ヒューレット・パッカード2014年に3Dプリンター市場に参入

ヒューレット・パッカードの3Dプリンター市場参入とは

ヒューレット·パッカードのCEOメグ·ホイットマンが2014年に3Dプリンター市場に参入すると発表したようだ。彼女の公式発表によると、3Dプリンター事業はまだまだ幼年期に位置しており、ヒューレット・パッカードがリードしていきたいと述べている。同時にまだまだ印刷成形するのに時間がかかりすぎることを問題点として挙げており(ボトルを印刷するのに8時間から10時間かかる)どのように早く印刷することができるか、またどのように低い価格帯で消費者に提供できるのかが課題だと言っている。

3Dプリンターは今年2013年度に火が付き、各社そろって3Dプリンターを市場に投入しておりが、市場シェアは代表的な2社で独占されていると言っても過言ではない。1社はこの業界でトップリーダーとして名高いストラタシス社だ。ストラタシス社はデスクトップタイプの低価格モデルを製造するメーカーボット社を買収し、高性能モデルと低価格モデルのラインナップをそろえ市場の40%のシェアを持っている。一方第二位は3Dシステムズ社で市場シェアは30%を占めている。

ストラタシス社に関する記事はこちらで記載しております:84億ドルの市場に!世界最大3Dプリンターメーカー、ストラタシスの見通し

このような市場の状況の中ヒューレット・パッカードの参入は今後どのような影響を与えるのか興味深い。実はヒューレット・パッカードは3Dプリンター市場に参入するのは二度目になるという。以前はストラタシス社と製品uPrintの再販契約をヒューレット・パッカードは締結していた。しかしヒューレット・パッカードが十分な販売を行っていなかったため、ストラタシス社との関係はなくなっていたという状況であるという。

3Dプリンターを特許にしばられない独自方法で開発?

2014年度に製造法のレーザー焼結法の特許が切れることにより、各メーカーの3Dプリンター市場への参入が加速すると言われている。そうした状況から今回のヒューレット・パッカードの参入も特許切れを目して参入すると考えられるのだろうか。

ただ一説によると、ヒューレット・パッカードは自社の巨大な研究施設で独自に3Dプリント技術を開発しているとも言われている。こうした憶測が呼ぶ根拠として、ヒューレット・パッカードが発表している自社の3Dプリンターの特徴からあげられる。

  • 第一にヒューレット・パッカードが製造販売する3Dプリンターは個人向けの安価な3Dプリンターではなく、商用向けを想定している。価格帯は少なくとも1台あたり5,000ドルで、15,000ドルから20,000ドルがいいのではないかとしている。
  • 第二に3Dプリンターの造形法は新しいプロセスを使用するとのこと。これはストラタシスが保有するFDM特許が切れてからでは遅すぎるとしている。
  • 第三にヒューレット・パッカードの3Dプリンターは樹脂プロセスを採用し、これはプラスチック成型よりも早く生成することができる。

こうした点から今回のヒューレット・パッカードの3Dプリンター製造の参入は既存の主要メーカーが保有する特許とは別の方法で参入する可能性があると言われている。

まとめ

3Dプリンター市場への新規メーカーの参入は2014年以降、続々と増えていくことが想定される。その第一の要因は3Dプリンターの特許レーザー焼結法が切れることがあげられる。

これは3Dプリンターのもう一つの特許であったFDM法(樹脂を溶かして製造する方法)が2009年に切れた際、新規で参入してくる企業が多かったことからも予測され、事実デスクトップ用としてこの技術を使い爆発的にヒットした代表的な会社としてメーカーボットがある。

今回の特許切れをにらみ多くのコンピューター関連企業が3Dプリンター市場に参入すると考えられるとともに開発競争と価格競争が加速していくのではないだろうか。開発競争によってより高品質でバラエティに富んだ製品が増えることと、低価格化によって流通量が増えればモノづくりの現場も、プロダクトの流通方法も、あらゆる面で変化が起きていくことが予測される。

参考記事:3der.org

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