低価格で超高品質と実用性を実現。完全プロレベルの光造形3Dプリンター Titan 2

By | 2016年6月10日
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着実に進化を遂げる低価格の光造形3Dプリンター

3Dプリンターの本質的な価値は、進化の途上である現在においても基本的に変わっていない。高価格なハイエンドタイプの3Dプリンターは、デジタルデータからの最終品の製造を、低価格モデルは形状確認レベルのモックアップレベルを、といった具合にものづくりの現場における使用シーンは基本的には変わっていない状況だ。

特に低価格モデルにおいては、特許が失効したからといっても、その多くがオリジナルのハイエンドモデルに比べて、性能面において劣ると言わざるをえない。

おそらく、多くの人が期待しているように、手軽に低価格ながらも、高性能で最終品レベルの造形が、高速で生産できるといった夢のようなレベルが実現されるにはまだまだ時間がかかるだろう。そのため現実的な製造現場における使用シーンでは、低価格な機種と高価格なハイエンドモデルを、用途に応じて使い分けることが必要である。

しかしそのような状況の中においても、低価格の3Dプリンターは少しずつ進化を遂げつつある。特に素材と機械としての安定性という二つの側面では、着実に進化してきている。

とりわけFDM 熱溶解積層法の3Dプリンターに関しては、さまざまな熱可塑性樹脂が登場するなど機械としての価値が少しずつ変わりつつあるが、その一方で、光造形法も独自の進化と発展を遂げつつあるようだ。

本日は、素材と安定性、両方の側面から進化を遂げ、これまでラピッドプロトタイピングにしか使用することができなかった低価格の光造形3Dプリンターを変える、新たな機種Titan 2についてご紹介しよう。

低価格 光造形 3Dプリンター titan2

低価格と超高品質を実現、さらに実用性も備えた完全プロモデル

Titan 2(タイタン2)は、2年前にキックスターターで資金調達に成功し、優れた解像度とそのスピードから一躍拡大したTitan 1の後継機になる。ちなみにTitan1は、アメリカカリフォルニアに本拠を持つKudo3D社が開発したDLP方式の光造形3Dプリンターで、製造業から個人まであらゆる業界で幅広く使用されている。

代表的な導入先としては、アメリカ空軍やNASAに始まり、モトローラ、インテルといったハイテク企業、さらにはオークリッジ国立研究所や、MIT、イェール大学、韓国ソウル大学校、シンガポール国立大学、台湾国立成功大学など、企業だけではなく大学、研究機関など、業界問わず幅広く使用されている。

またクラウドファンディングのキックスターターで登場した際、なんとたった2分で目標金額を達成し、37万ドルも調達に成功したほどの人気を誇る機種である。その秘密はなんといっても、低価格でありながら圧倒的な高精細を誇るという機能が挙げられるだろう。

今回登場したTitan 2も、前回のTitan 1の高解像度を引き継ぎながらも、より実用性の高いプロフェッショナル仕様となって登場している。

低価格 光造形 3Dプリンター titan2

2年前、圧倒的人気を誇ったtitan1の後継機がさらにパワーアップして登場。

髪の毛よりも細い、超高解像度を実現

Titan 2は、Titan 1と同様、最大XY軸解像度37μm、最小積層ピッチ5μmの高解像度を誇っている。もともと光造形3Dプリンターは高精細が実現できるのが特長ではあるが、Titan 2は髪の毛よりも細かい精度を実現できる。下記の、Titan 2の高解像を示す写真だが、45ミクロンのワイヤーは、Titan 2で積層されたものだ。

この高解像度は、低価格な光造形3Dプリンターでは再現不可能であり、比較的ハイエンドに近い性能を実現していると言えるだろう。光造形の3Dプリンターは他の製法に比べて高精細が売りだが、Titan 2はその中でも特に高解像にこだわった機種だといえる。

