3D HUBS が3Dプリンターの最新動向を発表!デスクトップタイプの市場シェアが公開

3D HUBSは3Dプリンターを持っている人とモノを作りたい人をつなぐ世界最大の3Dプリンターネットワークだ。現在登録している3Dプリントサービスは1600件近くに上っている。世界中から登録がされており利用したい人は自分のローカルにある3Dプリントサービスが利用できる仕組みとなっている。3D HUBSは登録者数の増加とともに3Dプリント業界のトレンドレポートを発表している。今回新たに発表された興味深い最新動向をご紹介。

4社で3Dプリントサービスをほぼ独占

今回新たに発表された最新レポートによると3Dプリントサービスに導入されている3Dプリンターはほぼ4社で独占されていると言っても過言ではない。ちなみに3D HUBSに登録している3Dプリントサービス約1600社のうち90%が比較的安価なデスクトップタイプの3Dプリンターを使用しているとのことだ。

  • 1位:ストラタシス 25.5%
  • 2位:RepRap 21.9%
  • 3位:Ultimaker 18.4%
  • 4位:3Dシステムズ 10.8%

ストラタシス社は高性能で高額なハイエンド3Dプリンターのメーカーで世界一のシェアを持っているが、個人向けで比較的安価なメーカーポッドを買収したことにより一躍第一位のシェアを握っている。

第二位のシェアをもつRepRapはオープンソースハードウェアで作られる3Dプリンターで設計図がオープンにされているため誰でも開発することが可能で、自由に改良することが出来る。

第三位にはUltimakerで18.4%の市場シェアを持っている。もともとオランダで作られたメーカーで組み立て式の3Dプリンターだが、最近では完成品であるUltimaker2も販売されている。

第4位はストラタシスと並ぶ2大メーカーの一つ3Dシステムズで3Dプリントのパイオニアだ。3Dシステムズも高性能なハイエンドタイプのメーカーだがデスクトップタイプのCubeシリーズを販売している。

この4社で全体の76.6%を占めている。巨大メーカーではないRepRapとUltimakerが2位と3位のシェアを持っていることが特徴的だ。この2社はオープンソースという製品組み立てをブラックボックスにせずオープンにしているところが画期的な展開方法だと言える。

3D HUBSから引用

素材のシェア

使用している素材は大半がプラスチックだ。これは3D HUBSに登録している人たちの90%がデスクトップタイプの3Dプリンターを使用していることから当然の結果といえる。ちなみABS樹脂とPLA樹脂の違いだが3Dプリンター用ABSフィラメントはPLAフィラメントに比べて粘りがあり、構造部品としての強度を重視する場合に適している。

一方PLAフィラメントはABSフィラメントに比べて熱に強く、熱変成が少ないため大きい造形物を作る事が可能だ。プラスチック以外の素材はまだ3Dプリンター自体の素材研究が途上であるため少ないが、木材やナイロン、ゴムなどが出つつある。素材のシェアは3Dプリンターの素材研究が進むことによってより多角化していくだろう。

3D HUBSから引用

3Dプリンターの使用用途

3D HUBSを通して毎日世界中で3Dプリントがされているがこのレポートでは何の目的で使用されているかが見て取れる。

第一の使用目的はプロトタイプすなわち試作品の製造だ。試作品製造で38%のシェアを占めている。もともと3Dプリンター自体の使用目的が金型による大量生産に入る前の試作品製造にあるためだ。また、3D HUBSのネットワークで使用されている3Dプリンターの大半はデスクトップタイプであるため、素材もプラスチックに限られ、完成品の精度も大量生産品に比べてクオリティが低いことが要因と言える。

以下、ガジェット、携帯電話アクセサリ、模型、ファッション等レクリエーションで使用されるものの使用が続く。

  • 第一位:プロトタイプ 38%
  • 第二位:ガジェット 27%
  • 第三位:携帯電話付属品 12%
  • 第四位:模型 11%
  • 第五位:ファッション 7%
  • 第六位:おもちゃ 2%
  • 第七位:交換部品 2%

3D HUBSから引用

まとめ

3D HUBSが発表しているレポートは製造業とは異なるシーンでの3Dプリンターの使用動向がわかるものだ。基本的には製造業などのパーツ製造で使用されるハイエンド製品とはことなり、比較的安価なデスクトップタイプの3Dプリンターが占めるため使われる素材や使用目的等は今のデスクトップタイプの3Dプリンターの性能を反映している結果となっている。

興味深い点はデスクトップタイプに限って言えばオープンソースに基盤を置くRepRapとUltimakerで40%近いシェアをもっていることだ。ただ3Dプリンターの精度はまだまだこれからという部分もあり、このシェアはどんどん変化し続けると思われる。特に3Dプリンターの研究開発や素材研究は世界各国で行われておりアメリカやヨーロッパなどは多額の予算を投じて研究開発に打ち込んでいる。

より造形スピードが速く、使用素材が多角化され、低価格化が進むことで、更なる新しい利用シーンが広がっていくと考えられる。技術と開発は急速なスピードで変化しつづけ、まだ3Dプリンター産業は導入期にあるためこうしたレポートは随時更新され続ける必要があるだろう。

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