1台5万円のオープンソースの高性能3Dプリンター「LittleDLPer」登場

1台5万円からの高解像度3Dプリンター

2014年度に入り、続々と低価格帯の3Dプリンターが登場している。特にクラウドファンディングで資金調達に乗り出すケースが多い。

これまで本サイトでもいくつかの機種をご紹介してきたが、低価格ならではの様々な特性を持つプリンターが多い。本日ご紹介する「LittleDLPer」もそのうちの一つ。 特長は何とたった1台5万円からの低価格帯だ。

しかも低価格なだけではなく、光造形法をとっていることから、この価格帯にしては驚くほど精度の高い造形物が生成可能。

光造形法とは、加熱すると硬くなる性質を持つ熱硬化性樹脂の一種である紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して物体にする積層技術のこと。紫外線硬化性樹脂とは、エポキシ樹脂アクリル樹脂をベースにした液体樹脂で、最近ではポリウレタンなどのゴムライクな材料も登場してきている。

デスクトップタイプではFormlabs社のForm2がSLAタイプの光造形3Dプリンターとして代表的な存在だ。

本日はたった1台5万円から購入することができる高性能低価格3Dプリンター「LittleDLPer」をご紹介します。

SLA光造形製法で高解像度を実現

「LittleDLPer」をご紹介する前にオープンソースのもう一つの3Dプリンター「Reprap」と比べてみよう。

ちなみに価格は「Reprap」も1台5万円程度で、Yahooショッピングでは5万6500円税込で販売されている。「LittleDLPer」は組み立て式で5万円、完成体で10万円だ。 ほぼ同程度の価格帯と言っていい。

それでは造形精度はどうなのだろうか。 「Reprap」は一般的な樹脂の3Dプリンターで、FDM方式、積層式の製法をとっている。FDM方式の難点は樹脂を溶かして積み上げるため、樹脂の階層が目に見えてわかる点だ。

しかし、「LittleDLPer」はDLP方式というプロジェクターで樹脂を硬化させる光造形法を採用している。 そのため積み上げるFDM方式とは異なり、樹脂の層が全く目立たない。 下記の二つの画像は「Reprap」と「LittleDLPer」で作られたもの。

両方とも同じオープンソースの3Dプリンターで、価格帯もほぼ同じだが、その精度は見るだけでわかるほど異なる。

「LittleDLPer」で成形された物体 粗さが全く目立たない

「Reprap」で成形された物体

ちなみに、光造形方法をとる3Dプリンターで有名な「Form1」は1台あたり3299ドル、約33万円ほどで、組み立て式の「LittleDLPer」と比較した場合、6倍の価格がする。

ちなみにお披露目は6月28日カンザスシティで公開されるメーカーフェアで公開されるようだ。

「LittleDLPer」3Dプリンター

「LittleDLPer」スペック

  • 造形サイズ:60㎜×40㎜×100㎜
  • 積層精度:0.05㎜
  • 印刷速度:1㎜/約2分、40㎜/約80分

まとめ –低価格3Dプリンター市場は群雄割拠状態-

かつて、「Form1」の登場で、液体樹脂による3Dプリンターは一躍注目を集めたが、今回の「LittleDLPer」の登場を見てみると、それが当たり前になりつつあるように感じる。

しかも、組み立て式ならば1台たった5万円で、この性能はかなり驚異的ではないだろうか。解像度だけではなく、造形スピードも従来の低価格帯の3Dプリンターに比べてみると驚くほど速い。

今年に入り、既存メーカーだけではなく、さまざまなメーカーが3Dプリンターのリリースを行っているが、どれも個性的で、既存の製品を上回る物ばかりだ。

今回の「LittleDLPer」もそのうちの一つ。また、オープンソースということからも、気づくとさらに性能を上回る物に改良されているかもしれない。

既存のMakerbotや、Reprap、Cubeシリーズなどに加えて、いくつの3Dプリンターが登場しただろうか。

まさに低価格帯の3Dプリンター市場は群雄割拠の様相を呈してきている。3DソフトウェアのAutodeskが低価格帯の3Dプリンター市場に参入するなど、まだまだ目が離せないのが現状のところ。 今後の各社の開発状況が気にかかるところだ。

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