低価格 光造形 3Dプリンター titan2

髪の毛よりも細い、超高解像を実現。

特許出願中の受動自己剥離技術(PSP)で高速、滑らかな仕上がり

光造形法は、3Dプリンターの製法でもある積層造形のなかでも、当初から用いられている方法だ。液体状の光硬化性樹脂をいれた容器に紫外線のレーザーを照射することで、一層ずつ硬化して、積み上げていく。

一つの層がかたまると次の層を形成するという仕組みだ。Titan 2ではこの積層する仕組みにも新たな技術を導入し、より高速で滑らかな仕上がりを実現している。それが受動自己剥離技術(PSP)と呼ばれるもので、硬化された積層とレジンの間の分離力をさらに低下させることで、積層造形のスピードを向上させ、滑らかな一体成形に近い造形を可能にしている。

受動自己剥離技術(PSP)動画

低価格 光造形 3Dプリンター titan2

低価格の光造形モデルでは異色の高解像を誇る。

50ミクロンの自動校正とメンテ不要の安定性を実現

低価格3Dプリンターにとって、ハイエンドモデルとは異なる課題が、プリントの安定性とメンテナンスの問題である。3Dプリンターはいかに低価格になってきているとは言え、あくまでも製造マシーンであることには変わりがない。そのため基本的に故障や不具合が少ないということが望ましい。

Titan 2は、この製造マシーンとしての安定性の部分でも性能向上を目指している。基本的に一度購入すればメンテナンスは不要、10年間は使用できる機能を有しており、一般的な低価格モデルの不具合の多さからは開放されている機種だ。

また、本体を電源につなげばそのまま使用できる仕組みになっており、XY 軸解像度を50μm で事前に校正されている。このTitan 2の、使いやすさ、機械としての安定性へのこだわりは随所に見られ、プリント時以外は、不要な露光や汚れ、ホコリなどからレンズを保護するため、シャッターで保護される仕組みになっている。

低価格 光造形 3Dプリンター titan2

50ミクロンの精度で自動校正が行われる。徹底してユーザーが使いやすい設計にこだわった。

低価格 光造形 3Dプリンター titan2

医療モデルなどでも使用される。

WiFi接続でPC不要でコントロール可能

Titan 2はソフトウェアでのコントロールの部分も大幅に使いやすさが向上している。従来はPCからのコントロールであったが、今回はWiFi接続が搭載され、スマートフォンやタブレット端末からの制御が可能。

低価格 光造形 3Dプリンター titan2

接続ソフトウェアも大幅アップデート。スマートフォンやタブレット端末からもWiFIで操作可能。

Titan 2のスペック

  • 価格:USD$3,488(約380,000円) 早割(6月7日~20日):USD$3,288(約350,000円) 予約開始時期 2016年6月7日(日本時間)、出荷予定は7月
  • 本体サイズ:41cm×35cm×85cm (奥行×幅×高さ)
  • 重量:13.5 kg
  • 印刷方式:DLP方式光造形
  • XY軸解像度:37μm~100μm
  • 最小積層ピッチ:5μm
  • 最大造形サイズ:19.2cm×10.8cm×25.0cm (奥行×幅×高さ)
  • 最大印刷速度:6.86cm/時間
  • 対応材料:UVレジン
  • 対応OS:Windows, Mac, Linux
  • スターターパッケージの付属品:Kudo3D製レジン容器(vat)2個(ソフトシリコンとハードシリコン)、 ビルドプラットフォーム2個(大型と小型)、3DM社製ABS樹脂(1㎏)、スターターキット
  • カバー色オプション:エメラルド、ルビー

ABS樹脂に近い強度、耐久性を再現した3DM-ABSで実用品を

Titan 2のより実用的なマシーンとしてのこだわりは、デバイス本体だけではない。

それは使用できる材料の面でも現れている。光造形3Dプリンター用の樹脂は、基本的にエポキシ樹脂やアクリル樹脂をベースに開発されているが、一般的なエポキシベースの樹脂は、長時間の使用で劣化するケースが多く、アクリル樹脂ベースの樹脂は柔軟性がなく曲げると折れてしまうというケースが多い。

