モノづくりのまち大田区の町工場が開発した3Dプリンター「DS1000」を取材

大田区の匠の職人が集まる展示会「加工技術展示商談会」

町工場といってまず連想する地域は大田区ではないだろうか。

大田区には約4,000近い町工場があり、まさに日本のモノづくりを代表する地域だ。特に加工技術に優れた企業が多く、樹脂成型から表面処理、機械加工など、モノづくりの現場を支えるさまざまな企業が存在する。

そんな大田区を代表するようなモノづくり企業が集積する展示会が本日開催された。大田区が主催する大田区加工技術展示商談会だ。

この加工技術展示商談会は、今年で開催は7回目。毎年、匠の技術を結集した素晴らしい企業が出展しているが今年も100社ほどのモノづくり企業が登場している。

そのうちの12社は「大田の工匠100人」に選出された職人が属する企業も存在するが、ひときわ人だかりができているブースがある。なんと大田区の町工場が作ったという個人向けのパーソナル3Dプリンターの展示ブースだ。

一通り別件の商談も済んだため、早速話を聞きに行ってみた。本日は大田区の町工場が開発した3Dプリンター「DS1000」をご紹介します。

モノづくり企業たちが集う「加工技術展示商談会」

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100社が出展し、多くの匠の技を持つ企業が集う

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海外メーカーが圧倒的なシェアを誇る3Dプリンター

3Dプリンターが一躍注目を集めているが、流通しているほとんどの機種が海外製だ。

ハイエンドモデルのメーカーではストラタシスや3Dsystems、低価格なデスクトップタイプでは、Makerbot、Cubeシリーズ、Reprap、Ultimakerなど全て海外製の状況。

日本で3Dプリンターを製造販売するのは、計測器などを作る専門メーカー、キーエンスぐらいのものだ。 またキーエンスが手掛けるのも工業用のハイスペックモデルであるため、低価格帯の3Dプリンターメーカーはほぼゼロと言っていい。

そんな状況があったため、本日の展示会で出展されていた3Dプリンター「DS.1000」には思わず注目してしまった。

安定性が高い4種の材料に対応した3Dプリンター

この日本製の低価格3Dプリンター「DS.1000」を製造販売するのは、スマイルリンク株式会社だ。

もともと精密板金加工や溶接を行う昭和49年から続く企業で、3DCAD 2DCADからの図面化なども手掛けている。 新たに製造販売を手掛けている「DS.1000」はオープンソースの3Dプリンターで、専用ソフトも付属している。

開発にあたっては横浜のソフトウェア会社と共同で行い、3Dソフトもオープンソースだ。 その特長は何と言ってもプリンターの性能が安定していることがあげられる。

プリンターの安定性といっても我々に日本人には当たり前のことだが、海外製の低価格タイプの3Dプリンターは性能が今一つ安定せず不具合が多い。

プリントをセットしてから、次の日事務所に来てみると途中で止まっているなんてことはざらにある状況だ。そんなとき、性能が安定する機種は低価格帯ではかなりありがたいし、もし不具合が出たとしてもすぐに対応してくれることになる。

「DS.1000」の動画

多くの人が集まるブース

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素材は4種類ABS、PLA, Nylon、PETが使える

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ソフトウェアもオープンソース

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代表取締役社長の大林さん、マイナビで「ゼロからわかる3Dプリンタ」コラムも掲載中とのこと

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パーソナル3Dプリンター「DS.1000」スペック

  • 造形方式:融解フィラメント製造(FFF)
  • プリンターサイズ:270㎜×280㎜×255㎜
  • 重量:5kg
  • 造形範囲:105㎜×105㎜×105㎜
  • 積層ピッチ:0.05㎜~0.35㎜
  • ノズル径:0.40㎜
  • 使用フィラメント:1.75㎜、ABS樹脂、PLA樹脂, Nylon、PET
  • 電源:12V 60W 100-240V AC
  • 入力データ形式:STL/G-code
  • サポートOS:Windows7/8
  • 価格:180,000円(税抜)

販売は3Dプリンター本体と専用フィラメントを専用サイトで販売している状況だ。

 まとめ –日本のモノづくりの良さを活かす開発-

日本の3Dプリンター開発は他国から一歩遅れている状況だが、そんな中、精密な技術を持つ日本の町工場が3Dプリンターの製造に携わるということはとても意義深いことなのではないだろうか。

緻密で故障が無い、クオリティの高い品質が日本の町工場の手で確立することができれば、3Dプリンターとしての競争力は持てそうだ。2014年度に入り、世界各国で続々と3Dプリンターが開発されつつある。

そのため、まだまだ市場自体が、発展途上の段階で、製品の独自性やクオリティによっては、戦う余地が残されているとみていいだろう。 日本人の特長である高い品質力と精密な技術力が反映されることで、日本の独自性のある3Dプリンターが生まれる可能性を秘めている。

ただ一点、不安点は、言語の壁を自由に超え、クラウド上で世界中からアイデアを集めて開発を行う海外勢と、言語の壁に阻まれ、無数のアイデアを集めることができるインターネットの特性を封じられた日本勢とでは、開発力で大きな差が出てしまうかもしれない。

最近に入り5万円の光造形タイプの3Dプリンターが登場したり、3Dプリンターの低価格化、高性能化はすさまじいスピードで進んできている。 クラウドで商品開発のスピードが常軌を逸したスピードになっている中、どこまでそれを利用できるかも一つの鍵かもしれない。

2014.6.13 投稿者:i-maker

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