ギネス世界最速車ケニーセグ
自動車製造の現場において3Dプリント技術の使用が広がっている。
F1レースに3Dプリント製造がと入りられているが、今度はスウェーデンのメーカーケニーセグが世界最速を誇る自動車Oneの製造に3Dプリント技術を導入したことを発表した。
ケニーセグは1993年設立のスーパーカーのメーカーで、ギネス世界最速の記録を持つ自動車メーカーだ。
今回発表されたスーパーカーOneはなんと最高速度が時速273マイル、すなわち時速440kmものスピードが出せるという。
この驚異的なスピードを出すにはエンジンの馬力もさることながらたった一つのシンプルな対策が必要だという。それは重量をどれだけ軽量化することができるかによる。
ケニーセグOneは車体軽量化のためにあらゆる取組を行っているが、3Dプリント技術を使用したのもその取組の一貫だ。
3Dプリント技術が利用されたのは、排気チップの製造において使用されており、結果として従来の製造に比べて約400gの軽量化に成功している。
また、それ以外にシャーシの素材を最先端素材であるカーボンファイバー(炭素繊維)に切り替えることで20%の重量ダウンに成功した。
排気チップの3Dプリント製造にはチタン粉末から生成するレーザー焼結方法がとられているとのことで、全部で3日間かかっているとのこと。
結果として車体全体の軽量化につなげられるだけではなく、製造にかかるリードタイムとコスト削減に貢献することが可能になっている。
ケニーセグOne
ケニーセグOneスペック
- パワー出力:7500 rpmで1 MW – rpmリミッター8250rpm
- トルク:NM 1000 3000〜8000rpm
- 最大トルク:1371 Nm(6000rpm)
- 毎時0〜400キロ:約20秒
- 毎時400〜0キロ:約 10秒
- 制動距離:28メートル(毎時100〜0キロ)
- 全長:4500mm
- 全幅2060mm
- 全高:1150mm
- 燃料容量:74L
- ボディ:2人乗り
- 保証期間:3年
まとめ
パーツに応じて3Dプリンターを利用することで、従来では得られなかったパフォーマンス向上とコスト削減がなされるようになっている。
特に乗り物の製造にはあらゆる側面からメリットをもたらすようだ。それは主に3つの面でのメリットがある。
第一は製造側のコストの面、第二は製品自体のパフォーマンスの向上、第三は消費者にとっての価格低下と性能向上のメリットだ。
またこれ以外にも、試作や製造にかかる時間の短縮により、製品サイクルが向上することで、市場の声を製品に反映させることが用意になり、顧客満足につなげることも可能だ。
このように3Dプリント技術は製造プロセスの一面的なメリットをもたらすわけではなく、消費者との接点においても多大なるメリットをもたらすだろう。
まだまだ3Dプリント技術自体の向上が必要で、導入できる分野も限定的であるが、将来的な広がりを考える上では、様々な業界の取組を知っておく必要があるのではないだろうか。
今後も様々な利用の一助になる可能性になればと、多くの利用方法をご紹介していきたい。
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