3Dプリンターの問題点や課題について

3Dプリンターが開発されたのは1980年代で、まだ技術として30年も歴史がありません。今後さまざまな可能性を秘めている技術ですが、まだまだ発展途上の技術であり、現在でもさまざまな課題や問題点があります。

そこで今回は3Dプリンターの課題や問題点についてご紹介してまいります。

安定性

3Dプリンターの最大の課題であり、問題点が造形の安定性です。3Dプリンターは3Dデータから直接物体を造形することが可能ですが、①材料、②造形する形、③機械としての特性が造形の安定性に影響します。

また3Dプリンターは材料を化学変化させながら、(例えばFDMではフィラメントを溶かして積層し、冷えて固まる、光造形は液体のレジンに紫外線が当たって固まるなど)形を作ります。

そのため、上記3つのポイントが完璧に制御できないと失敗したり、ミスしたりしてしまいます。

安定性の影響

安定性の影響はどのような点に挙げられるのでしょうか?3Dプリンターの安定性が悪いと、プリントをかけても途中で停止する、思った通りのものができないということになります。

そうなると、時間と材料が無駄になってしまうだけではなく、次のプリントも成功するかどうかわからなくなり、業務などで使用している場合には多くのストレスがかかります。

安定性が高い機種

3Dプリンターにある程度の安定性を求めるのであれば、130万円以上の価格帯が望ましいです。また機種や使う材料によっても異なりますので事前に確認が必要です。

操作性の問題

3Dプリンターの課題として次にあげられるのが操作性です。ここでいう操作性とは、3Dプリントを行うための設定で、ハードとソフト双方の機能やインターフェースなどのことを指します。

3Dプリンターにはプリントを行うためのさまざまな設定項目があります。この設定項目を変えることで、プリントの仕上がりなどが異なります。

また材料の種類によって、最適なプリント設定が異なります。

このプリント設定や造形のパラメーターは、3Dプリンターを扱ったことがない人からすると全くわかりません。そのためある程度の自動化、自動設定が行える3Dプリンターがベストです。

一部の機種ではこの自動化が進んでいますが、まだ3Dプリンターの操作性や自動化は課題の一つです。

精度の問題

3Dプリンターの課題の一つが精度です。よく3Dプリンターが比較されがちなのが金型量産との精度ですが、3Dプリンターは積み上げてつくる積層造形という点、また1個ずつ造形するという点から、毎回完璧に同じ仕上がりにはなりません。

こうした点から、金型量産で求められるような±10ミクロンのような厳密な精度は出ません。この精度はハイエンド機になれば若干向上しますが、今後3Dプリンターの性能が向上することで精度はさらに良くなるかもしれません。

見た目・仕上がりの問題

3Dプリンターの問題点で指摘されるのが見た目や仕上がりです。3Dプリンターは100ミクロンや200ミクロンなどの層で積層するのですが、造形方式によっては積層跡が目立ちます。

FDM3Dプリンターの見た目

FDM方式の3Dプリンターはフィラメントを積層するため、3Dプリンターの中では最も積層跡が目立ちます。推奨の積層ピッチがだいたい0.2mmなため、他の造形方式よりも目立ちやすいです。また素材によっては硬いため、研磨や塗装に手間がかかる場合があります。

光造形3Dプリンターの見た目

光造形3Dプリンターはレジンを硬化して積層するため、FDM方式に比べて滑らかで高精細な仕上がりができます。ただし、デスクトップタイプの3Dプリンターでは、場所や形状によって積層跡が残ってしまいます。

光造形はアクリルなどがベース材料になっているため比較的研磨や塗装がしやすいです。

PolyJet3Dプリンターの見た目

PolyJet3Dプリンターは、上記2つよりも最も積層跡が目立ちにくく仕上がりがきれいです。UV硬化性樹脂をインクジェットのように噴霧するため、積層跡がほぼ目立ちません。しかし造形後はマットな仕上がりになっているので、より光沢や見た目を向上させたい場合には研磨が必要です。

レーザー焼結3Dプリンターの見た目

レーザー焼結3Dプリンターはサポート材が付かない分、サポート跡が目立ちにくいですが、粉末を焼き固めているため、仕上がりがざらざらしています。こちらも仕上がり感を向上させたい場合には、研磨が必要です。

サポート材の問題

見た目の部分の課題と重なりますが、3Dプリンターはサポート材がついてしまうので、その処理や跡が残るという課題があります。造形方式ごとにサポート材の付き方は異なります。

FDM 3Dプリンターのサポート材の問題

FDM 3Dプリンターのサポート材はノズルが1本の場合には、造形材料をそのままサポート材として使用します。3Dプリンターの種類によってことなりますが、30万円以上の機種は比較的取り外しやすいです。

一方、ノズルが2本でサポート専用材料を使用する場合には、取り外しはしやすいです。水溶性や溶剤で溶けるタイプや簡単に手で撮れるタイプがあります。

ただし、サポート専用材料は対応している材料が限定されていたり、機種によって安定性が異なります。

光造形3Dプリンターのサポート材の問題

光造形3Dプリンターは基本的に造形材料でサポート部分を形成します。そのためサポート材と造形モデルのタッチポイントによっては失敗したりする場合があります。

この調整は30万円以上の機種ではソフトウェアで自動でできるケースがあります。低価格版は調整が難しく、しっかりつけると取り外しにくい場合があります。

また設置面積が大きいと取り外した跡が残ったりえぐれてしまうので、研磨やパテ埋めが必要な場合があります。

PolyJet3Dプリンターのサポート材

PolyJet 3Dプリンターのサポート材は専用のサポート材料が付きます。また水や溶剤で簡単に落とすことができるため、跡なども残りません。

レーザー焼結3Dプリンターのサポート材

レーザー焼結3Dプリンターは粉末状の材料を積み重ねて造形していくためサポート材が必要ありません。

3Dプリンターの後処理の問題

3Dプリンターは造形後に後処理が必要な場合があります。後処理では溶剤などを使用する場合もあります。

3Dプリンターの時間の問題

3Dプリンターの課題の一つとして、造形時間があります。3Dプリンターはどの造形方式も0.1mmや場合によっては0.05mm0.025mmなどの非常に細かい層でつみあげるため、その分プリント時間がかかります。

3Dプリンターの造形速度は年々スピードアップしているのですが、まだ機種や造形物の大きさによっては時間がかかります。