5万円の光造形3DプリンターLittleRPがわずか2日で4倍の資金調達に成功

わずか2日で4倍の資金を集め、年内発送は既に完売

かねてから度々注目を集めてきた1台5万円の光造形3DプリンターLittleRPがキックスターターで資金調達を開始している。調達開始後、わずか2日で目標金額の2万5千ドルを遥かに上回る9万4千ドル約940万円までに達している状況だ。

LittleRPはアメリカだけではなく、全世界に発送を開始しているが、既に2014年の年内発送のサポートは全て完売しており、2015年3月以降の発送枠しか残っていないほどの人気ぶりだ。

キックスターター場では、細かい機能説明やスペック、動画が公開されており、解像度の比較まで掲載されている。その造形精度はもはや高性能3Dプリンターと言っていいほどの出来栄えで、これが5万円から10万円程度の価格で手に入ることを考えると、3Dプリンターの低価格化は一気に加速しそうだ。

因みに光造形とは、エポキシ樹脂アクリル樹脂ポリウレタンなどをベースにした液状の紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して硬化させるタイプのもの。材料バリエーションもFDMほどではないが拡大してきている。

新たに公開された高精度な仕上がり

コインほどの大きさの歯車も精巧な仕上がり

中空構造もプリント可能

100ミクロンと15ミクロンの比較

25ミクロンの解像度で作ったロボットのフィギュア

積層の粗さは全く目立たない

LittleRP動画

LittleRPセット

LittleRPは特許の関係もあり以前の名前LittleDLperから変更されたものだ。その仕上がりは驚異的で、フィラメントを使用するFDMタイプの3Dプリンターでは到底追いつくことができないレベルだ。スペックやプロジェクターの使用などの細かい仕様に関しては、以前の記事1台5万円のオープンソースの光造形3Dプリンターが本格生産を開始でご紹介したが、プロジェクターを自分で購入して組み立てることも可能だ。

LittleRPの登場で激化する3Dプリンターの競争

低価格タイプの3Dプリンターは最近ではほぼ毎日のように世界各国で新たなモデルがリリースされている。もはやちょっとやそっとの違いでは差別化は難しい状況だ。

各社それぞれ特長を打ち出しているが、LittleRPほどインパクトのある特色を打ち出せていない状況にある。例えば巨大な造形物をプリントできる機種や、2色グラデーション印刷ができるもの、造形スピードが早いものなど千差万別あるが、機能性、価格、解像度といった部分で明確な強みを打ち出せなければ多くの新商品が淘汰されていく。

既にLittleRPの登場により、今後新たにリリースする3Dプリンターは、価格帯と解像度で下回るものをリリースしてももはや無駄だろう。しかもLittleRPはオープンソースであることから、光造形タイプの3Dプリンターの開発は一気に進むことになる。またLittleRP以外にもAutodeskがオープンソースの光造形モデルを打ち出しており、国境に関係なく開発競争が進むだろう。

 まとめ 3Dプリンター開発は素材が中心になる

とはいえ、3Dプリンターの開発にはまだまだ改善すべき点が多く、一般消費者が手に取るには克服しなければならない多くの課題がある。例えば低価格モデルでのフルカラー化は未だなされていない状況だ。また、異なる素材を同時にくみあわせるマルチプリントといった部分も今後の開発課題だ。

更には金属材料の低価格3Dプリンターは全く手付かずの状況にある。このように見てみると、今後3Dプリンターの開発焦点は素材を中心にした開発が主流になる可能性があるだろう。

もちろん、造形スピード、解像度の精密さ、プリントの安定性など、多くの点が改良されてくるだろうが、LittleRPのように多くの注目を集めるには、素材を中心にした開発が最も必要になる。いずれにせよ3Dプリンターの品質向上と低価格化は一気に進みそうだ。

1台5万円の光造形3Dプリンターの記事はこちらをどうぞ

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