ストラタシスが汎用性の高い3Dプリント材料を発表、ポリプロピレン「ENDUR」

高性能3DプリンターObjetシリーズに対応

3Dプリンターメーカーのストラタシスが新たな3Dプリンター用の材料を発表した。「ENDUR」と言われるポリプロピレン材料だ。ストラタシスが販売する3DプリンターObjetシリーズに対応した材料になる。主な対応機種はObjet Connex、Objet EdenV、 Objet500 Connex3、Objet 30Pro。いずれも高精度な3Dプリンター。

今回発売される「ENDUR」は強い衝撃耐性を持つ非常にタフな物体を生成することができる。また同時に優れた耐高温性や、優れた柔軟性、優れた表面品質、優れた寸法安定性を特長としており、単一のカートリッジに入っている。もともとポリプロピレン材料は様々な商品や工業用品に利用されており、全世界で最も消費量が多いプラスチック材料の一つだ。

これにより更なる3Dプリンターの使用方法が拡大すると見込まれる。

幅広い分野に使用されているポリプロピレン

ポリプロピレンの特長は、「ENDUR」に見られるとおり強度が高いと同時に、汎用樹脂の中に置いて最も比重が小さいといった特長を持っている。そのため汎用性がきわめて高く、自動車部品や家電製品、家庭用品、実験器具、文具、プラスチック部品、包装材料など非常に広範な分野にわたって使用されている材料だ。

日用品から工業用途まで幅広い使用用途があることから、日本国内の総需要だけでも約245万トンにおよび、市場規模は金額にして4000億円規模に相当する。

工業用品や家庭用品では主に射出成形によって使用されるケースがほとんどで、金型が必須になる。しかし「ENDUR」とストラタシスの高性能3Dプリンターの組み合わせにより、様々なポリプロピレンを使用する製品が1個単位で作れるようになるだろう。

「ENDUR」

画像出所:ストラタシス

「ENDUR」動画

まとめ

3Dプリンターの素材は様々な種類のものが対応しつつある。こうした素材の多角化はどういった現象をもたらすのだろうか。今回発表された「ENDUR」一つ見てみても、ポリプロピレンで作られていた様々な製品やパーツが1個単位で製造できるようになる。もちろん、大きさや精度など、使用する3Dプリンターによっては異なるため、全部が全部ではないが。

しかし、このように今まで金型からの製造しかできなかったものが、1個単位でデジタルデータから作ることができるようになれば、製品開発のスピードやコストは従来とは比べ物にならないぐらい早くなるし、安くなる。

こうした3Dプリンターとそれに対応する材料がもたらすメリットは巨大だ。大規模な生産設備をもち、製品の企画開発部を持つ大手企業はますます効率化が可能になるし、市場に商品を投入するスピードが上がり利益やフィードバックを回収する速度も上がる。

一方で、これまで製品開発に携わることができなかった人々をモノづくりの分野に参入させる門戸を開く役割も果たしているだろう。今後は3Dプリンターを効率的に生産設備に取り入れる大手企業と、製品企画力やデザイン力で勝負する小規模企業、この二つに二極化するかもしれない。

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