3Dプリンター市場2014年のまとめ 今後の「ものづくり」の未来

2014年の3Dプリンター市場の総括

2014年度も残りわずかだが、今年は製造業やものづくりに関わる人々にとって、ひときわ大きな影響を与える年であった。とりわけ3Dプリンターという言葉に象徴される新たな製造技術の浸透は、さまざまな業界に影響を与え、ものづくりや製造業の在り方を根本から変えてしまう可能性を感じさせる年でもあった。

特許切れによる低価格版の登場は、多くの人々をものづくりの世界に関心を寄せるきっかけにもなったし、クラウド技術と連動する新たなものづくりの動きも登場している。一方、既存の3Dプリンターという概念を超える、カスタマイズ量産の可能性を感じさせる新たな開発も行われている状況だ。そうした意味では、2014年度は、3Dプリンターブームが巻き起こった2013年度よりも、はるかに重要な節目の年であったと言わざる負えない。

ここに、今年おきた3Dプリンター市場の動きを具体的事例とともに、再度ご紹介するとともに、来年2015年以降の動きを予測してみたい。本日は2014年度3Dプリンター市場の総括と、今後の動きをご紹介。

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特許切れで低価格3Dプリンターが続々登場

2014年度でまず挙げられるのは特許切れによる低価格版の登場だろう。昨年2013年には低価格版の3Dプリンターと言えばMakerbotかCube、Reprap程度であったが、今年は世界中でほぼ毎月新たな新機種がリリースされた。その多くが、既存の機種を遥かに超える低価格で、1台5万円程度まで値下がりしている状況と言える。

中には2万円や3万円程度の機種も登場し、もはやFDMや光造形の機種は、高額な試作用機器としての地位を脱しつつある。とりわけ注目されたのがオープンソースの光造形モデルで、高精細を実現しながら非常に手頃な価格で一躍人気を集めている状況だ。

こうした低価格版の多くはプロトタイプを公開し、クラウドファンディングで資金調達に乗り出すという状況でほぼすべての企業が新たに登場したスタートアップ企業。多くの機種が本格的に市場に登場するのが2015年以降であることから、実際の使ったユーザーの意見や評価は未知の領域と言えるだろう。冒頭で述べた既存メーカーであるMakerBotやCubeとの違いは、保守メンテナンスなどのアフターサービスの点が心配という点である。

この低価格版の3Dプリンター市場は、まさに市場勃興期にあり、登場する新興企業は玉石混合の状態と言えるだろう。市場での評価が定まり、悪銭が淘汰されるのはしばらく時間がかかりそうだ。ただし、この20年前の特許であるFDMと光造形による低価格版の浸透は今後も続き、数年後には1台数万円が当たり前になると言われている。

こうした低価格版の3Dプリンターは一般人が使用するには多くのハードルが残るため、製品開発に関わるプロダクトデザイナーや、新たにものづくりに参加する起業家、学校教育での導入がひときわ期待される。こうした点からすると、低価格タイプの3Dプリンターは、しばらくの間、従来の試作の域、プロトタイプ製造の範囲を超えることは無い。プロトタイプ製造や実習などでの利用でいえばこうした安価な低価格版よりも徐々に登場する多機能試作機の方が重宝するかもしれない。

試作という点に関して言えば3Dプリンター以外に、レーザーカッターやフライス盤、ミリングなどの切削加工なども必要な技術。徐々に3Dプリンターにこれらの機能を搭載した多機能試作機が登場しつつある。ものづくりの現場や教育現場での実習では、こうした多機能試作機が比較的重宝される可能性が高い。

一方で来年以降期待が集まるのがレーザー焼結法を用いた低価格3Dプリンターの開発だ。レーザー焼結法の特許が切れたのが今年の2月、これまで1台あたり数千万円以上もしていた機種が驚くべきほどの低価格で利用が可能になる。既にこの技術を用いた低価格モデルが登場して来ており、2015年以降、本格的な生産に期待が集まっている。レーザー焼結法の最大の特長は金属粉末からダイレクトに成形できることから、金属加工の分野で試作期間の圧倒的短縮などの期待が寄せられる。

