Autodeskの元デザイナー、開発者が手掛ける直観的な3Dソフト
3Dプリンターの幅広い層への普及、とりわけ消費者レベルでの使用には3Dデザインソフトの簡素化が絶対条件だ。以前タブレット端末で3Dスケッチができるアプリをご紹介したが、本日ご紹介するUMakeはさらにデザインよりのスケッチが可能になる3Dソフトウェア。
このUMakeは現在ベータ版を発表しているが、その公開内容を見てみると、タブレット端末とスタイラスペンで、まるでノートにスケッチする感覚で3Dデザインを直観的に描くことができる。このアプリケーションを使用すれば、高い専門技術が求められる3DCADソフトを使わなくても、ラフスケッチレベルであれば3D化が可能だ。
本日は元Autodeskの社員が開発する新たな3DデザインソフトUMakeをご紹介。
タブレット端末に最適化された3Dデザインソフトの開発
この直観的な3DデザインソフトUMakeを開発したのは、3Dデザインソフトで有名なAutodeskの3名の元デザイナー。現在このUMakeはβテスト中だが、このソフトウェアの最大の目的は、これからコンピューターデバイスの中心になるであろうタブレット端末における、強力な3Dデザインソフトウエアとしての地位の確立だ。
タブレット端末は、現在急速に市場拡大しつつあり、既にウィンドウズでも登場しているように、次世代のノートパソコンに取って代わるデバイスとして注目されている。
このUMakeはまさに、タブレット端末での3Dデザインの利用に最大限最適化されたものなのだ。ご存じのようにタブレット端末の最大の特徴は、タッチパネルによる直観的な操作。そのためタブレットでのアプリケーションはより直観的なユーザーインターフェースが必要になる。
UMakeが今回公開したベータ版の目的は、数多くのユーザーに実際に使用してもらうことで、より多くの人からフィードバックをもらい、更なるユーザーインターフェースの改善につなげることだ。下記はCADソフトとUMakeの操作性を比べた動画。
UMake動画
将来のデザイナーやメーカーに役立つソフトウェア開発
ちなみにUMakeを開発する3名はかつてAutoCADのモバイルアプリケーションの開発と運営を手掛けたメンバー。
CEOのエヴィ・マイヤー氏は、AutoCADモバイルプロジェクトの設計と製品マネージャー、CTOのエリック氏は、AutoCADモバイルプロジェクトのチームリーダーでフトウェア開発の第一人者だ。最後のメンバー、チェーン氏もAutoCADモバイルプロジェクトのシニアソフトウェアエンジニアとのこと。
いわば、このUMakeは、3DCADソフトとモバイルインターフェースに最も精通するメンバーが開発するソフトウェアだと言える。こうした経験をもとに開発されたUMakeは、現状のマウスやカーソルで操作するパソコン用のソフトウェアよりも、より将来のデザイナーとメーカーに役立つデザインソフトになることを目指している。
まとめ いかに図面化に結び付けるかが課題
公開されたベータ版の動画では、スタイラスペンによるスケッチが立体的に直観的にできる様が公開されている。隣に映し出されているのは、従来からの3DCADソフトでの操作だ。この比較動画だが、操作性という観点のみであれば、手書きの方が早いのは明確だ。しかし現実のプロダクトデザインの世界において正確な図面を引かないということはありえない。
しかし、現状の公開状況ではラフスケッチの3Dができるというレベルで、図面としての機能はなさそうだ。そのため、実際のデザイナーやメーカーに使用してもらうためには、手書きのラフスケッチをいかに実際の図面に落とし込めるかがポイントになる。
もちろん、3Dで直観的にラフスケッチができるという点でもすごい進歩だが、UMakeの目的とするところが、未来のデザイナーやメーカーに役立つ3Dデザインソフトということから、実用化にむけて解決しなければならない課題が多く存在しそうだ。今各社が、直観的でより使いやすい3Dデザインソフトの実用化にむけて開発を行なっている。
近い将来には3Dデザインソフトは誰でも使える技術になるのかもしれない。
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