紙にプリントできるキーボード 印刷とエレクトロニクスを融合させるNovalia

紙にプリントできるキーボード開発

イギリスのケンブリッジにある企業Novalia社は「印刷技術とエレクトロニクスを融合させること」をビジョンに掲げる革新的な企業だ。電子回路基板とソフトウェアエンジニアを抱えるクリエイティブな製品開発を行う企業で、いわば紙上の電子機器の製品の研究開発を行っている。

過去にはたたくと音が出るドラムポスターや、変わった配電盤などを製品化している企業だ。今回新たに発表されたのは、紙にプリントできるキーボード。この新しいキーボードは写真用紙に導電性インクで印刷することができ、Bluetooth経由で動作するというものだ。これは従来のキーボードやその他の電子機器のように、デバイスの背後にある基板機構を使用する必要が無い技術とのことだ。

驚きなのはわずか30グラムの重さで、さらに0.005ミリまで薄くすることができるという。目下最薄の研究開発にとりくんでいるとのことで、完成した暁には標準のプリンターで毎分100メートルまで印刷することができるようになる。A4サイズの紙がキーボードとして完全に使用することができるというわけだ。しかも価格は従来のキーボードのように部品や基板等を使用していないため、わずか10ドル程度で提供することが可能だ。

プリント可能なキーボード

まとめ –変わる電子機器の形状-

Novalia社は今までなかったプリントエレクトロニクス分野におけるリーディングカンパニーだ。この革新的な企業を設立したのはケイト·ストーン博士。2006年に設立され、イギリスのケンブリッジに拠点を置いて活動している。

主なスタッフはわずか7名で、電子機器、ソフトウェア開発、ワイヤレス技術、物理学、印刷インク製造、グラフィックデザインの分野において高いスキルと専門知識を持っているスタッフたち。このキーボードが完成した暁には電子機器の世界が一つ変わりそうである。既にiPadなどのタブレット端末の普及が加速することが期待されている中、タブレット端末を従来のパソコンのように使いたいという要望も出てきている。

例えばWindows8のノートパソコンはタッチパネルで操作可能なタブレット端末としての機能も付与されており、使い方に応じてキーボードの取り外しが可能だ。このようにタブレット端末がどんどん普及してくる中、キーボードの形状や用途ももっと変化していくようになっている。現在のタブレット用のキーボードは小型の取り外し可能な形状だが、それがNovalia社が開発するように紙上であれば、より荷物が少なくてすむ。

また、こうした折り曲げ可能な電子機器の開発はキーボードだけではなくその他の製品でも目下開発が行われている最中だ。例えば新素材と言われるグラフェンなどもそのうちの一つ。高い導電性を持ちながら、折り曲げ可能な素材として今後のエレクトロニクス製品を変える革新素材として各国が研究開発に取り組んでいるところだ。時代とともに変化する私たちの身の回りのものだが、Novalia社の取組はその一典型として非常に興味深い。

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