一躍有名になった1台5万円から利用できる光造形3Dプリンター LittleDlper
特許切れで注目が集まるレーザー焼結法

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材料や素材の拡大

低価格3Dプリンターの普及と同時に拡大したのが材料や素材の開発だ。3Dプリンターの素材は大きく分類すると、樹脂、金属、セラミックなどだが、とりわけ大きな広がりを見せたのがFDM(熱溶解積層法)の材料であるフィラメント材料の拡大だ。

FDM用の3DプリントフィラメントはABSフィラメントPLAフィラメントが一般的な素材だが、さまざまな素材を配合できるプラスチックの特長を活かし、さまざまなフィラメントが登場している。例えばエンジニアリングプラスチックであるナイロンフィラメントポリカーボネートフィラメントもデスクトップで利用が進んでいる。また、プラスチックに銅粉末や真鍮粉末を配合することで金属の光沢をもつ造形物が作れるフィラメントや、木材フィラメントなど、低価格のFDMの幅を広げる開発が進んでいる。

こうした見た目の造形に特長を持たせることができるフィラメント以外に、特定の機能を付与する新たなフィラメント開発も進んでいる。とりわけ期待が集まるのが導電性を持つフィラメントの開発で、この導電性フィラメントは3Dプリンターで電子機器を試作する可能性を示すものとみていい。こうした3Dプリント材料の拡大も、製品開発の幅を格段に広げることにつながるだろう。

製品の種類にもよるため一概には言えないが、その製品の機能性を形状にあらわす際、素材の選択と製法は極めて重要な要素を占めるためだ。もちろん量産する暁には、製造方法との適合性や、コストなども大きく影響してくる。しかし、3Dプリンターで多くの素材バリエーションが増えることは形状確認以外の機能性を確認できるという点では非常に大きな意味を持つと言えるだろう。

FDM用のフィラメントはさまざまなバリエーションが登場

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3Dプリントサービスの拡大とサプライチェーンの変革

上記で述べたように、低価格なモデルをはじめ3Dプリンターが普及すればするほど打撃を受けるのが、物流業界や郵便事業だ。この部分でも2014年は動きが盛んであった年で、物流関連や郵便事業の3Dプリントサービスの拡大が大きく開始された年でもあった。既に2013年度から3Dプリントによるインターネット通販などが続々と登場していたが、単純なBtoCといったサービスの範囲を超える動きが登場している。

巨視的な視点でいうと、3Dプリンターが及ぼすサプライチェーンへの影響から参入を開始する企業が多いと言えるだろう。例えば、アメリカやイギリス、フランス、シンガポールといった諸国では既に郵便や物流事業に3Dプリンターを導入する動きが登場している。

一見、郵便と3Dプリントは何の結びつきもないように思えるが、これは将来3Dプリンターが普及したときに、これまで当たり前に利用されていた物流事業が大きく減少することを見越しての対応だ。

例えば、極端なたとえだが、日本から1個のパーツを製造して海外の組みたて工場に発送するよりも、3Dデータを送って現地で生産すればはるかにコストは安く済む。その企業にとっては非常なコスト削減効果だが、そのパーツの輸送分だけ、物流事業や郵便事業は仕事が減ることにつながるわけだ。

いわば物流会社や、郵便会社は、3Dプリンター事業に対応しなければ将来多くの利益を失うことになる。こうした背景から一見無関係と思われる3Dプリントサービスに進出していると言っていい。また、シンガポールが3Dプリンターの開発や導入に力を入れている理由も、このサプライチェーンの影響からくるものだ。シンガポールはアジアにおける物流の一大拠点であり、製造業の多くは組みたて工業で成立している。

