傘下の英アズダで3Dスキャニングプリントサービスを開始
ウォルマートは言わずと知れた世界最大のスーパーマーケットチェーンだが密かに3Dプリントサービスに着目し始めていると言われている。
その傘下の企業であるイギリスのアズダで既に実験的に3Dプリントサービスを開始している。アズダはウォルマート参加の小売りチェーンでイギリス第二位のスーパーマーケットだ。1991年にウォルマートに買収されて以来、総従業員数は14万人近くを掲げる巨大企業。
このアズダのニューヨーク支店で3Dスキャンを使った新しいデジタルスキャニングサービスを開始している。スキャンした人は3Dモデル化され、セラミック素材の3Dプリンターによってフィギュアとして提供される。
下記はアズダで行われている3Dスキャンサービスの動画だ。
世界最大のサプライチェーンネットワークを持つウォルマートの狙いとは
アズダでの3Dスキャニングサービスはあくまでも試験的なものにとどまるだろう。
ウォールマートのような超大型小売りチェーンが3Dプリンターを導入する真の狙いは別の所にあると考えられる。ウォルマートは全世界で11,000店舗近くもあり、優れたサプライチェーンマネジメントを行っている。
優れた物流戦略と独自のサプライチェーンマネジメントにより徹底した在庫管理を行うことで、商品回転数を大幅に向上させた。
こうしたサプライチェーンマネジメントの管理はオンライン上の巨大なデータベース管理を通して行われており、特にモバイルプラットフォームの構築に力を入れてきている。
スマートフォンの浸透によってオンラインショッピングは今の時代モバイルでなされる時代になりつつあるが、ウォルマートはモバイルマーケティングに徹底して注力することで巨大な流通ネットワークを効率的に運営している。
こうした背景のもとで新たに3Dプリントサービスに注目している。

3Dプリントで在庫の削減と物流の効率化を図る
3Dプリント技術の最大の特長はデジタルからダイレクトに製造することによるオンデマンド生産だ。
これにより余分な在庫を抱える必要がなくなる。製造業の現場では既にパーツ製造において大量生産による不要在庫を抱えるコスト削減の目的としても3Dプリンターは使用されているが、将来的に小売りチェーンでもこうした取り組みがなされると考えられる。
例えば世界第三位のイギリスの小売りチェーンテスコも試験的に3Dプリントサービスを導入を検討しているとのことだが、その用途はあまり数が売れないニッチなアイテムの販売に3Dプリントを使用しようとしている。
販売量も限られたものしか出ない製品であれば大量生産によって余分な在庫を抱えることなく、オンデマンドに対応した3Dプリント生産の方がはるかにコスト効率がよくなるからだ。
また、3Dプリントで製造される場合はデータベースから物体が製造されるため余分な物流を使用する必要はなくなるだろう。
例えば、注文が入った顧客が住んでいる最寄の店舗で在庫が無かったとしても、わざわざ別の遠い店舗から発想する必要がなくデータからダイレクトに製品が製造することが可能だ。
こうした3Dプリントがもつサプライチェーンに対する影響力は巨大で、特に世界中で11000店舗を持つウォルマートにとっては絶大な影響力を持つ。
まとめ
現在3Dプリントサービスが至るところで試験的に導入されつつある。
特にサプライチェーンや物流に関わる業界の企業が3Dプリントサービスを開始するケースが多く、代表的な企業として国際物流を行うキンコーズやUPSなどがその代表例だ。
またフランスではフランスの郵政公社が試験的に3店舗で3Dプリントサービスを導入し始めており、将来的には全店舗での事業展開を考えているという。
こうした物流・郵便会社が3Dプリントサービスを開始している理由は、第一にデータから直接モノが生成されるようになれば、郵送する必要はなく、データ送信、もしくはクラウド上のサーバーでデータを共有すれば全く物流コストをかける必要はないからだ。
こうした企業は主に3Dプリンターを自社で導入していないが、パーツ製造や試作品製造で使用してみたい中小企業をターゲットにしている。
一方で、ウォルマートやテスコなどが3Dプリントサービスを開始するとした場合は、エンドユーザーが対象になるだろう。
上記の物流企業たちが3Dプリントサービスを開始しているのに比べ小売りチェーンがこれから検討を開始するのには理由があり、現状の3Dプリンターでは製造業のパーツや試作品に使用されるのであれば十分な精度を再現できるが、エンドユーザーにダイレクトに提供される製品としては今一つの精度であることがあげられる。
そのため、まだ以前として試験的な運用もしくは検討段階にとどまっているのだろうと考えられる。
しかし、早晩3Dプリンターの性能が向上し造形スピードも大幅に改善されればウォルマートのような超大型小売チェーンがニッチ製品の製造で3Dプリントサービスに乗り出す可能性は高い。
現に、3Dプリントメーカーとしてトップをはしる3Dsystemsは世界で初のフルカラープラスチック3Dプリンターと、造形スピードが大幅に改善された複数素材を同時に組み合わせられる新型3Dプリンターを発表した。また素材研究も高く化しており、プラスチックだけではなく、ゴム、ナイロン、セラミック、金属等、様々な素材が自由に複合されて組み合わされる3Dプリンターが登場するまでそう遠くはないのかもしれない。
今後ある時期を境に製造プロセス、サプライチェーンが劇的に変わる時代がくるだろう。
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