スペアパーツ専門の3Dプリントサービス「KAZZATA」登場で、在庫が不要

By | 2014年5月23日
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3Dプリンターと在庫の課題

3Dプリンターが生産体制に組み込まれることで、企業側が受けるメリットは多岐に及ぶ。

中でも在庫管理が不要になることが大きい。これまでの大量生産方式だと、必ずスペアパーツも含めて大目に生産しなければならない。

しかし現実に市場に流通した後、スペアパーツが出ることはほとんどなく、在庫として資産に計上されることになる。しかし3Dプリンターで生産することができれば、いつでもデータから直接生産可能なため、必要に応じて作るだけで済む。もちろん在庫を抱える心配もない。

在庫管理に関する3Dプリンターのメリットは下記の記事で詳しく述べているが、これまで作られたあらゆる製品のスペアパーツも不要になるかもしれない。本日はスペアパーツを3Dプリントする専門サービス「KAZZATA」をご紹介します。

在庫管理と3Dプリンターの記事はこちらをどうぞ

メーカーとデザイナーを結びつけて既存パーツをデータ化

3Dプリンターを使ったプリントサービスはその大半が消費者向け製品を提供している。ShapewaysやAmazonストアなど、デザイン性やカスタマイズ性に優れた一品ものを3Dプリンターでプリントして提供するという仕組みだ。

しかし今回ご紹介する「KAZZATA」は、スペアパーツという部分に焦点を当てることで、製造業の企業、デザイナー、消費者を対象に3Dプリントサービスを展開している。

「KAZZATA」が提供するサービスは主に二種類に分類されるが、第一が、メーカーとデザイナーを結びつけるサービスだ。

これは自社の製品のスペアパーツを3Dデータ化したいメーカーと3Dデザインができるデザイナーをマッチングさせるサービス。このサービスにより、あらゆるタイプの既存製品のスペアパーツを3Dデータ化して格納することができる。

家電製品、玩具、スポーツ用品、クラシックカーなどスペアパーツが必要な製品はあらゆるものがあるだろう。メーカーとしても不良資産になりかねない在庫はもはや持たなくても済む時代になりそうだ。

メーカーもパーツを余分に生産する必要がない

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KAZZATA動画

消費者もスペアパーツを探さなくて済む

こうしたスペアパーツの3D化は多くの消費者にとってもメリットをもたらすのではないだろうか。

「KAZZATA」が提供するもう一つのサービスは消費者向けのものだ。例えば自宅で使っている簡単なものであれば、写真データを「KAZZATA」に送付するだけで、3Dデータ化し、3Dプリントして納品してくれる。

また、データ納品もしてくれるため、お近くの3Dプリントサービスを利用することも可能だ。ドアノブ、ハンドル、おもちゃ、携帯電話ケース、プラスチックの自動車部品などであれば今でも対応可能になっている。

いちいちスペアパーツを探す必要もないし、面倒な手続きを踏んでメーカーに問い合わせする必要もない。

修理パーツを探す必要はない

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スペアパーツのロングテール

Amazonのロングテールと同じように、「KAZZATA」が提供するビジネスモデルは、スペアパーツのロングテールだ。

メーカーは自分たちの製品のパーツ類を販売することで、1個1個の売り上げ自体は小さいが、世界中で修理をする人たちにオンデマンドで答えることで、何百万となり、大きな売り上げを構成することになるだろう。

まさにデータに立脚する3Dプリント技術ならではの取組だ。在庫がなくなれば、在庫にかかる経費や、決算時における資産としての税金も支払う必要がなくなるだろう。

既に「KAZZATA」ではいくつかのスペアパーツが販売されている。まだ数は少ないが、今後、3Dプリント技術が拡大することであらゆる製品のスペアパーツが販売されることになる 。

メーカーとデザイナーを結びつけ、世界中のスペアパーツのニーズにこたえる仕組み

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販売されているパーツ類

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まとめ

3Dプリンターが普及するにしたがってあらゆる新しいビジネスが登場している。

今回ご紹介した「KAZZATA」の例も、まさにスペアパーツのロングテールと言えるだろう。

こうしたデジタル技術とIT技術を使用したビジネスの特長は、圧倒的な効率性を武器にそこに参加する人たちに大きなメリットをもたらすが、3Dプリンターに立脚する「KAZZATA」のビジネスでは、在庫という経営に関わる部分で多くの製造業をサポートすることになる。

また、在庫を抱えるよりは、データで管理したい製造業のために、多くのデザイナーにも利益をもたらすことになる。そこで得られるメリットから「KAZZATA」は手数料をいただくという仕組みだ。

まさに他人の利益が自分の利益になるというビジネスの本質を追求した新たな展開だろう。

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