シンガポールはアジア初の3Dプリント電気自動車の製造に成功

シンガポールの南洋理工大学(NTU)が製造

3Dプリンターの自動車製造の利用が盛んになりつつある。この分野で最も代表的な企業といえば、まずはじめにローカルモーターズの名前をあげることができるだろう。昨年10月には、わずか44時間で電気自動車の3Dプリントに成功し、今年にはショールーム付きの3Dプリント製造販売を行う販売拠点の開設を予定している。

また、3Dプリンターで自動車のカスタマイズ製造を行う企業はローカルモーターズだけではない。ドイツの電気自動車メーカーStreetScooterは、物流会社などの要望を受け、コンパクトな宅配用電気自動車のカスタムメイドを3Dプリンターで行っている。StreetScooterのラインナップは今や50種類以上に上り、12ヶ月かけて完全受注生産を行っている。またパーツの改良や試作では既にフォードなどが盛んに利用を開始しているが、今回あらたにシンガポールの南洋理工大学(NTU)がソーラー電気自動車の3Dプリントの利用を公開した。

今多くの分野で3Dプリンターの利用が拡大しているが自動車製造は今後も多くの利用方法が拡大しそうだ。

シンガポールの南洋理工大学が作った3Dプリント電気自動車

カーボンファイバーボディの3Dプリントボディ

シンガポールはかねてから3Dプリンターの開発と利用に積極的な国の一つ。世界中のパーツが集積し、組立加工が中心の産業であることから、3Dプリンターが及ぼすサプライチェーンの影響を予測し積極的に導入を行っている。そんなシンガポールの3Dプリンター産業の中心的存在とも言えるのが南洋理工大学(通称NTU)だ。

今回南洋理工大学が発表した3Dプリンターの利用は、ソーラー電気自動車のボディ。今年のシェルエコマラソンに出場予定のソーラー電気自動車で、南洋理工大学内のベンチャー、ベンチャー8が開発したもの。

このソーラー電気自動車はシリコン太陽電池を搭載する電気自動車で、ボディはカーボンファイバーの3Dプリントで作られている。このコンセプトカーは学生が中心に設計を行ったもので、設計から約1年で完成までこぎつけている。また、3Dプリンターが使用されたのはボディフレームだけではなく、内部空間の軽量化と、ドライバーへの最適化のためにもキャビン構築に使用されている。

ソーラーカーや電気自動車はボディを軽量化することで速度や燃費を向上することが必要になることから、3Dプリンターでしか作ることができない構造や、素材に炭素繊維を使用することは大きな利用価値があるとされる。ちなみにこのNTUベンチャーが作った3Dプリントソーラー電気自動車は、最高で時速60キロまでだすことが可能だ。

南洋理工大学によれば、このソーラー電気自動車はアジア初の3Dプリント電気自動車になる。

3Dプリントソーラー電気自動車動画

ボディは炭素繊維の3Dプリント
内部も軽量化とドライバーの体格に最適化

まとめ 軽量化とドライバーの最適化

3Dプリンターの自動車製造への利用は、主に電気自動車やソーラー電気自動車の利用で盛んだ。この南洋理工大学のベンチャーが製造したソーラー電気自動車のように、軽量化と、ドライバーへの最適化と言う二つの部分で3Dプリンターのカスタマイズ性を発揮する。今回はコンセプトカーとしての成功であり実際に商用利用されるのはまだ先になるだろうが、都市ソーラー自動車の将来の形を示しているといえるだろう。南洋理工大学の3Dプリント自動車の成功はアジア初として、ローカルモーターズやドイツのStreetScooterに続く新たな時代を切り開く取り組みだ。

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