拡大する3Dプリントサービス!添加剤製造のグラファイト社と表面メッキ加工のBIS社が提携

3Dプリントから表面加工まで高性能な製品製造

3Dプリント技術が発達するにしたがって、製造業のあらゆるシーンで3Dプリントが導入されつつある。

ただし3Dプリンターを大量導入するのにはかなりのコストがかかるため、3Dプリントサービスが注目を集めている。

新規ビジネスとして3Dプリントサービスを開始する企業が多く、特に国際郵便、物流を扱う企業や小売店などが3Dプリントサービスを試験的に導入し始めている。

急速に注目を集める3Dプリントサービスだが、本日は3Dプリント技術で17年の実績を持ち、レッドブルレーシングにも3Dプリントで協力しているイギリスのグラファイト社をご紹介します。

グラファイト社はイギリス最大のラピッドプロトタイピング部門を統括している企業で、レッドブルレーシングなどイギリスのモータースポーツ業界のパーツを3Dプリントしている。後ほどご紹介するが様々な素材を使って3Dプリントするだけではなく、17年の経験と実績に裏打ちされた専門知識と、高度で高品質なパーツ製造で知られており、高品質な表面仕上げを行うだけではなくコスト削減に貢献している。

グラファイト社が提供する様々な素材

グラファイト社は3Dプリント製造に関して様々な素材に対応している。また、製造にあたり材料から仕上げまで一貫して最適なコンサルティングを行っており消費財から航空宇宙産業のパーツ、モータースポーツのパーツなど幅広く行っている。

1.カーボンSLS

炭素繊維は要求事項が厳しい素材であるが、最高の剛性対重量比と強度対重量比を実現し、170度までの耐熱性を備えている。

主な使用用途:ダクト、カバー、ウイング、ブレーキキャップ、無人偵察機、車輪付きの金属延ばし機、ブラケット

2.セラミックSLA

低収縮性、高精度、安定性、耐熱性にあり、表面仕上げも非常に滑らかなに仕上げることが可能。200度以上の耐熱性をもつ。

主な使用用途:ラピッドツーリング、治具、風洞テスト、真空注型用マスターパターン、金属メッキされる部品

3.ABS(透明)

ABSは優れた伸び性、耐水性、光学的透明度を有する汎用プラスチック。

主な使用用途:フロー分析、マスターパターン、コンセプトモデル、クイックキャストパターン、レンズ(要研磨加工)

4.ABS(グレー)

優れた衝撃強度及び耐水性を有する汎用プラスチック。

主な使用用途:スナップフィット、機能的なコンセプトモデル

5.ゴム状SLS

試作品やゴム状部品に適した素材で耐引裂性、耐久性のある材料。100%以上の破断伸びがあり、熱や化学薬品に耐久性がある。

主な使用用途:ガスケットとシール、ホース、靴の試作品、グリップなど

6.PAEK SLS

高温耐久性、耐薬品性を持ち、軽量な材料。250度までの耐熱性を持ち、化学薬品に対して耐摩耗性を持っている。

主な使用用途:モータースポーツ、航空宇宙、メディカルなどのパーツ製造

7.ポリプロピレン状SLS

強靭で柔軟性のある素材。断裂時50%の伸び、180度までの耐熱性がある。

主な使用用途:ダクト、無人偵察機、自動車用ハウジング、エンクロージャ、コネクタ、スポーツ用品

カーボンSLS画像

セラミックSLA

ABS透明

金属メッキ加工企業BIS社と提携

グラファイト社はさらに3Dプリントサービスの幅を拡大するために金属メッキ加工で60年以上の歴史を持つBIS社とパートナーシップを結んだ。

BIS社は金属の電気メッキ加工を専門にする企業で、提供されるメッキサービスには金、銀、銅、光沢ニッケルなどで、今後グラファイト社は顧客に対して金属仕上げがされた3Dプリント製品も提供することが可能だ。

電気メッキを行うことで、部材や製造品に薄い金属コートを施すことが可能となり、外観の美しさや装飾ができるだけではなく、剛性と耐久性をアップすることができるとしている。

3Dプリント技術と金属メッキ加工の融合により、医学研究のモデル製造、機能試作品製造、宝飾品、芸術作品などのニーズに対応することが可能。

まとめ

3Dプリント技術が飛躍的に向上することにより3Dプリンターの使用も精密なパーツ製造まで分野を拡大し始めている。また、フルカラープラスチック印刷や複合材料印刷なども可能になり3Dプリンターの使用の幅が、当初の試作品製造→部品製造→消費財製造まで幅が拡大しつつある。

しかし、3Dプリントされたそのままの状態では到底エンドユーザーが使用できる品質は保っていないのが現状だ。グラファイト社はそうした3Dプリント製品の不完全性を優れた表面加工を行うことで補っている。

今回の金属メッキ加工BIS社との提携も更なる3Dプリント製品の品質向上に影響するだろう。

あくまでも3Dプリンターは製造までで、最終品として提供されたり、エンドユーザーが手に取る製品はしっかりとした表面加工や後処理が無ければならない。

一般的に3Dプリンターとういと、データがあれば何でも簡単に作れてしまうというようなイメージを持たれかねないが、大切なのは実際に製造されたモノを使用する人である。

3Dプリント技術と表面加工技術とコラボレーションは更なる3Dプリントサービスの拡大だけではなく、提供される側の人たちの信頼性を高める取り組みになるだろう。

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