3Dプリンターの普及でパーツの輸送が減れば減るほど、打撃を受けることになる。しかし、最新の3Dプリンターとその製造施設を完備し、高精度のプリントを行い、現地のローカルな拠点から企業にパーツを届けることができれば、新たな物流拠点としての地位を築くことができるのだ。シンガポールはそうした観点から全郵便局の店舗に3Dプリンターを配備する計画を実行している。これは何もシンガポールに限ったことではない。

少なからず国の機関産業の一部が製造業で成り立っている国には共通で言えることだ。既にこうした3Dプリンターの影響を予測し製品のスペアパーツやパーツ専門を管理、販売するプリントサービスも登場してきている。3Dプリンターは、サプライチェーンだけではなく、製造業の在り方すらも変えようとしている。

全店舗に3Dプリンター設置を計画するシンガポールポスト

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クラウドファクトリーとローカル製造の台頭

こうした3Dプリンターのサプライチェーンの影響と、製造業への影響は新たな形態の企業を生み出している。上記で述べた通り、設計データに依存する3Dプリンターは、製造のローカル化をもたらすことにつながる。3Dプリンターを配備すれば、わざわざ工場を安価な人件費を求めて海外移転する必要もなく、余分な物流コストをかけることもなく、どんな場所でも製造、組み立てることができる。

こうした3Dプリンターの能力を最大限生かした新たな形のメーカーが登場している。以前もたびたびご紹介したが、そうした動きをとる代表的な企業と言えばGEとローカルモーターズがあげられるだろう。

GEは言うまでもなく世界最大のコングロマリットの一つだが、同時に20年以上も前から3Dプリント技術に精通する企業ともいえる。既にこのローカルな3Dプリンターの特性と、データによるグローバルな特性を生かした製品開発を開始している。例えば、自社のジェットエンジンのパーツを改良するため巨大な設計コミュニティであるGrabCADと提携し自社製品の開発を行なっている状況だ。

方法は至ってシンプル。GrabCADに自社の設計データを公開、GrabCADに集まる世界中のエンジニアたちがその設計図を基に製品を改良、GEはその中から優秀で優れたアイデアを選定し、自社の製品を改良するという仕組みだ。製造はこのGrabCADのコミュニティで得た3Dデータから、自社の3Dプリント工場で製造するという方法になる。この方法では、なんと56ヵ国700以上もの製品データが集まったとのことで、グローバルとローカルを両立させた最大の事例とみていい。

一方、ローカルモーターズはこの仕組みに依存する新たな形のメーカーと言える。ローカルモーターズも自動車のCADデータを共有する巨大なコミュニティを保持しており、そこで選出された優秀な自動車のデザインをもとに、巨大3Dプリンターで製造。今年9月に行われたカナダで行われた国際製造技術展では、自社のブースで巨大3Dプリンターを展示、展示会開催期間中のわずか44時間で1台の電気自動車を3Dプリントし、走行するところまで披露した。

ローカルモーターズの計画では世界100ヵ国に巨大3Dプリンターを配備した製造拠点を設け、インターネットでさまざまにカスタマイズされた電気自動車を販売、各地域でローカル製造するという計画だ。こうしたクラウドコミュニティとローカル製造の流れは、自動車製造だけではない。

このGEとローカルモーターズが提携して推し進める「FirstBuild」は家電製品のクラウドコミュニティだ。「FirstBuild」は単純なネット上のコミュニティだけではなく、実際のリアル世界でもデザイナーやエンジニア、起業家たちが3Dプリンターなどを利用し、設計や施策ができる広大な施設を開設している。

わずか44時間で作り上げたローカルモーターズの3Dプリント電気自動車

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カスタマイズ量産を可能にする高速3Dプリンターの開発

このようにインターネット通販の感覚で、カスタマイズされた製品を販売、消費者に近い地域で3Dプリントして納品、という流れが普及するに当たり、1点課題となる点が存在する。それは3Dプリンターの生産性である。今の一般的な概念では、3Dプリンターは1個1個カスタマイズされたものをオンデマンドで製造するものという考え方が通常だ。

