わずか199ドル。iPhone専用高性能3Dスキャナーeora登場

By | 2015年8月4日
スポンサーリンク

民主化が進む3Dスキャナーと3Dデザイン

3Dプリンターと同時に注目されるのが3Dスキャニング技術だ。物体を三次元でスキャニングし、3Dデータ化し製品開発に役立てることができる。3Dスキャナーは既にリバースエンジニアリングの分野では当たり前に使用されてきた技術。

大手メーカーなどでは当たり前のように使用し、競合他社の製品をバラバラに分解、3Dスキャニングをし、それをベースに自社の製品開発のスピードを高めることに利用してきている。本来の3Dスキャニングの使用方法は、全くのコピー品を作るために使用されるのではなく、競合品の強みと弱みを分析し、自社の製品開発に役立てる情報を得るために使用されてきた。

だが、この3Dスキャニング技術が、スキャナー自体の低価格化により、民主化されようとしている。既にオートデスクの123DCatchなどのようにスマートフォンのアプリケーションで3Dデータを作る手段は登場してきているが、より精度の高い3Dスキャナーが低価格で登場し始めているようだ。

本日はわずか199ドル(2万4千円)ほどでiPhoneが3Dスキャナーに変身する新たなスキャナーeora3Dをご紹介しよう。

iPhone専用 スマートフォン対応 3Dスキャナー eora3D

スマートフォンで高精度3Dスキャンができる時代

今回新たに発表されたiPhone専用の3Dスキャナー、eora3Dはオーストラリアに拠点を置くスタートアップ企業だ。既にインテルなどが、スマートフォンやタブレット端末のカメラを3Dスキャニングカメラとして汎用化しようという開発が登場しているが、本日ご紹介するeora 3Dは、それとは別に独自に低価格な3Dスキャナーを開発しようとしている。

このeora3Dの開発のきっかけとなったのは、2013年に太陽光発電のアプリケーションに使用されるパラボラの確認、スキャニングに使用することがきっかけとなったという。当時は最も精度が高く安い3Dスキャナーは20000ドルもした時代であり、その価格の高さと精度を変革するために自分たちで構築することが引き金になっている。

その後4つのプロトタイプを経て、今回キックスターターで資金調達に乗り出すところまでこぎつけた。現在開発された3DスキャナーはiPhone5、iPhone6に対応したモデルであり、AndroidとWindows Phoneでも対応可能になる。気になるその精度だが、独自のレーザービーム技術を使用し、驚く程高性能な精度を発揮できるという。

iPhone専用 スマートフォン対応 3Dスキャナー eora3D

200mmがわずか5分で。最大1メートルの距離でもスキャン可能

基本はiPhoneに装着する小型スキャナーと、専用の無料アプリケーションで動作する。スキャンされる物体の表面全般に緑色レーザ光を投射、毎秒複数枚の画像データとして取り込み、わずか数分で終了することができる。

eora3Dの発表によると、200mmほどの高さの物体で5分、800万ポイントの精度を誇る。また、eora3Dの革新的な機能は、基本となる回転テーブルとそれ以外の方法でもスキャニングが可能な点だ。この回転テーブルはBuletooth対応の回転テーブルで物体を乗せて、360度回転させながらスキャニングをおこうことができる。

さらにはこのテーブルを使用しなくても、物体から1メートルの距離でどの角度からでもスキャニングできる。これによって小規模な物体だけではなく大規模モデルの3Dスキャンも可能だ。ちなみにデータ形式は.ply、.objファイルまたは.STL。

iPhone専用 スマートフォン対応 3Dスキャナー eora3D

Bluetooth対応回転テーブル

iPhone専用3Dスキャナーeora3D動画

まとめ テクノロジーの低価格化はデザイナーや起業家を後押しする

3Dスキャナーは、3Dプリンターと同様、驚く程低価格で購入できるようになるだろう。例えばプロダクトデザインの現場に置いても3Dスキャニングが手軽に利用できるようになれば、製品開発の速度も格段に向上する。

例えば一般的にはデザインラフがあり、それをベースにデザイン案を具体的に落としこむといった作業が必要になるが、参考になるプロダクトや、物体を手軽にスキャニングすれば、実際に物体として見比べることが可能になり、開発スピードが大幅に向上するだろう。まさにデザイナーや製品開発を行う起業家、メーカーにとって、テクノロジーの低価格化は彼らのアイデアを世に放つ環境を整えることにつながるのだ。

今回ご紹介したeora3D以外にもインテルのように全てのスマートフォンやタブレット端末のカメラを3Dスキャンニング機能搭載にしようという動きも盛んになりつつある。こうした技術の発展がもたらす世界では、ますます、カタチに表現する以前の問題、コンセプトからのデザインが重要になってくるだろう。デジタルものづくりは、テクノロジーが進めば進む程、ハードではなくソフトが重要になってくる典型的な事例だ。

3Dスキャナーの開発に関する記事はこちらをどうぞ

スポンサーリンク