超高速3Dプリンターで自動車製造が本格始動か!ローカルモーターズのテストプリント

By | 2014年4月25日
スポンサーリンク

3Dプリンターで自動車生産

3Dプリンターでさまざまなモノを作ろうという挑戦が、先進的な企業で行われている。自動車設計のオープンコミュニティ、ローカルモーターズもそのうちの一つだ。

以前にもたびたびご紹介させていただいたが、ローカルモーターズはクラウド上で自動車の設計、製造を行なう新たな形態の企業だ。

参加する人は世界中から集まっており、3Dプリンターで完全な電気自動車を作ろうということを計画している。

既に低価格3Dプリンターの雄makerbotのCEOプリベディス氏を迎え、9月8日から13日に開催予定のシカゴ国際車両技術展を目標にプロジェクトがスタートしている。本日は、ローカルモーターズが行ったテストプリントの様子をご紹介。

ローカル・モーターズの3Dプリント自動車製造の記事はこちらもどうぞ

超高速3Dプリンターの実用化が開始

ローカルモーターズが公開したテストプリントを見ると3Dプリンターがもはや単なる試作品ではなく、生産ラインを司る機械になりつつあることに驚かされる。

かねてからローカルモーターズはアメリカの最先端技術の研究開発を行うオークリッジ国立研究所と提携しているが、今回のテストでは、同研究所が研究中の超高速3Dプリンターが使用されている。

下記の写真は、今回テストプリントされた自動車パーツだが、ご覧いただくとかなり大きなものだとわかる。素材は炭素繊維をふくんだABS樹脂からなるプラスチックだ。

樹脂を溶かして積み上げるFDM方式の3Dプリンターだが、この大きさで1層作るのに何とたった1時間でできるという。

これは今の市場に登場している3Dプリンターのスピードと比較してみると、驚異的なスピードだ。オークリッジ国立研究所はかねてから超高速3Dプリンターの研究開発に取り組んでおり、現在の3Dプリンターの500倍のスピードで製造できる3Dプリンターの開発を行っている。

今回使用されている3Dプリンターが、500倍のスピードを可能にする次世代型3Dプリンターではなさそうだが、このテストプリントはオークリッジ国立研究所の開発する3Dプリンターのテストも兼ねているようだ。

3Dプリント電気自動車のパーツ

localmotors-3

1層がわずか1時間でプリント可能

localmotors-2

かなり大きな部品がプリント可能

localmotors-1

 

オークリー研究所の高速3Dプリンターの記事はこちらもどうぞ

3Dプリンターの研究開発には明確な戦略性が必要

アメリカは3Dプリント技術において世界の中でも一歩先をいく国だ。既に3Dプリンターの研究においても20年以上の実績と経験をもち、技術で他国に先んじることで、国の競争力を維持しようとしている。

今回のローカルモーターズとオークリッジ国立研究所の行ったテストプリントはまさに1歩先をいっていることを示している。

こうした技術革新をおこす背景には、アメリカが伝統的にもつ開拓者精神、チャレンジ精神が根底にあるためだ。そしてそのチャレンジ精神は、技術の研究開発の分野ではそれが凄まじい力として発揮されるのだろう。

下記はアメリカと日本、中国を含めた過去30年間のGDPの推移だ。アメリカと中国は過去30年間にわたり右肩上がりの成長を継続し続けている。しかし一方で日本は1995年を境に、全く成長していないことがわかる。

国のGDPを高め、成長を推進する要素は技術力だけではないが、技術力が競争力の核になり、国の成長戦略の核になることは間違いない。

3Dプリント技術の研究開発を行うに際しても国の産業構造の行く末を示す明確な戦略があってしかるべきだ。

例えばイギリスなどは、3Dプリントセンターの開設に莫大な資金を投じているが、その分明確な経済効果を財務省がしっかりと発表している。

3Dプリンターの及ぼす影響とその本質をみきわめたうえで、戦略的に投資を行ってもらいたいものだ。

アメリカ、日本、中国のGDP推移

chart

 

日本の3Dプリンター政策の記事はこちらをどうぞ

まとめ –技術革新の新たな方法を-

今回の例を見ても、電気自動車を全て3Dプリンターで作ろうという発想や、現在のスピードの150倍のスピードを出せる3Dプリンターを作ろうといった発想は、我々日本人では、到底持ち得ない発想だ。

日本人からしてみると、このような新しいことをするチャレンジ精神に拒否反応を示すか、大抵が鈍感で、実現不可能だと感じるだろう。

例えば日本の3Dプリンターの開発目標は今の5倍の速度をもつ金属材の3Dプリンターの開発で、なんとなく現実的な想像の範囲でしかない。

しかしアメリカはこうしたチャレンジ精神を大切にし、まわりも盛り立て、ついには成功させてしまう。これからの時代、想像の範囲内に留まる技術革新に取組んでいては、ますます競争力で引き離されれてしまうだろう。

日本は1990年代以降、失われた20年と呼ばれる停滞をまねき、GDPの成長でも停滞し続けているが、アメリカやEU、中国、アジア諸国は堅調に成長している。また、これからは、いやもう既に言語の壁がない他国は、クラウドを通じて国に関係なく世界中からアイデアを集めて革新を行っている状況だ。

クラウド技術によって真のグローバル化が起きつつある中、鎖国している国はどんどん引き離されてしまう。

ローカル・モーターズのその他の記事はこちらもどうぞ

スポンサーリンク