製造方法や技術も、1個1個を作り上げることに適したものになっており、金型による大量生産とは異なり、生産性も極端に低い。しかし物流コストをなくしローカルな生産体制を確立するためには、生産性を抜きにして考えることはできない。例えば、インターネット上で消費者がカスタマイズされた製品を購入したとしても、生産が追い付かなければ意味がない。

こうしたことから、高速で生産することができる新たな機種の開発が進められている。一言でいうとカスタマイズしながら量産することができる機械で、もはや3Dプリンターという言葉が適切かどうかはわからないものまで登場している。前述のローカルモーターズもこの課題を克服するために、9月の展示会でもちいた巨大3Dプリンターの高速化を開始している。

将来的には現在の1000倍のスピードで生産できる機能まで高めるとのことだ。ちなみに現在の改良では44時間かかっていたものが24時間まで短縮されたとの報告もある。ローカルモーターズとは別にカスタマイズ量産を計画している企業も登場した。3Dプリンターメーカーの最大手3Dsystemsとインターネット検索大手のGoogleだ。この両者が開発する3Dプリンターはもはや完全なカスタマイズ量産を可能にするもの。

ベルトコンベア状に流れ作業で1個1個異なるパーツが製造されるというもの。もともとGoogleが提供するスマートフォンのカスタマイズサービスProjectAraのために開発されたものだが、その利用範囲はスマートフォンだけにとどまる物ではない。現在プロトタイプの動画が公開され、開発状況は着実に進んでいるが、本格的なこの機械の生産は2015年から開始される。

この機械が配備されることで、エンドユーザーに対するカスタマイズサービスはますます普及するだろう。とりわけ日本はじめ先進国ではありとあらゆるモノが溢れ、手に入らない物は無いぐらいだ。そうした時代では、人と異なる物自分だけのカスタマイズされたオリジナルなモノが好まれるようになる。まさにこれからの時代をつかさどる生産体制が実現かされようとしている。

3Dsystemsのベルトコンベアの高速3Dプリント

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3Dプリンターと製造技術に精通した人材育成と教育カリキュラム

こうした3Dプリント技術の普及拡大に伴って、最も必要となるのが人材である。生産効率をあげ、企業の競争力を強化してくれる機器を配備したとしても、それを自在に使いこなせる人材がいなければ意味がない。そうした点から言うと3Dプリンターと3Dデザイン、いわばデジタル設計と製造に精通した人材育成は急務と言える。

こちらもたびたびご紹介してきたが、今世界各国の教育機関で3Dプリンターと3Dデザインを正規のカリキュラムとして制定しようという動きが加速している。従来は3DデザインやCADは一部の専門学校や美大などで行われてきたが、この取組は中学校レベルから学ばせようという動きになっている。例えば最も普及が進んでいるのはイギリスだろう。

イギリスは、全中学、高校に3Dプリンターを導入する計画を実行に移しており、同時に学生向けの3Dプリント技術を提供する企業支援も行っている。また、こうした動きは政府レベルだけではない。例えば、3Dプリンターのメーカーで世界的企業のストラタシスは、自社で超実践的な3Dプリントカリキュラムを作り、教育機関が無料で入手できるような取組を行っている。カリキュラムを制定するとはいえ、そもそも教師たち自体が、この新たな製造技術を習得するところから始めなければならず、こうしたニーズにこたえるために行われている。

ストラタシスのこの3Dプリントカリキュラムは14週間にわたり基礎から学べるもので、知識と実践両方を習得することが可能なもの。中学校を対象にして作られており、中間テストや期末テストの設定まで行われているほどだ。また、企業の動きは3Dプリンターメーカーだけではない。3Dデザインソフトの最大手オートデスクは、こうした流れを受け、全世界の学生に3Dデザインソフトを無料開放する動きにでた。

