小学生でも簡単に複雑な3DデザインができるiPad専用アプリMaker`s Empire

3Dソフトの無料化と拡大

続々と低価格3Dプリンターが登場しつつある中、3Dプリントするための3Dデータも、簡単なソフトウェアやアプリケーションが登場してきている。

そのほとんどがフリーソフトウェアだが、使い勝手はさまざま。無料で簡単であるとはいえ、3Dデータを一から作るとなると結構大変で、操作にも慣れる必要があり、かなりの根気を要する作業だ。

おそらくもっと簡単に3Dプリントしてみたいという人は多いのではないだろうか。そんな中、新たにタブレット専用の超簡単な3Dデザインのアプリケーションが登場した。

本日はオーストラリアの3Dアプリ「Maker`s Empire」をご紹介。

60歳の初心者でも簡単に操作できる3Dデザインアプリ

Maker`s Empireは、6月3日から5日で開催される教育とテクノロジーの祭典EduTECHオーストラリアで、その3Dデザインアプリを公開した。

Maker`s Empireの目的は専門的な知識を必要とする3DCADの世界から、細かい設計作業を抜いて、誰でも簡単に3Dデザインを作れるようにすることだ。

このアプリケーションを使用することで、3Dデザインの経験がない人々でも、単純な形状を組み立てることによって、複雑なオブジェクトを設計することができる。

Maker`s Empire の3Dデザイン画面

60歳の女性が簡単に操作するのをテストした動画

誰でも簡単に扱えるアプリだが、このアプリ開発にあたっての狙いはどのようなものなのだろうか。Maker`s EmpireのCEO Jon Soong氏は下記のように述べている。

「3Dデータを作ることはそう簡単ではありませんでした。私たちのクールで使いやすいタブレットアプリは、3Dプリントを可能にします。3Dデータの作成と3Dプリントはこれまで技術者や、建築家など専門的な技術の知識を持った人々に限られていましたが、初心者をはじめ、すべての人々が利用することが可能になりました。」

まさに幅広い人々に3Dデータと3Dプリント技術を普及させることが狙いだ。

3Dプリント技術の学校教育カリキュラムへの導入

今回Maker`s Empireが発表したアプリケーションは小学校などに向けた3D教育カリキュラムでもその効果を発揮している。

今年の3月から4月にかけて、試験的に小学校でのパイロットプログラムを実行し、地元の3Dプリントサービスと提携することで、3Dプリント教育の導入実践を行っている状況だ。

またMaker`s Empireのアプリケーションとそれに伴う3Dプリントカリキュラムは、オーストラリア国立カリキュラムに適合したもので、これから小学校への導入を拡大していく。今回のEduTECHでのリリースも5000名の教育関係者を対象に行われたもので、今後の普及を図っていくことが狙いだ。

小学校でのプログラム実施動画

小学生でも簡単に扱える

まとめ ‐教育での3Dプリント技術が急速に拡大する可能性‐

Maker`s Empireの目的は広く、誰でも3Dデザインと3Dプリンターを利用できるようにすることだが、とりわけ対象となるのが教育の現場だろう。

既に教育機関への3Dプリント技術の導入は各国が実施を開始しているが、それでも高等学校、中学校レベルまでだ。しかしMaker`s Empireのアプリであれば小学校低学年からもおもちゃ感覚で3Dデザインと3Dプリンターに慣れ親しむことができる。

Maker`s Empireの最高技術責任者、ローランド氏も、「Maker`s Empireアプリは、教育の世界に3Dプリント技術を急速に拡大することができる。将来のデジタル時代には欠かすことのできない人材を育てる有効な手段になる」と語っている。

従来登場している無料の3Dソフトウェアとは異なり、直観的にパーツを組み合わせるということからより幅広い層への普及が拡大しそうだ。

既にアメリカやイギリス、日本などでは学校への3Dプリンターの導入とカリキュラム策定が計画されているが、より一層広がりそうだ。

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