ローカル・モーターズとMakerBotによる完全な3Dプリントカープロジェクト

MakerBotのCEOが取締役会に参加

アメリカで今新たな自動車設計のプロジェクトが進行している。推し進めるのは自動車デザインのオープンソースコミュニティを手掛けるローカル・モーターズと、デスクトップ3Dプリンターでトップを走る3DプリンターメーカーMakerBotだ。

ローカル・モーターズは以前にもご紹介させていただいが、自動車に関わるデザイナー、エンジニア、加工業者などが、多数集まり、オンライン上でプロジェクトに参加するオープンコミュニティ―。

参加しているデザイナーやエンジニアたちは約3600名近くいて、4900個近いデザインがサイト上で公開されている。

最近ではアメリカの国立研究機関、オークリッジ国立研究所などとも提携し、エネルギー消費・温室効果ガス排出力を削減するクリーンな車両の共同開発プロジェクトなどにも取り組んでいる。

そんな新たな時代の自動車開発を牽引するローカル・モーターズだが、今度はデスクトップ3Dプリンターの雄MakerBotと共同で3Dプリントカーの製作に取り組み始めている。

プロジェクトにあたっては、ローカル・モーターズの取締役にMakerBotのCEOブリーペティス氏が選出されている。

3Dプリント技術は最近では最終品の製造に利用も開始されており、今回のローカル・モーターズの取組以外に、自動車製造にも世界初となる3DプリントカーUrbeeなどのプロジェクトが行われている。

自動車を完全に3Dプリントで製造する計画

それでは具体的にMakerBotとローカル・モーターズはどのようなプロジェクトを開始したのであろうか。

ローカル・モーターズが発表したところによると、2014年度中に完全に3Dプリントされた自動車を製造するということだ。既にMakerBotの3Dプリンターを使用し、ラリーファイター車をのための16個のレプリカを3Dプリントしサイドミラーのパーツを3Dプリントしている。このプロジェクトにあたりMakerBotのCEOブリーペティス氏は下記の通りに語っている。

ローカル・モーターズは自動車製造を供給側の主導生産から、消費者の選択肢が反映され仕組みに変化させている。コミュニティにより、複雑な機械の開発生産に民主化をもたらすものだ。

私は最初のコミュニティが製造したラリーファイターを見た瞬間から、ラリーファイターが欲しかった。この車両には本当に多くの群集のパワーが詰まっている。(筆者意訳)

ローカル・モーターズ ラリーファイター

まとめ

ローカル・モーターズの取組は従来の自動車製造とは全く異なる方法でとられていることがわかる。

通常の自動車会社と違い、オープンソースとコミュニティにベースを置いているため、不特定多数の人間の意見が組み合わさって製品が設計される。

そこには大多数のデザイナー、エンジニア、自動車加工業者が参加しており、多くの群集のパワーによって、自動車が設計・製造される仕組みだ。

今回のMakerBotの参加による目的は3Dプリントで完全に製造することを目指している。

大多数のコミュニティの総意と工夫が製品デザインを行い、3Dプリントでカスタマイズして製造する、そんな時代が来るのかもしれない。

例えば今日本ではBMWminiが流行しているが、流行している原因の一つとしてminiの高いカスタマイズ性があげられる。

自分の好きなホイールや自分の好きな車体を自由にカスタマイズすることで自分だけのオリジナルカーが製造することが人気の一つだ。

極端な言い方をすれば、3Dプリンターで製造することが可能になれば、データを変更するだけで自分だけのカスタマイズカーが製造できるようになる。

確かに、現在のデスクトップタイプの3Dプリンターは性能が低く、最終品の製造に適しているとは言い難いが、3Dプリント技術の性能が向上することで、近い将来当たり前の技術になるかもしれない。

このようなカスタマイズ製造ができることで、従来自動車製造にかかわることができなかった圧倒的多数のデザイナーやエンジニアが、自動車製造に参加することが可能になる。

ローカル・モーターズはまさにインターネット技術と3Dプリント技術を使った最先端のモノづくりの一典型と言える。

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