複雑で柔軟なファッションアイテムのカスタムメイドツール!キネマアプリ

キネマアプリとは

2013年は3Dプリント用のデータをダウンロードするサービスが世界各国で立ち上がり、様々なサービスが登場している。

デザイナーが登録販売できるものもあれば、無料でダウンロードできるもの、製造パーツに特化したサービスなど、いろいろだ。

本日は複雑で、柔軟なファッションアイテムを自分でカスタマイズでき、3Dプリント出力することができるサービス、キネマアプリをご紹介。

このキネマアプリは、ホームページ上で3Dデザインを自由にいじることが可能で、好きな形状の3Dデータをダウンロード購入するという仕組み。

現在カスタマイズすることができるアイテムは、ブレスレット、ネックレス、イヤリングの3種類から選択が可能。

ベースとなっているモデルは運動関節学に基づいた複雑なモジュールで、三角形の形状を組み合わせることで、生成されている。そうした由来から、Kinematicsすなわち運動学という名前が付けられている。

ベースモデルの三角形の内部デザインやまわりの形状、カラーの選択ができる。製品化された状態でも購入が可能で、価格は製品の種類と形状により異なるが大体40ドル~100ドル程度2週間で出荷される。

ちなみにファイル形式はMakerBotなどのデスクトッププリンターに対応したSTLファイル。

ネックレス1

 

ネックレス2

 

ブレスレット

 

イヤリング

 Project Ara( プロジェクト・アラ)とのコラボレーション

このキネマアプリのサービスを提供しているのは、「Nervous System」というデザインスタジオだ。

科学、芸術、テクノロジーの発想を基点にしたプロダクトデザイン企業だが、キネマアプリの立ち上げは、モトローラが行う最先端技術プロジェクト「Project Ara( プロジェクト・アラ)」とコラボレーションして行われた。

キネマアプリはコンピュータプログラムを用いることで、ユニークでお手頃な価格のアート、ジュエリー、家庭用品を製造販売することが目的で、今後も製品ラインナップが加わる可能性が高いだろう。

クリエイティブを行うのは、MITで建築と生物の学位を取得し、ハーバード大学大学院で建築を学んだジェシカロー・ゼンクランツと、MITで数学とモデリングを学んだジェシールイ・ローゼンバーグで、デジタルと数学、運動性の概念からデザインにアプローチしている。

下記は新たな製品開発の取組として行っている、個人個人の身体にフィットした柔軟性のある3Dプリントドレス。

3dスキャニングし、体系にフィットする3Dモデルを生成

 

異なる大きさの三角形のパーツで柔軟性を表現

 

三角形の形状やデザインは自由にカスタマイズ可能

 

最終的に3Dプリンターに収まる設計を施す

まとめ -消費財のオンデマンド生産の時代―

「Nervous System」が取り組むキネマアプリプロジェクトは、まだまだデザインのパターンや、できることなどが限られているが、デジタル技術を取り込んだ新たな取り組みだ。

オンデマンドに対応したカスタマイズ製造は今後大きく広がっていくだろう。

特にモノを形づくり3Dプリンターの性能が飛躍的に向上することで、その強みは生きてくるに違いない。残念ながら現状の3Dプリンターの性能だと、(特にデスクトップタイプ)大量生産によってきちっと加工された製品と比べて見劣りがする。

それに、3Dプリンターの性能が向上したからと言っても少なからず人の手を加えることは必要なのではないだろうか?

精密を要求されるパーツや部品の製造であれば高性能3Dプリンターで製造するだけでも良いと思えるが、人の手にわたって実際に使用する消費財などは、どんなにテクノロジーが発展しても、なんとなく人の手によって作られたり、人の手によって一加工されているモノの方がいいような気がしてならない。

当たり前の話だが、肝心なのはどういう手法で製造されるかということよりも、実際に手に取って使用する使い手にどんな価値観を与えられるかが重要で、今後デジタルからのダイレクト製造が浸透してきたときに最も気を付けなければならない部分なのではないかと感じる。

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