14億ドルに拡大する3Dプリンター用フィラメント市場はFDMタイプを普及させる

2019年に14億ドルに達するフィラメント市場

3Dプリンターの普及拡大にともなって、それに関わるさまざまな製品の市場拡大が期待されている。そのうち最も成長が期待されている市場が、消耗品である3Dプリンターの材料市場だ。3Dプリンターの材料といってもさまざまだが、とりわけ最も注目されているのがフィラメントの成長拡大だ。

今最も多く普及しているタイプの3Dプリンターは樹脂を溶かして押し出すFDMタイプのものだが、フィラメントはFDMタイプの材料。樹脂を糸状にした物を溶かして積み上げる方法をとる。基本的にはABSPLAという2種類であったが最近では3Dプリンター自体の普及とともに、さまざまな素材をミックスしたフィラメントが登場している。

例えばゴム状の質感を出せるフィラメントや、ナイロンのフィラメント、中には金属素材のブロンズとミックスさせた青銅系のフィラメントが登場するなど、異なる素材との組み合わせでいろいろなタイプの商品が登場してきている。

こうした素材の拡大は3Dプリンターの使用範囲を拡大させるとともに、3Dプリンター本体の普及を加速させる要因にもなっているが、フィラメント自体の売上を伸ばすという相乗効果をもたらしているようだ。

2014年現在のフィラメント市場は3.1億ドル規模に達し、5年後の2019年にはほぼ5倍の14億ドルに達すると予測されている。このように巨大化する市場の動きを受け、市場獲得の動きに新たな企業が参入してきている。本日は2つの巨大企業の動きと拡大するフィラメント市場をご紹介。

ブロンズ状のフィラメント

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ゴムのような伸縮性を持つフィラメント

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2次元プリンターのビジネスモデルをめざす3Dsystems

3Dsystemsは言うまでもなく3Dプリンター業界で世界シェア1位を誇る巨大企業だ。産業用の3Dプリンターの製造販売から消費者を狙った低価格モデルまでその範囲は多岐に渡っている。

この3Dsystemsがフィラメントの製造能力を拡大するためにオハイオ州に30,500平方フィートの施設を開設している。

この3Dsystemsのオハイオ州の工場では自社の3DプリンターであるCubeシリーズのフィラメントを製造するためのもので、拡大する消費者向け市場や、中小企業・デザイナーなどへの販売拡大に対応することを目的としている。

この施設では既存のフィラメント材料を製造するだけではなく、同時に新たなフィラメント材料を開発することも行うとのことだ。3Dsystemsが3Dプリント材料市場で狙うのは、明らかに二次元プリンターのビジネスモデルと同様のスタイルだ。

二次元プリンターは一度そのプリンターを購入すると、それに使用するインクが決められているように、3Dsystemsも自社で販売するCubeシリーズのみに使用できるフィラメント材料の製造を確立させるようだ。

3Dsystemsのキューブ

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次世代モデルにもフィラメントを専用化

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世界NO1の記録メディアバーベイタムの市場参入

3Dプリンターごとにフィラメント材料を限定してしまうというビジネスモデルの欠点は、3Dプリンター自体の販売台数が伸びなければ、当然フィラメントの販売数も伸びないという点にある。

3Dsystemsのような圧倒的な販売量を誇る企業であればこのビジネスモデルは成り立つと思うが、市場に参入仕立てのスタートアップ企業や、市場シェアが低い企業にとってはフィラメント材を限定してしまうことは逆効果だ。既に多くのフィラメントメーカーが存在するが、新たに巨大企業の参入が発表された。

それはCD-RやDVD-R、ハードディスクドライブ、ブルーレイディスクなど記録メディアのブランドバーベイタムだ。バーベイタムは40年以上続く記録メディアのブランドだが、現在は三菱化学に買収され、三菱化学メディア株式会社のブランドだ。

同社は学校や、大学、製造業、デザイン事務所など、さまざまなフィールドで使用される3Dプリンターの普及を見据え、市場参入するという。

ちなみにバーベイタムブランドのフィラメントは1.75mmと3mmの2種類で、素材もABS樹脂とPLA樹脂の2種類を揃えている。また親会社の三菱化学はPLAとABSの二つのいい部分の属性を組み合わせた特殊フィラメントも開発したとのこと。大手の参入でさらに研究開発が進みそうだ。

バーベイタムのフィラメント

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まとめ フィラメントの開発はFDMタイプを普及させる

3Dプリンター関連で最も巨大な市場として期待されているのが一般消費者関連の市場だ。3Dプリンター本体の販売とともに、3Dプリントサービスも巨大市場になってくる。

その場合3Dプリンター用の材料は3Dプリンター本体にも、3Dプリントサービスにもどちらにも必須のものだ。3Dプリンターと3Dプリントサービスが普及し続ければし続けるだけ、材料市場も拡大の一途をたどる。

また上記でも述べたが材料の革新も3Dプリントを普及させる重要な役割を持っているといっていいだろう。例えば現在開発されているカーボンファイバーのフィラメントなどが高い精度で完成すれば、その使用用途はさまざまな分野で期待される。

現在低価格モデルでは光造形3Dプリンターが、仕上がりのクオリティの高さから、積層タイプの3Dプリンターより普及が期待されているが材料はFDMタイプほど幅広くはない。

そのため、FDMタイプの3Dプリンターの性能が向上したり、新たな素材のフィラメントが登場すればFDMの3Dプリンターのほうが市場シェアを獲得するだろう。このように見ても、3Dプリント産業において、材料の果たす役割と期待は非常に大きな意味をもっていることが分かる。今後どのような素材が登場するか楽しみだ。

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2014.8.18 投稿者:i-maker

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