3Dプリンターで生徒の学習意欲と興味を喚起するMakerBotのピラミッドプリント

3Dプリンターを生徒の学習意欲を高める教材して使用

MakerBotはその企業理念やCEOプリベディス氏の経歴が示す通り、アメリカの全ての学校に対して3Dプリンターを導入することが目的だ。

そうした企業活動の一貫としてさまざまな取り組みを行っているが、とりわけ中心となる活動がMakerBotアカデミーだ。

MakerBotアカデミーは以前にもご紹介させていただいたが、学校に3Dプリンターを導入するための資金調達としてクラウドファンディングとタイアップしたり、3Dプリントチャレンジプロジェクトなどを行っている。

今回ご紹介するのは歴史の授業に3Dプリンターを活用することで生徒の学習意欲や興味を喚起するユニークな取組だ。今回おこなわれたのは古代エジプトの大ピラミッド、ギザの大ピラミッドを3Dプリントし、内部の構造などを学習してもらうといったもの。

ギザの大ピラミッドは古代エジプトで有名なクフ王のピラミッド。ギザの三大ピラミッドの一つで、世界七不思議で唯一現存するピラミッドだ。

MakerBotはこのクフ王のピラミッドを単純に3Dプリントできるようにするだけではなく、授業用のコンテンツパックを提供している。 ないようはピラミッドに関する授業計画とエンジニアリング、設計、施工などのプロセスを含むもの。

CEOのプリベディス氏はこの教育コンテンツの発表に際して以下のように述べている。

「このコンテンツでは生徒たちが自分たちの手でギザの大ピラミッドに接することができるし、歴史の一部を保存することができる。また歴史的に正確な3Dモデルを再現することで、生徒たちの学習プロセスを刺激することもできる。 生徒たちはエジプトに行かなくてもこのモデルで、ピラミッドの内部構造などをしることができます。MakerBotのReplicator 3Dプリンターを教室で使用するが教育に変革をもたらします」

まさに元教師であったCEOのプリベディス氏ならではの取組と言えるだろう。ちなみにこのクフ王のピラミッドのデータはMakerBotが提供する3DデータのダウンロードサイトThingiverseでダウンロード可能。

クフ王のピラミッドデータ

まとめ -すべての学校に3Dプリンターが置かれる時代-

今あらゆるデジタル機器が普及するとともに、教育の現場も変わってきている。次世代の社会に対応する人材を育てる必要があるからだ。スマートフォンやタブレット端末の普及が進むにしたがって、小学校などにも普及し、教材もアプリケーションとして使用されている。

おなじように3Dプリンターも小中学校に対して必要な教材、授業として浸透することになるだろう。既に大学や専門学校などでの導入は行われているが、小中学校に対して導入し、教育カリキュラムに取り入れようとする動きも出てきている。

日本でも経済産業省が2015年から中学校と高校に対して3Dプリンターの普及を推進する予算編成を行っている。こうした教育現場への3Dプリンターの浸透は、一つには将来のデジタルマニュファクチャリングに対応するための人材育成を目的にしている。

今後大規模な生産設備をもつメーカーでは大量の3Dプリンターが配備され、3Dプリンターが生産機器としての役割を担うようになるが、それを使いこなす人材の確保が必要だからだ。

一定のレベルの技術や能力を人間に身に着けさせるには、所定の教育課程が必要で、そのために教育カリキュラムに3Dプリンターを組み込む必要が出てくるためだ。

また、第二は3Dプリンターとデジタル技術を早いうちから身に着けさせ、生徒たちの興味関心を刺激し将来の選択の幅を広げるという狙いもある。教育システムも時代の流れとともにより実用的でこれからの社会に必要な能力を身に着けさせることが必須になってくる。

MakerBotの教育に関する取組はこちらをどうぞ

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