜
  • 無線LAN内蔵
  • サイズ:380mm×280mm×365mm
  • 重量:5kg

MOD-T動画

MOD-T

MOD-Tを開発するチームは、3Dプリント技術やデザイン業界におけるベテランデザイナーで構成されており、大手ベンチャーキャピタル企業やエンジェル投資家から資金調達も受けている。彼等の目的は明確で、全ての一般家庭に3Dプリンターを提供することだ。

他社比較表

誰でも参加できる専用ソフトウェアとマーケットプレイス

MOD-Tのチームはまた、超低価格の3Dプリンターを販売するだけではない。

同時に3Dデザインの専用ソフトウェアとマーケットプレイスも発表するとのことだ。このマーケットプレイスはハンドメイド品のマーケットプレイスEtsyの3Dデザイン版で、多くのデザイナーやアーティストが作品を販売でき、3Dソフトではユーザーは自由に簡単に3Dデータをカスタマイズできる。

このマーケットプレイスで提供される3DデータはMOD-T3Dプリンターでのプリントに最適化されるようになるようだ。 最適化されるということは、低価格3Dプリンターにありがちなミスプリントが極端に少なくなるのだろう。

また、ここに参加するユーザー達は、メールで送受信するよりも遥かに簡単に3Dデータを友達と共有することが可能になる。 とにかく、3Dデータのカスタマイズ、共有、そして3Dプリント、全ての面で「使いやすい」点にこだわりぬいているようだ。

専用ソフトウェアはパソコンとタブレットにも対応

マーケットプレースで販売も可能

まとめ

3Dプリンターが注目を浴びてわずか1年ほどで、15,000円から25,000円の超低価格なものが登場した。 もちろん性能が飛び抜けているとは決して言うことはできないが、昨年度の各社のモデルに比べ遜色がない。

同社は、先にも述べたが特殊な製法特許によって超低価格化を可能にしているが、こうした3Dプリンターの低価格化は我々が予測するよりも遥かに早くやってくるかもしれない。

いまだ黎明期にある3Dプリンターの業界だが、数年で遥かに高性能で、低価格なモンスター機種が登場する可能性は高い。3Dプリンターの開発は、料の研究と同時に目が離せない分野だ。

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