オートデスクは言うまでもなく、3Dデザイン、CADソフトで世界的な企業だが、この無料開放では全世界6.8億人の学生を対象にするとのことだ。こうした人材育成が本格的に軌道にのるのも来年以降であり、2015年以降から3Dプリンターや3Dデザインソフトに精通する若者が年々増加することがうかがえる。

オートデスクは全学生に無料で3Dデザインソフトを開放

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誰でも使える3Dデザインソフトの開発

教育における3Dプリンターと3Dデザインソフトの普及は、中学レベルである程度実践的な技術を習得するものになっているが、さらにそれよりも早い段階から、慣れ親しむ開発が進んでいる。それが、より簡単な3Dデザインソフトの開発である。今の3Dデザインソフトの多くがそうだが、特定の操作方法や技術を習得しなければ使用することができない。

しかし、3Dプリンターの利用を普及させ、多くの人間のアイデアや発想をカタチにするためには、直観的に操作できるソフトウェアが必要だ。こうした状況から、各社が非常に簡単な3Dデザインソフトの開発に取り組んでいる。特にパソコンではなく、今後普及が拡大するタブレット端末でのアプリケーションがメインだ。

タッチパネルを簡単に操作するだけで思いのままにデザインでき、なおかつ3Dプリンターで作ることができることを目指していることがうかがえる。こうした開発は3Dデザインの最大手オートデスクも行っているし、3Dプリンターメーカーの3Dsystemsも誰でも使える3Dデザインソフトの開発に一大研究機関を開設したぐらいだ。

より多くの人が簡単に3Dデザインを使用できるようになることで、これまでモノを作るということに参加することができなかった多くの人材が参加できるようになるだろう。そこではアイデアをカタチにすることがこれまで以上に簡単になり、若くても優れたアイデアやデザインがあれば人に価値を与えるモノづくりを行なうことができるようになる。

しかし同時に言えることは、3Dプリンターと3Dデザインといったテクノロジーの民主化は、誰が行っても一定のクオリティを出すことができるため、同じようなモノや製品がますます増えることになる。そうなると、人の心を動かすことができるモノづくりとは、一体なんなのかということがますます重要になるだろう。

3Dデザインソフトはより直観的に簡単になる

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まとめ これからのものづくりにとって重要なこと

このような3Dプリンターを取り巻く概観から、今後の製品開発はどのような点が重要になるのだろうか。より多くのいろいろな人が手軽にものづくりの分野に参加することができるが、同時に、本当に売れるモノを作ることは難しくなるだろう。なぜならば誰でも一定の性能を持つ機械とソフトウェアを使用することができれば、差別化を出しにくくなるためだ。

また、個人や起業家以外の、既存のメーカーも製品開発を行なうのはますます難しくなる。確かに生産技術は進歩するが、それと同時に競合他社が参入する障壁が低くなるためだ。こうしたモノづくりの平均化が進む時代に合って、ますます重要になるのがデザインである。

とりわけデザインというと単なる側だけの問題と考える人も多いが、より厳密な言い方をすればコンセプトメイキングという高度な作業を伴うものだ。別の言い方をすればブランディングと言い換えてもいい。このデザインとコンセプトとは、本当に人が欲しがる、人が価値を感じてくれることを突き詰め、それを具現化することに他ならない。

極論をすれば、3Dデザインは単なる作業で、3Dプリンターは単なる道具としてしか意味をなさなくなるだろう。ものづくりにとって本当に重要なのは、もっとそれ以前の3Dデザインを開始する前の「何か」なのであって、その「何か」をカタチにする技術がデザインとコンセプトメイキングに他ならない。

教育分野で3Dデザインや3Dプリンターの技術を習得させることも時代性を考え見て必要だが、同時に、デザインとコンセプトメイキングも実地に学ばせることができれば、より社会にインパクトを与える製品開発ができ、本当の意味での「ものづくり」が登場するだろう。

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