IOT時代のプラットフォーム型製品開発。Apple homekitとGoogle Project Brillo

By | 2015年7月3日
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これまでとは異なるIOT時代の製品開発

IOT(モノのインターネット化)の時代の製品開発はどのように進むのだろうか。あらゆるモノがインターネットに接続しさまざまな機能を発揮する時代においては、製品開発、とりわけエレクトロニクスの開発方法は従来とは異なる。

例えば、アメリカのマーケティング調査会社Transparency Market Research(通称TMR)が発表しているところでは、IOT関連のアメリカの市場規模は2012年で36億ドル、2019年に164億ドルに達すると予測している。2013年度から2019年までの年平均成長率は24.6パーセントにも上り、急速にあらゆるエレクトロニクスが無線でコントロールされアプリケーションで操作されるようになってきている。

こうしたデバイスの多くは基本的に家、ホームに接続されて使用されることから、今後登場する家電製品の多くはスマートハウスに統合されることが予測される。既に世界の大手家電メーカーたちも次世代のスマートハウスを中心にした製品発表を行い、ソフトウェアアプリケーション、温泉コントロールといった機能により、あらゆるモノがクラウドに統合される。

そうした時代において開発される製品の多くは、これまでの製品開発とは一風異なる過程をとりつつあるようだ。IOT時代の製品開発にとって重要になるファクターは、ユーザーに対するコンセプトや利便性、快適性はもちろんのこと、ネットワーク関連のインフラとの互換性、規格なども重要になる。

また、その最大の特長は、開発から発売に至るまでが驚く程低コストで、超高速化しているという状況にある。本日はこうしたIOT時代における製品開発の新たな形Apple homekitと、Google project Brilloと新たな時代の製品開発ついてご紹介しよう。

IOT 製品開発 プラットフォーム

テクノロジーとプラットフォームの無料化で製品開発が超高速化

これまで弊サイトでもいくつかのインターネット化されたモノをご紹介したが、その多くが、無料で開放されるツール、ソフトウェア、開発キットなどを利用し開発されている。また同時に試作品が登場した暁には、キックスターターやindiegogoなどのクラウドファンディングサイトで資金調達に乗り出し、その製品を望む顧客をすぐさま見つけることに成功している。

こうしたIOT製品の多くが、低コスト化するシリコン電子部品を使用し、オープンソースのArduino、ラズベリーパイといったハードウェア&ソフトウェア開発キットを使用し開発される。さらには製品のメインボディとなる筐体は3Dプリンターで即座に形にするという方法だ。

その製品開発の特徴を一言で言うと、既存のあらゆるプラットフォームを利用することで、開発からローンチまでの期間が圧倒的に短い。これまである一定の金額をかけなければ使用できなかった技術やソフトが無料かそれに近い金額まで低下してきている時代において、そうしたプラットフォームを自由に使いまわすということが必要になる。

またそうしたIOT時代の製品開発において、より開発者たちの利便性を高めようとする開発プラットフォームとして二つの企業が台頭し始めている。それがAppleとGoogleだ。

モノの開発プラットフォームに進出するAppleとGoogle

AppleとGoogleこの二つの企業は、既にスマートフォンのOSと、それをベースにするアプリケーション開発の分野でプラットフォームビジネスを展開している。世界のスマートフォンのOSは、ほぼAppleのiOSと、Googleのアンドロイドに二分されるが、ここで使用されるアプリケーションは、この二つのOSに適合した開発者向けのプラットフォームに参加しなければならない。

例えばこのプラットフォームではアプリケーションの開発ツールの提供から販売に至るまで、一連のサービスが提供される。このソフトウェアアプリケーションの世界での両社の手法が、IOT化するものづくりの分野において進行しつつある。例えばAppleではIOT製品の開発プラットフォームとしてApple homekitを提供している。

このプラットフォームはスマートハウスなどに使用するための新たなエレクトロニクス製品を開発するために、アプリ開発とハードウェア開発、二つの側面からリソースを提供している。新たにスマートデバイスを開発する起業家やメーカーは、このApple homekitに参加することでゼロから独自に開発するよりも、無料でより早く製品開発を行うことができる。

ちなみに既に5社、照明のLutron、サーモスタットのEcoBee、ドアロックのINSTEON、無線センサのElgato、スマートコンセントのiHomeなどのスマートデバイスのメーカーがこのApple homekitを利用して製品開発を行っている。このApple homekitは、昨年2014年の6月に発表されたが、Googleは、今年の2015年5月28日にProject Brilloを発表している。

Googleが提供するProject Brilloは、IOT製品開発のためのアンドロイドバージョンを提供するプラットふぉーむである。Googleは6月の頭にもウェアラブルデバイス開発用のプラットフォームProject jacquardを発表したが、こちらのProject Brilloでは、ハードウェアメーカーや、アプリケーション開発者がよりシンプルで簡単にIOTデバイスを開発できる環境が提供される。

IOT 製品開発 プラットフォーム

まとめ 時代に対応した製品開発の方法を学ぶ必要あり

多くのモノがスマートフォンやスマートウォッチなど、アプリケーションで使用される時代において、製品開発は従来通りのハードウェア単体のみで完結するものではない。より機能性と利便性を発揮するために、アプリケーション開発と、ハードウェアとの連携すなわち無線技術などの精通が必要になる。

しかし一方でハードとソフト、さらに両者をつなぐための無線技術に精通した人材を確保することはなかなか難しいのが現状だろう。そのように見てみると、AppleとGoogleが提供するこの二つのIOT開発のためのプラットフォームは、IOT時代の製品開発に最も不足した部分を補うためのものだということがわかる。

また、IOT時代の製品は全て、ソフトであるiOSとアンドロイドに統合されることから、かれらが製品開発の部分までプラットフォームの手を伸ばすということは必然だと言えよう。今後のIOT化されたエレクトロニクスの製品開発は、こうしたプラットフォームやオープンソース、3Dプリント技術の浸透から、製品化の速度が飛躍的に高まるに違いない。

今後のメーカーや起業家は単なる技術的な習得に留まらず製品開発の方法論も学ぶ必要がありそうだ。

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