3Dプリントできるインプラント専用デザインのソフトウェア

拡大する3Dプリンターのインプラントでの使用

3Dプリンターはいろいろな業界での導入が進んでいる。とりわけ製造業における導入が代表的だが医療分野においても個人個人に適合したカスタマイズ生産という強みを生かしている。医療分野においては特にインプラント治療においてその力を発揮している。

インプラントと聞くと歯での使用をイメージされる方が多いのではないだろうか。インプラントの意味自体は体内に埋め込まれる器具の総称を指すため歯科での利用以外にも幅広く使用する。最も代表的なのが歯の変わりとして使用されるものだが、ほかにも骨折やリウマチ等の治療で骨を固定するときに使用するボルトなどがある。また、心臓のペースメーカーであったり、人口内耳にも使用されるし豊胸手術などでも使用される。

医療分野での3Dプリンターでの利用がなぜ頻繁かというと第一に人体の代替となる骨やパーツは人それぞれで形が異なるためである。全く同じ形をしている人というのは存在しないため、必ずその人の体に合ったカスタム生産になる。そのため、1個から生産ができデータから直接ダイレクト製造できる3Dプリンターは最適なツールである。

インプラントデザイン専用のソフトウェア

このほど、ニューヨーク市とC&A Tool社が共同で医療分野における金属インプラントに設計と製造の画期的なプログラムを立ち上げたとのことだ。このサービスは医療外科と整形外科のデザイナーやメーカーをターゲットにしたもので、無料で使用できるソフトウェアを提供するとのことだ。このソフトウェアは3Dプリンターで金属物を生成するためのソフトウェアだ。このシステムを利用することにより製品の性能を向上させ、個々の患者のニーズに合わせて医療製品が作ることができるというものだ。

従来の移植に必要な医療製品を製造する場合、表面が粗い部分を仕上げるためにプラズマ溶射などの機械加工が必要で追加のコストが発生していたが、3Dプリンターによる金属積層によって製造すれば非常に緻密な積層によって二次加工が不要になるとのこと。

C&A Tool社は金属加工技術の専門企業で金属加工に関するあらゆる製法、レーザー焼結(SLS)や研削など、を行う企業で、ソフトウェアの専門企業WITHIN社とコラボレーションすることで今回のサービスを提供するようだ。新しいソフトウェアは、すべての設計者に軽量で強い微細格子構造を含む非常に複雑な形状をデザインさせることができる。特徴として、利用者は無料で利用することができ、患者一人ひとりにあった設計が可能とのこと。またセキュリティとして設計データファイルの暗号化等も行えるようだ。

まとめ

医療分野での3Dプリンターの利用拡大が顕著だ。インプラントでのC&A Tool社の取組など、各医療分野での導入が進んでいる。3Dプリンターが導入されていることで有名なのは他に補聴器がある。補聴器の製造の90%近くが既に3Dプリンターを使用して作られているという。

確かに耳の形一つとってみても人間は全く同じ人はいない。またインプラントで使用される骨や歯などの形も人それぞれ千差万別だ。まさに一人ひとり個別のカスタマイズで1個単位で製造することができる3Dプリント技術は最適な道具と言える。

また、C&A Tool社のように医療製造に携わるデザイナーやメーカー専門に専用設計のソフトウェアを提供するサービスというものも今後増えていくかもしれない。

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