つまり、FDM、熱溶解積層法が熱可塑性樹脂を使うことで、実用的なパーツや最終品レベルの物体を造形できるのに比べ、光造形はあくまでも高精細なモックアップレベルに留まるということが挙げられる。

しかし、Titan 2では、ABS樹脂に近い強度、耐久性を再現した3DM-ABSを使用することが可能で、より実用性の高いパーツ製造が可能になるのだ。

3DM-ABSは、ABS樹脂の素材がはいっているわけではなく、擬似的にABS樹脂の性能に近づけている素材で、具体的には、これまで光造形の樹脂にはなかった性能、熱収縮率が低く、耐衝撃性、耐薬品性及び、機械的強度に優れた性能を発揮することが可能。

既に、ユーザーの中には、この3DM-ABSを使用することで機能性プロトタイプや簡単な治具・工具を作っているケースや、半透明の素材という点から、医学研究用のチューブとして使われているケースも存在する。

これにより、光造形の高精細と実用的な強度・耐久性が備わったオブジェクトの造形が可能になり、光造形3Dプリンターの新たな扉を開けることとなるだろう。ちなみにTitan 2では他社の材料を使用することも可能だ。

低価格 光造形 3Dプリンター titan2

ABSの機能に近い性能を再現した3DM-ABS。強度や耐久性の強さで、機能性パーツの造形も可能に

3DM-ABSのスペック

  • プライヤー: 3D-Materials
  • 造形解像度(XY):50〜100ミクロン
  • 用途:航空宇宙工業、建築、美術、自動車、電子業界や、おもちゃ、金型製作、機械の組立てに適した性能を発揮する。
  • 容量:1kg
  • 価格:$135.00

まとめ 徹底したユーザー目線で高機能・安定性を実現

Titan 2は、これまでの低価格な3Dプリンターとは違い、よりユーザーニーズを汲み取った実用的な機種だと言えるだろう。また、低価格ながらもハイエンドモデル並みの高精細と、故障やメンテナンスがない安定性を実現している。

さらにはABS樹脂レベルの強度や耐久性を持つ光造形用樹脂に対応することで、ラピッドプロトタイピングの範疇を越える新たな使い方を光造形にもたらしつつある。

低価格3Dプリンターは製法特許の失効によって続々と登場しつつあるが、真にユーザーニーズにマッチした機種というものはなかなか少ないのが現状である。解像度や高精細、高速化を追求する機種は幾つか登場してきているが、今後の低価格3Dプリンターに求められる部分は、以下の3点に集約されるだろう。

第一が価格と性能のバランスである。高精細や高速という点を追求しつつも、ある程度手頃な使いやすい価格が重要である。テクノロジーの進歩はめざましく、このバランスが最も重要になるだろう。

そして第二のポイントが素材である。性能が向上すると同時に、実際に求められるのが、最終品や機能性が発揮することができる素材にどれだけ対応可能かという点が重要になる。この素材の部分が担保されなければ、低価格3Dプリンターは普及したとしてもこれまでどおりのモックアップの領域を出ることはできない。

そして最後の第三のポイントが、以外に目が行かない部分ではあるが、製造機械としての安定性である。いくら高性能でも故障や不具合が多かったら意味がない。

また、本当にものづくりの民主化をもたらすことが、3Dプリンターの一つの目的であるならば、極端な表現を使用すれば誰でも簡単に使えるインターフェースや、壊れない安定性はもっとも重要だろう。そうした点からも、Titan 2は、数ある群がり起こってきた新興メーカーの中では、この3点を満たす良質な製品開発に取り組んでいると思われる。

おそらくその背景には、徹底したユーザー目線の製品開発が根ざしていると言えるのだろう。

アメリカのカリフォルニアと台湾を拠点に活動していますが、日本語サイトを持ち、日本での販売も積極的に展開しています。

Kudo3D

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